第94話 94.全員戦闘狂になりかけてるんじゃないのか?
<真也>
「やっと戻って来れたわ」
まだまだ遠くの地平線辺りにちょこんと見える街の中に建つ棟らしき物をアリシャは見て
少し涙目で俺達に振り返る。
上空から見ているから、まだ距離にして40キロといった所
眼下に見えるのは王国首都トリステインまで延々と続く草原の中を街道が貫く
街道の脇には家々も存在するが、家々は皆高い塀で覆われているよう。
でも塀の外には魔獣がうろうろと徘徊しているのが見える。
「こんな王都の近くまで魔獣が出没してるのって異常じゃないのか?」
そんな俺の問いに
「魔導士じゃお手上げ状態なのよ。最近じゃ魔獣に手も出せずに逃げ帰っているわ。給料泥棒もいい所ね」
そう答えて来るアリシャの表情は硬い。
俺は・・・
アリシャの傍に飛んで行き・・
ぎゅ~~っと
『ハグ』
一瞬アリシャの瞳に涙が・・
でも!!
一気に俺の唇は
『むちゅ~~~~~~~』
っと突然アリシャの唇によって奪われる。
う・・
『ドクン』
俺の心臓の鼓動がが一気に跳ね上がり
思わず・・・反応してしまう俺
『男の性』
反応するもんはしょうがないだろ!!
アリシャは唇を放すと
「うふっ」
っと笑って帰すけど・・
「ば~か。無理してるの丸解りだ」
って軽くデコピン
「えへへへ~バレてたか~」
「しっかりとバレてます」
皆もそれが解っているから、俺とアリシャのやり取りに何も言っては来ない。
「アリシャこの辺の魔獣狩りしておかないか?」
思わずそんな提案をしてしまう俺
『暗く沈んだ5人の女の子達の気持ちが少しでも楽になったら良いなと思っての提案だったのだが・・』
「やるやる~~」
「けっちょんけっちょんにしてあげるわ」
「唐揚げの肉になりなさい」
・・・
『冗談のつもりだったんだが、王都の直前まで殲滅しとくか?』
そう思いなおして俺は
「じゃ~皆~等間隔に横一列に並んで魔獣を一気に殲滅しながら王都の直前まで行ってくれ!!俺は倒した魔獣の回収をして後ろから追いかける。
憂さ晴らしだ!!
好きにやれ!!
だが、売れるように仕留めるんだぞ~~絶対に爆散なんてさすんじゃないぞ!!」
と注意
「「「「「「えええええええええええええ~」」」」」」
ってオイ!!
皆魔力全開で魔獣全部を爆散させるるもりだったのかよ?
『全員戦闘狂になりかけてるんじゃないのか?』
つづく・・・
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