第101話 101.「好きにやれ」

<アリシャ>


う・・ドキドキする・・


『今すぐ此処から逃げてしまいたい!!』


それは何の解決にもならない。

足がガクガクして震えてしまう。


そんな時

真也が私の体を

『ぎうゅ』

っと抱き締めてくれる。


気づけば、横に居た麗香とリリスも私を抱き締めてくれていた!!

「皆ありがとう。私頑張る」

っていうと

「ガンバレ」

って真也が一言

そして私の頭を

『ポン』


『ポン』


っと軽く叩いてくれた。

まだ・・

足は・・


ガクガクしてるけれど・・


『頑張る!!』


此処から先は!!



『私の仕事!!』


そう自分に言い聞かせて

「皆ありがとう。もう落ち着いたわ」


と言って皆から体を放して何とか作り笑顔で胡麻化す私。

だって・・

『まだ体の震えが止まらない』


でも・・

そんな泣き言も言っていられない。馬車が止まり外から


「王女殿下お城に到着致しました」


と声を掛けられた後馬車のドアが開けられた。

私が一番に馬車から降りて皆が馬車から降りたのを確認して


「皆さんの知らない人も居るとは思いますが、この6人は私の大切な仲間です。丁重に持成してください」


と私は出迎えた家人にお願いした後、ぐるっと周りをみて一人の人物を見つけ

「ジェード宰相、直ぐに魔導士団長とお父様を呼んで頂けますか。出来れば母親とグレース、ルイスも居れば一緒に来させて下さい」


とジェード宰相にお願いすると、ジェード宰相自ら王宮の中に走って入って行く。

何時もながらに、行動の早い人だ。


私は最悪を考えて動こう思う!!

もしも!!

魔導士団長のグラノラが暴走した場合、家族が人質になるのは避けたい。

危険だけれど、同じ場所に居れば・・


『真也が必ず何とかしてくれるハズ!!』


あの時だって・・・

そうだったように!!


集まってもらうのは


『謁見の間』


アソコなら広いから隠れる所も無いしもし乱闘になったとしても動けるでしょう!!

馬車から降りた私達は、騎士の先導でトリステイン城の中にはいって行く。


今の所、魔導士側の目立った動きは無い!!

私達が返って来た事で魔導士団長グラノラの指示で魔導士側に何らかの動きが有ると思っていたんだけど・・私の思い違い?


両開きに開いたお城のドアを抜けて私達はトリステイン城の天井まで吹き抜けの大広間に入って来た。大広間に設置されたステンドグラスから明るい光が大広間に差し込んで眩しい位に大広間全体が輝いている。


私はそんな光景に見入っていたのだろうか?

『どんな気持ちでこの光景を見ていたのだろうか・・』


気が付けば、真也の顔が私の頬に直接触れるくら近づいていて


「好きにやれ」


と小さく囁いてくれた。

そんな真也の囁きに


『うん』


って小さく頷いた私だった。


つづく・・・

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