第111話 111.跡形も無く消滅させてあげる!!

<アリシャ>


私達は家族の見送りを受けて、真也の魔法で

『謁見の間』

に転移

グラノラ!!

グラノラは何処?

謁見の間を見回しても、魔導士の姿は無い!!

「魔導士達はもう此処には居ないようだな」

真也も辺りを見回して私に教えてくれる


謁見の間の天井も、私達を襲った魔法のせいで大きく穴を開けたまま

そして謁見の間の中央には真也の出した青龍の死体が置き去りのままだ。

あれからどれ位経ったんだろう?

私は奴らの奇襲で倒れてたからあれから時間がどれくらい経ったのかさえ解らない。


そんな時

「あれから30分くらいか・・奴らはまだ遠くには行っていないはずだ。探そう!!」

と言って麗香、私、リリス、トリア、ナスティア、クリスを順番に見回す真也

あれから30分くらい経ったんだ・・

真也が言ってくれた言葉で時間がどれだけ経ったのかは解った。


『ドドーーーン』


1階の大広間の方から爆発音が聞こえてくる。

そして

「俺達に従え~!!国王達は俺達が殺した」

と大きな怒鳴り声

「皆1階だ!!行くぞ」

真也が言った瞬間私達は1階の大広間に転移


大広間の2階への階段の降り口に魔導士50人程が固まっていて、大広間の入口付近では盾を構えて防御している兵士達が居る。


私達はその丁度両軍が対向した中間に転移しちゃったみたい!!


『ドドーーーーン』


私達の目の前で爆発音が!!

真也が結界を張ってくれたみたい

「危ない危ない。見えない所に転移するもんじゃないな。皆結界を張ってるから攻撃はするなよ」

真也の指示が即時に私達に飛ぶ

「ありがとう」

「流石真也」

「ビックリした~」

「うわ~魔導士と兵士の戦闘の真ん中に出ちゃったんだ」

「チビッタかも」

「わ・・わたしは大丈夫」

取り合えずみんな大丈夫そう!!



私達を見たグラノラが

「お・・お前達~~生きてたのか~~!!」

と血の気の引いた表情で私達を睨みつけている。


「私達が死んだと思ってたみたいね!!貴方を塵も残さない程に吹き飛ばすまで死ねないのよ!!この世界から魔導士を消すまで私は死ねない!!」

「どうしてそこまで魔導士を嫌う?」

「魔導士はこの世界を破滅に導く諸悪の根源だからよ」


グラノラは真っ赤に顔を高揚させ

「何を血迷いごとを言っている!!魔導士は世界を救う救世主だ!!」

と吠えている


「魔導士は救世主なんかじゃないわ!!

知らないんなら真実を教えてあげる。

貴方達が開発したと自慢している『オーバードライブ』

確かに威力は凄い

でも一つの魔法陣に数十人数百人で魔力を注ぐ間に相当数の魔力がこの世界に溢れるのよ!!

その魔力が魔物を育てて魔獣を進化させ知能を付ける。そして魔獣はより大きよりく強くより狂暴になり手が付けられなくなり終いにはこの世界は滅んでしまう。貴方達魔導士のせいでね!!

10年前と比べて強大化した魔獣に貴方達なら心当たり有るんじゃないの?」



言ってやった!!

言いたい事言ってやったわ!!


「何ぃ~~~~バカな!バカな!バカな!バカな!バカな!バカな!バカな!そんな事は‥無いハズ・・・だ!!」


狼狽したグラノラの姿哀れね

「貴方達が『オーバードライブ』を使った末に見る魔獣の成れの果てを今から見せてあげる。魔獣の重さを感じながら死んでゆくと良いわ」



私はそう言うと同時に真也に抱き着き真也の耳元で

「奴らの上に黒の森の魔獣の死体を出してお願い」


って言うと真也は

『うん』


っと小さく頷いた瞬間、魔導士50人が集まる真上に体調10メートルは有るブラックタイガーの死体を排出してくれた。


光が一気に遮られ暗くなった真上を見た魔導士は

「うわー」

「うわー」

「うわー」

「うわー」

・・・

一部の魔導士が驚きの声を上げただけで上空に出現したブラックタイガーの死体によって押しつぶされた。


「人間なんてちっぽけな物ね」

私の呟きに


「な・・なんだ・・・こ・・こんな~~」

魔獣に半分体を押しつぶされたグラノラが苦痛に顔を歪めながら喋っているが言葉になっていない。


何?


グラノラの手に魔法陣?

光ってる?


『転移の魔法陣』

「大地に普く存在する不変の力よ

 わが求めに応じ、我を対価に

 この魔導書に顕現したまえ

 ・・・」


私は慌てた!!

逃げられる!!

こんな所で逃がしたら一生後悔する!!


『火球!!』

私は焦っていたのだろう

直径3メートルの巨大火球がグラノラに命中!!


その瞬間体長10メートルの魔獣の死体と共に大広間から忽然と消えた魔導士達

魔導士と魔獣の死体が消えた後には何も其処では事件など起こっていなかったような大広間に戻っていた。


異質なのは私達と盾を構えて大広間の入り口で構えたままの兵士達の姿


「逃がしちゃった!!もう少しだったのに!!」

私は悔しかった

「あれじゃ多分死んでない!!」

私は‥しくじった!!

そう思うと涙が後から後から流れて来た。


「悔しい!!」



つづく・・・・

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