第105話 105.目覚めないアリシャ

<真也>


魔導士団長グラノラの悪巧みにより、アリシャが胸を貫かれた為に俺はアリシャに

『完全治療』

を掛けた瞬間、次の魔導士達の殲滅魔法発動の兆候を感じ取った俺は撤退を選んでアリシャを抱き抱えたまま麗香、リリス、トリア、ナスティア、クリス、そしてアリシャの家族を巻き込んでテレポート!!


そして一気に張っていた結界を解いた

テレポートしてきたのは黒の森の岩山の山頂に有るカルデラの中の湖の畔

俺は抱き締めたアリシャの体を揺すって


「起きろ!!目を覚ませ!!俺を置いて死ぬんじゃね~!!」

「完全治療の魔法を作って掛けたのに!!何故だ!!何故目を覚まさない!!」

「俺の魔法がダメなのか?」


「アリシャ~どうすれば目を覚ます!!」


「何がいけないんだ?」


・・・

誰とも解らない男がアリシャを抱き抱えていたのが恐怖だったのだろう

アリシャの父親ヘンリーが

「貴様私の娘に何をしている離れろ!!!」

怒号を俺に浴びせ俺に駆け寄ろうとする


それをリリス、トリア、ナスティア、クリスが俺と国王の間に割って入り


「絶対に行かせない」


と両手を開いてバリケード

「何故止める」

「旦那様の治療の邪魔!!」

リリス、トリア、ナスティア、クリスは何が有っても通す気は無いよう


麗香が俺の所に走り寄って、俺が抱き締めたアリシャの胸に手を当てて心臓の鼓動を確認し

「真也の治療魔法で体の傷の治療は治ってる。でも心臓の鼓動が弱いわ。真也の治療魔法で体の傷の治療は治ってる。私の予想なんだけど胸を貫かれた為にアリシャの生命力が小さくなっている感じがするわ」


俺に麗香の医者としての診察結果を告げてくれる。


『生命力・・・』


『生命力・・・』


『生命力・・・』


『生命力・・・』


『生命力・・・』


この世界の生命力つて言うと・・


『そもそも生命力って何なんだ?』


ギルドカードを作る時に表示されてた格の数値・・あれなのか?

アリシャの胸に手を入れてアリシャのギルドカードを取り出すと・・・


ゼロ?


おい!!

何なんだ!!

ギルドカード作った時アリシャの格は 79,221,981だったはず!!


ギルドカードは格の数値を把握出来るのか?

どうやってそれを読み取っている?

格は不変なんじゃ無かったのかよ!!


まさか?

生命力が落ちた場合・・

『格を強制的に下げて生命維持するのか?』

でも格の数値がゼロ?

でもアリシャは死んではいない

限りなくゼロに近い?

0.0000001とか?

じゃ~アリシャの心臓の音が弱いって事は・・

『ヤバいぞ!!』


だったら!!

生命力を譲渡・・すれば?


『出来るか?』


『出来るじゃない!!必ずやってみせる!!』


つづく・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る