第112話 112.混乱の王城ー怪我人の治療
<アリシャ>
殲滅すべきジャクソン家の魔導士達
魔導士団長グラノラを逃がしてしまった!!
『此処で肉片も残らないように仕留める』
って心に誓ってたのに・・・
私はその悲しみに倒れそうに・・
意識が遠のいてゆく・・
・・・
・・・
『抱き締められた!!』
私が倒れる姿を見て真也が抱き留めてくれたみたい
それに
麗香、リリス、トリア、ナスティア、クリスも集まってきて全員で私を抱き締めて
「しょうがないよアリシャ」
って慰めてくれる
そんな私の肩が
『トン』
『トン』
っと軽く叩かれ見上げると
「怪我人が出ているみたいだ。手分けして治療しよう。アリシャ、リリス、トリア、ナスティア、クリスは皆に呼び掛けて怪我人を集めて欲しい。麗香は済まないが俺と一緒に治療してくれ」
真也が私の頭を擦りながら、皆を見回してお願いをしている。
あ~今王城はお父様もお母様も居ないんだった!!
私がしっかりしなきゃ!!
私は大声で
「反乱者の撃退大儀でした。怪我をした人を直ぐに集めて下さい、動けない人が居れば、動ける人で此処に運んでください直ぐに治療します」
真也から追加指示が有ったので
「軽症者と重傷者を2列に分け、左側の列に重傷者、怪我をしても動ける人は右側に並んで~」
と指示をだすと、どんどんと真也の前に2列の列が出来てゆく。
「結構派手に魔導士達暴れてくれたものね」
私はドンドンと増えてゆく怪我人の列を見ながらため息を付くと
「そうだな。同じリトリア王国の人間なのに魔導士?いやジャクソン家の人間はクズばかりだな。アリシャはスポーツドリンク出すからそれを皆に配って飲み方を教えてくれないか」
そう言って空間庫から数百本のスポーツドリンクを床に出してくれた。
「解ったわ!!治療は麗香と真也でお願いね」
私はそうお願いして、真也のだしてれたスポーツドリンクをリリス、トリア、ナスティア、クリスと一緒に兵士達や侍女、メイド、執事達に配って飲み方も教えてゆく。
最初は戸惑っていた人達もペットボトルの扱い方が解るともう無心になって飲みだしたわ。
「こ・・こんなうまい物飲んだ事ないぞ」
「何なんだこの飲み物は?」
「凄いな」
「こ・・これは良い!!」
・・・
皆スポーツドリンクを飲んだ瞬間に思わず言葉に出てる
『解る!!』
『解るわ!!』
真也に最初飲ませて貰った時、私だって
『この世界にこんな美味しい物が有ったのか?』
ってビックリしちゃったもの。
真也の世界の産物・・
この世界とは全く別の世界
その技術が有れば!!
そして真也の作る魔法道具が有れば!!
『魔導書を使う魔導士は要らない!!』
真也と出会ったのは・・・
『運命かもしれない!!』
向こうでは真也が重傷者の治療を、麗香が軽症者の治療を次々に行って、怪我が治った人達が次々に歓声を上げ始めてる。
魔導士による魔法陣を使った治療
軽症の場合でも金貨数枚が必要!!
手足が折れた重症者の場合魔導士10人がかりで治療するから金貨数百枚が必要
手足が切断された怪我を治すには魔導士100人が総出で魔法陣に魔力を注ぎ込み何とか治療、でも治療費は金貨1万枚以上取られてしまう。
そんな怪我を麗香と真也は無料で治してしまっているから当然の結果
つづく・・・
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