第98話 98.リトリア王国首都トリステイン

<真也>


迎えの馬車を呼びに行っていた兵士が出てから30分程して、迎えの馬車を先導して帰ってきた。

めちゃめちゃ豪華な馬4頭立ての立派な馬車と護衛を多数後ろに従えて帰ってきた。

アリシャが俺を馬車に一番に乗せようとすると、護衛の兵士が抜刀し切りつけて来た。

瞬間兵士と俺の間に素早く入り込み仁王立ちになり立ちはだかるアリシャ


兵士は

「姫様!!」

と一言大声で叫んだが

「私の旦那様になにをするんです。女神様が神託でお出しになった結果を無視して、私の仲間に手出しをするようならば私は遠慮なくこの国と敵対しましょう。今度やった場合形も残らないよう消し飛ばします」

と凄い剣幕で牽制


その迫力にその後は、誰も口出しするものは居なくなった。

俺は

「アリシャ庇ってくれてありがとう。でもアリシャ達を無くしたく無いんだ。だから先に馬車に乗り込んでくれよ。俺だったら危なくなったら結界を張るから大丈夫」


と言って、先に皆を乗せ俺が最後に馬車に乗り込む。

アリシャは・・

俺が馬車に入ると・・

『俺に一気に抱き着いて来て顔を俺の胸に埋めてぐりぐりと頭を左右に揺らして甘えて来る』

俺って・・余計にフラグ立てちゃった?

凄く嬉しいんだけど・・

そう

『アリシャみたいに超~美少女に抱き着かれて凄く嬉しい!!』


嬉しいんだけど・・


『睨んでくる皆が・・・怖い・・』


「後で埋め合わせするから」

って言ったら皆表情がニコニコになったよ。

『俺他の皆に何要求されるか超~不安なんだけど・・・変な要求されないよな・・』


5キロ程の道のりを馬車に揺られリトリア王国首都トリステインの南門に到着

検問を受け?

って言ってももう素通り

トリステインの街を取り巻く壁は厚さおよそ30㎝程もある分厚い石壁、壁の高さは10メートル位は有るのだろうか?

その石壁に開いた門を通ってトリステインの街の中に入る。

馬車の窓から見える道の広さは約10メートル

通行人も歩いている為になかなかスピードは出せないが、騎馬隊が馬車を先導している為にそれ程遅くはない。

王都見物をするには丁度良い速さかも!!


トリステインの街は綺麗でゴミは落ちていないようだが・・・

『臭い!!』

糞尿の匂いが薄っすらと匂ってくる。


下水道の整備とか出来ていないんだろう。

本来ならば、下水道の整備をしたら良いんだろうが、人口500万人のトリステインのように都市が肥大化した状態ではそれも厳しい。


生憎と、この世界は魔法が存在する!!

ゴブリンとかの魔石を使った魔道具を作って浄化魔法が発動するようにすればこの匂いも解消するか?


もしもトリステインの街を俺達が治める事になったらの話だけどな!!

街の中は3階建てくらいの石作の家々が立ち並んでいるよう

『石材は・・・山から切り出した物なのかな?』


フランスの街は地下から石を切り出した為にフランスの街の地下は地下道で迷宮のようになってるって聞いたような?

若しかしたら聞き間違いかもしれないけれど・・・


そう言えば・・

貴族のコートや、つば広の帽子

あれってさ~2階や3階から糞や小便を落とされた時に服を汚さない為に出来たもの・・なんだと世界史の授業で先生が教えてくれたんだが本当なんだろうか?


トリステインの街が直径20キロ

トリステインの街の中心にトリステイン城があるらしい

俺達は3キロおき位にアーチ状となった頑丈そうな門を潜りながら大通りを真っすぐに北上している。

人口が増える度にこうして城壁を外に増築した為に、3か所位の城壁の名残りが存在する。


そんなメイン通りを北上していた俺達は正面に大きな門がある大通りに出くわした。

トリステインの街は王城を中心に丸い円を描くようにロータリーとなっているみたいだ。

正面に見えるのがトリステイン城の正面門らしい。


つづく・・・

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