第99話 99.アリシャは王城に直接乗り込むようです
<アリシャ>
此処に再度私が返って来れるとは思っても見なかった。
私は今馬車の中で真也を抱き締めて独占している。
皆も私が覚悟を決めてるのを薄々気が付いているみたい・・
『あ~あ~私って直ぐに顔に出ちゃうんだ』
リトリア王国では魔獣を討伐する事を条件に給料10倍をもぎ取った魔導士達は段々と国の中で発言権を増大してきた。しかし討伐して減るべき魔獣の数は年々増大し同時に強大化して魔導士達でも太刀打ち出来ずに逃げ帰る始末。
結果、リトリア王国の半分の地域は強力な魔獣に領域を奪われ人間の生存領域は年々狭められている現状
そして極めつけは、魔導士師団長グラノラが私との婚姻を要求してきた事!!
だから私も反撃に出た
魔導士の給料を以前の10分の一とし、その浮いた費用で依然と同じようにギルドに魔獣の討伐褒章を出して魔獣を狩る手段を父親に提案、私が率先してジャクソン家と交渉してきた。
当然ジャクソン家は魔獣が強大化した為に、以前のように魔獣を狩りにくくなっただけだと給料を元に戻す事を拒否し続け今では魔導士師団長グラノラとは犬猿の仲と言っても良い感じになっている。
私がそんな態度を取っていてか
最近は魔導士達を王都周辺に派遣し率先して魔獣討伐を行っているように見せかけて来た。
ジャクソン家では最近魔獣を集める薬を開発したみたいで、
魔獣を集める薬を撒いて、魔獣が集まってきた所に殲滅魔法を一発打ち込んで退却するという方法を取り出したよう。
しかし、遅すぎた!!
あまりにも魔獣の数が多くなりすぎて焼け石に水って感じで、魔獣は一向に減らない。
それでも一生懸命を必死にアピールしている
私の顔色を窺って、事あれば私の気を引こうとしてきていたのだ。
その犬猿の仲だったグラノラから一週間前
「アリシャ殿下は公務でお疲れのようだ。ジャクソン家で費用をお出しするのでアノルスのリゾートでごゆっくりされてはいかがかな?
それに、私の言うように魔獣退治がちゃんと行われているのか道中見分も出来るのではないかと思いますよ」
と提案を受けたの。
私は考えたの
リトリア王国の領地が今どうなっているのか知る良い機会なんじゃ?
道中にリトリア王国の色んな場所をみてみよう!!
しかし世間の噂通りに魔獣の領域になりつつあるのなら・・
この王都に二度と返って来れないかもしれない。
グラノラは魔導士をリトリア王国全域に定期的に派遣して魔獣を駆逐しているという
ジャクソン家の言うようにちゃんと魔獣退治出来ているのか確認しよう!!
その上で、今後の事を検討しよう!!
そして私はお供を連れて、王都リステインから500キロ程南下したアノルスという人口100万人の南国のリゾート都市へ移動中・・襲われた!!
『私を始末しようとする罠だった!!』
私を始末出来たかどうかの知らせがジャクソン家に届くのは早くて明日の朝!!
行動を起こすのは今しかない!!
『ドキドキする!!』
魔導士団長グラノラは私にどんな言い訳をしてくるのか?
言い訳は出来る訳は無い!!
あそこまで魔導士を投入して、私達を抹殺しようとしてきたんだもの!!
今馬車がトリステイン城の正面の門をくぐろうとしている。
私は緊張して体が・・震える・・
震えを止める為私は思わず
『ギュッ』
っと真也に抱き着いた。
つづく・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます