第102話 102.窮鼠猫を噛むー追い詰め過ぎた王女
<アリシャ>
私達は騎士の先導で大広間の正面階段から2階の所見の間に上がって行く。
怖い位にシーンと静まった城内
私達の歩く靴音だけが城内に響いて何か不気味
相変わらず魔導士の姿が一人も見えない
不安なまま謁見の間のドアが開かれると一番奥には私の父であるヘンリー国王を筆頭に私がお願いした通り家族全員が並んで座っていた。
これでもしもの事が有っても最悪真也が何とかしてくれると信じてる
そして正面の家族から見て左側に
魔導士師団長グラノラを筆頭に
服魔導士団長ラスティア
魔導士特1級ジェスト
魔導士特2級ランド
盾に並んで待機している。
私は謁見の間に入った瞬間に
「父上只今戻りました」
と声を掛けると
「急にどうしたのだ?アノルスのリゾート都市へ休暇の為3日前に出かけただけのお前が何故戻って来たのだ。それにその者達は誰なのだ?」
私の父親が驚くのも当然
『休養を兼ねて国の中の状態を調べる為に3日前に出かけただけだったのだから!!』
「この者達の事は後で話ます。緊急で伝えるべき事だけ事を先にお伝えいたします。
私達はレノウンの街を出て100キロ程街道を進んだ草原で魔導士師団長グラノラの指示で動いていた魔導士達により召喚された1000体以上のオークの群れに一瞬で囲まれましたが通りかかったこの真也と麗香に助けられました。
しかしオーク1000体と戦闘して勝った私達は油断していて、魔導士に光の矢の魔法を打ち込まれ護衛の騎士20人は即死致しました。
私達7人は死ぬ直前に、私達の前に女神様が現れて
『この世は悪しき心により滅びかけている。この力を授ける故に心正しきこの者の嫁となりこの世界を救って欲しい』
という内容の信託を賜り女神様より新しい力を授けらたのです。
うう~
何か無理やり纏めちゃったけど・・・結構無理が有る?
いやいや!!
絶対に此処は譲れない!!
『此処で負けたら、私はきっと政略結婚の道具として生きて行かなきゃいけなくなる』
「何をたわ言を言っているのだ!!俺が指示してお前達を襲わせただと?証拠を出してみろ!!」
私の話が話し出した瞬間に血の気が引いて顔が真っ青になっていたけど、またまた余計に青白くなった表情で私に食って掛かってきてる!!
『グラノラは確実に黒ね』
証拠?
うふっ
そう言うと思ったわ!!
「グラノラ様?王城に入った時から感じて居たんですけど魔導士の人数が少ないようですが、どうかされたのですか?」
と聞くと
益々血の気が引いてグラノラの顔はますます青白くなり
「そ・・・それは各地の魔獣が増えているから各地に遠征させているんだ」
「今までは、遠征らしき遠征をしていなかったと思うのですが?」
「各地から魔獣被害が増大しているので何とかして欲しいと嘆願があったのだ」
「へ~そうですか~今日の1万匹を超える魔獣のスタンピードが有りましたけど、魔導士様だけは討伐にでられていなかったみたいですが、どうされたんでしょうね~」
っと嫌味を込めてグラノラの顔を覗き込んでみる
『うふふぅ冷や汗タラタラとかいてるじゃない』
「出動には時間がかかるんだ」
「へ~でも兵士さん達は100人位は出られてましたよ」
「我々は兵士みたいな下等ではないからな」
「兵士は下等だから、自分達は遅れても良いと仰っておられるのですね?」
「そ・・そんな事は言ってはおらんだろ・・」
そろそろ
『チクッ』
っと痛~~~い蜂の一刺しをお見舞いしちゃおうかな~
私は
1歩
1歩
とグラノラの居る方向へ歩み出しながら
「魔導士が出れないのならば、魔導士様が獣魔契約された青龍のドランを向かわせれば良かったのではないですか?青龍のドランの姿も見えませんでしたが?」
と痛~~~い一刺し!!
『グラノラどう出る?』
「せ・・・せ・・青龍のドランは・・・今体調が悪くて養生させているのだ」
とグラノラは苦しい言い訳
「へ~そうですか~青龍のドランが体調を壊していると?私達が3日前に王城を出かける時には元気そうでしたが?」
「あれから体調を崩したのだ」
「グラノラ様~そろそろ苦しい言い訳お止めになられたらどうですか?青龍のドランを私達を殺すために差し向けたと正直にお話されたらどうですか?
私達は、女神様に頂いた力でその青龍のドランを殺したのです。
此処に呼べるハズが有りませんよね?グラノラ様~?」
「何を血迷った事を何時ている!!」
もう逆切れのグラノラ
他の
服魔導士団長ラスティア
魔導士特1級ジェスト
魔導士特2級ランド
も顔面蒼白!!
『フィニッシュといきましょうか!!』
私は真也に向かって
「あの草原で仕留めた青龍を私の前に出して!!」
とお願い!!
瞬間私の前に現れるお腹に大きな穴の開いた青龍の巨大な死体
で・・デカい
謁見の間一杯に何とか入ったから良かった!!
リトリアの魔導士により捕獲された時に付けられた隷属の首輪がちゃんと付いている!!
もう言い逃れは出来ない!!
滅茶滅茶広い
『謁見の間』
で良かった!!
隷属の首輪のついた青龍の巨大な死体を見せた事で
苦虫を噛みつぶしたような表情をしているグラノラ
「グググググーーー」
っと今にも声が聞こえてきそう!!
その瞬間
天井の板が爆散し
一瞬見えた光の矢
そして次の瞬間
「ギャーーーーーーーーーー」
私は胸を貫かれた激痛に絶叫し息が出来なくなって意識が途切れた。
つづく・・・
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