第109話 109.ジャクソン家の野望
<グラノラ>
此処は
『謁見の間』
魔導士師団長グラノラは思う
原初の魔導士モノリス・ストレイアの残した魔導書を研究に研究を重ねた結果、10年前だ!!10年前に1000年間誰も気が付かなかった魔法陣の秘密に行きついたのだ!!
原初の魔導士モノリス・ストレイアは1000年前に13人の弟子を次々に取って、その弟子1人1人に適性の有る魔法陣を与えその弟子が師の教えに従って教えてもらった魔法陣を本の形に集大成したものが
『魔導書』
と呼ばれている。
魔導書を開いて、所定の魔法陣に魔力を注ぎながら言霊を唱える事で所定の魔法を発動出来る。
しかし、どうしても威力が弱いのだ。
魔獣は殺せても、戦争のような大人数を一度に殲滅させるだけの威力は無かった。
だから一般の兵士と同じ給与しか貰えていなかったのだ。
魔導書を使う上での問題点!!
それは
『威力!!』
軍隊を殲滅出来る程の威力が無い!!
それを劇的に変えたのが、俺の編み出した
『オーバードライブ』
一つの魔法陣を大人数で取り囲み、その魔法陣に対して同時に膨大な魔力を投入しながら言霊を紡ぎ魔法を発動する事で一度に大量の兵士を殲滅する事が出来る事を発見したのだ。
俺は王に取引を持ち掛けた!!
「新しい魔法をジャクソン家は編み出した。
戦争に使えば、相当な軍隊を殲滅出来る。まずは手始めにギルドに出している魔獣討伐の報奨金をジャクソン家にくれないかという提案だった。
リトリア王国では毎年多額の資金をギルドに投入して魔獣討伐を依頼している。
その金額は1年で金貨数億枚
それにより、国土の魔獣討伐を行い安全を確保していた。
俺達ジャクソン家は魔導書に『オーバードライブ』を使用しリトリア王国内の魔獣を悉く殲滅し魔獣被害は激減リトリア王国は魔獣の肉で毎年潤った。
ジャクソン家としても
王家から魔獣討伐の費用年間金貨数億枚
そして魔獣の肉の販売金額
それのより膨大な資金を貯めこむ事に成功
しかし・・1年程した頃だろうか、他国も密偵を送り込んできていたのだ。
噂と言うものはあっという間に広がるものだ・・・
リトリア王国では魔獣狩りで魔獣の肉で潤っている。ジャクソン家の者が魔獣を狩りつくしているみたいだ・・そんな噂はあっという間に広がり・・・
あっという間に『オーバードライブ』の技術が他国にも漏れてしまったのだ。
これによりリトリア王国の優位、いやジャクソン家の優位は無くなってしまった。
それに輪をかけて、5年程した頃から魔獣が狩れなくなった!!
一つは魔獣が知恵を付けて、俺達魔導士の戦法を読んで、囮の魔獣に向けて『オーバードライブ』発動の為に魔法陣に大人数が集まった時に隠れていた魔獣が魔導士を奇襲し殲滅するようになった。
それと同時期、魔獣の強さが急激に強くなって『オーバードライブ』を使っても魔獣が狩れなくなってしまったのだ。
最近は魔獣狩りに出ても逆に魔獣に襲われて帰って来る事が多くなってしまった。
リトリア王国内の魔獣も凶暴化、そして高知能化、魔獣が群れで逆に人間を狩るようになってきたのだ。それに急激な魔獣の繁殖力の増加
学者は魔獣が進化を始めていると提唱し始めている。
王家からは年間金貨数億枚の資金を止めると言われ
それは魔獣の旺盛な繁殖力のせいでそうなっている、ジャクソン家は魔獣は何時も通り狩っていると報告しているが第一王女のアリシャが筆頭になり強硬になりるるある。
このままでは、魔獣の被害が多くなると、確実にジャクソン家は排除される!!
その前に国王にアリシャ姫を俺の嫁にくれと圧力!!
アリシャ姫の権力を手中にリトリア王国乗っ取る計画もアリシャ姫の強硬な反対で頓挫しかけていたが、あの気の弱いヘンリー国王に
『アリシャ第一王女を頂けないのならば、この国を守護しない』
と脅して今までなんとか繋いできたのだ。
ここ1年でやっと
やっとだ!!
やっと準備が整ったのだ!!
切っ掛けは、
『魔獣寄せの薬の開発の成功』
リトリア王国の北のコートレート聖王国の境界に位置する場所にコレアル峡谷という西東100キロの峡谷がある、
そのコレアル峡谷を利用し魔獣寄せの薬で魔獣をおびき寄せその魔獣を餌にオークの集落からその魔獣を餌にオークが集まるように罠を作ってオーク1000頭以上の一大オーク集落を完成させたのだ!!
『長かった!!』
『この1年アリシャ姫の罵倒を耐えしのぎ苦労した甲斐あった!!』
準備は整った!!
1か月ほど前にアリシャ第一王女へ
「私達ジャクソン家はリトリア王国中を定期的に回って魔獣退治を行っております。アリシャ姫もここ最近の激務でお疲れのご様子、トリステインの南にアノルスのリゾート都市が有ります。アノルスのリゾート都市で休暇を楽しむついでに現在のリトリア王国の魔獣被害の状況を見てきてはどうでしょう?」
と持ち掛けてみた。
アリシャ第一王女は魔獣被害の現状を相当に気にしていたからな。
アリシャ第一王女は俺の話に大乗り気だった。
俺は早速アリシャ王女一行の暗殺計画を練った。
アリシャ王女の通るアノルスのリゾート都市までの間で都市の全くない区間を探して先遣隊の魔導士350人を魔獣討伐の名目で派遣
その場所で待機させ、騎士20人に護衛されたアリシャ第一王女を乗せた馬車がその場所を通った所に、魔導士350人で転移の魔法陣を『オーバードライブ』を使用し起動しコレアル峡谷に作った1000頭以上のオーク集落ごと転移する。
1000頭以上のオークに一瞬で囲まれるのだ!!
万分の一でも1000頭以上のオークの群れから逃げる事は出来ないハズ
アリシャ王女がトリステインの街を出発して3日後、100人の犠牲と引き換えにテイムした青龍が兵舎の檻から突然転移した。
『何が有った?!!』
オーク1000体以上の群れが殺されたのか?
転移させたオーク1000体以上の群れが全滅した場合、最終手段として青龍を召喚魔法で呼び出しても良いと許可していた
『まさか青龍まで駆り出すとは!!一体何が有った!!?』
青龍が呼び出されて1日経った夕方!!
アノルスに向けて休暇の為に旅立ったアリシャ第一王女が帰って来た!!
『オーク1000体以上の群れも青龍も350人以上の精鋭の魔導士達も全部負けたのか?』
そう思っていると、国王から『謁見の間』に呼び出しがあった。
『俺達の計画がバレたのか?』
そう危惧して『謁見の間』の天井裏に魔導士精鋭20人を配置し攻撃魔法を何時でも撃てるように準備させた。
・・・
予想通りバレていた!!
オーク集落1000体以上のオーク
350人以上の魔導士の精鋭達
そして青龍
全て全滅していた!!
奴らは腹に大穴の開いた青龍を何処からか転移してきたのだ!!
『此処までか』
俺は観念して天井裏に待機していた20人の魔導士達に殲滅魔法発射を指示した!!
結果は
『国王一家も、アリシャ第一王女も、奴らの仲間達も全部跡形も無く消滅した』
これで俺の天下だ!!
念願だった原初の魔導士の弟子の中で一番最初に国を建国出来たのだ!!
その名も
『ジャクソン魔道王国』
そして!!
この俺が!!
『ジャクソン魔道王国』国王だ!!
つづく・・・
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