第93話 93.また魔導士のせいか~!!何遣らかしてんだ~!!

<真也>


俺達は本当にリトリア王国首都トリステインへ行って良いのだろうか?

アリシャ、リリス、トリア、ナスティア、クリスはまだ迷っているよう・・・

口では

「もう私達にはリトリア王国の中には居場所は無いわ」

って強がっているけれど・・・

悩んでいるのが丸解り!!


悩んでいるのが解っていても、今の俺には彼女達に何もしてあげる事が出来ない。

それが凄く!!

『もどかしい!!』


グランドレア商会の会頭レイノワさんは、これからレノウンの街で例の

『ゴブリン唐揚げ』

を早速売り出してみるそうだ。

ネーミングは


『ゴブカラ』


にしたらしい。

販売は俺と同じように油で揚げて、長さ15センチ程の櫛に刺して


『ゴブカラ』


を提供する。

当然15センチの櫛は俺の空間倉庫に切り倒した100メートルを超す黒の森の木の枝を加工して100万本ほど提供しておいたさ。

枝でも有効利用!!

枝と言っても直径が1メートル程あるから、現代世界の普通の丸太よりも大きい


俺達は、レイノワさんとギルドの出口で別れた後、裏通りの人が居ない所から一気にレノウンの街の外に転移

即時に一気に地上300メートル上空まで達した俺達は例の如く道を知っているアリシャ達を先頭にリトリア王国首都トリステインに向けて飛行を開始する。


此処から約30分程で人口500万人の都市トリステイン

道を知っているアリシャ、リリス、トリア、ナスティア、クリスが先頭でくの字に編隊を組んでその後ろを俺と麗香が追随している


街道の上空を飛びながらアリシャ達は俺に王都トリステインについて教えてくれている訳だが・・


『足開くな~~~』



『わざとみせるんじゃな~~~い!!』


先頭を飛ぶアリシャ、リリス、トリア、ナスティア、クリス達は、俺の前で明らかに足を開いて下着をわざと見せているんだ!!


『確信犯』


つて奴なんだが・・

今日1日戦闘、戦闘の連続で気が高ぶっているってのも有るんだと思う。

攻撃的になっている?


それとも


『生物としてのとしてのプロットが上がって必然的に子孫を残そうという欲求が高まってきている?』


もう彼女らの魅力も半端なく上昇してる感じで、見つめられるだけで心臓がドキドキして来るんだよ!!

『生物としての格が上がると美しさも倍増するのかも!!』


普通の人間のプロットがアリシャの年齢では 10

それがさ~今日ギルドカード作った時に出て来たプロットが79,221,981

もう生物としてのレベルが、化け物レベル


そりゃ~魔法の威力も爆上がりして当然の結果


アリシャが話してた内容で解った事が有るんだ!!

王都トリステインは東西南北20キロの円形に発達した都市で人口500万人の都市

都市が大きくなるに従って第一城壁、第二城壁・・と外に拡張され現在の一番外が第3城壁となっている。


そこで気になったのが、昔は魔導士で十分に魔獣を駆逐出来ていたらしいんだ。

最初は国がギルドに依頼して国からギルドに報奨金を出して魔獣退治が成り立っていた。


しかし有る時から、魔導士側が魔獣の駆除をする代わりにギルドに魔獣退治として出していた報奨金を寄越せと自分たちの権利を主張してきて、国はそれを許した。

おかしくなってきたのはこの頃から


今まで国からの給金で妥当な給料を貰っていた魔導士達は、自分達が率先して魔獣を狩る事で給料が10倍にもなったのだ。


そのシステムを他国も真似した結果、この世界各国全ての魔導士の給料は一気に10倍にもなった。

そしてもっと多くの魔獣を狩る為に、魔法の改良を画策し

魔導士達は


『オーバドライブ』


という魔法発動方式を編み出した。


『オーバードライブ』

これは今まで一人の魔導士により発動していた魔法陣を、複数魔導士により。そう時には数百人単位で大量の魔力を1つの魔法陣に注ぎ込んで威力を増大させ、極大の魔法を発動させる方法を編み出した。


極大の魔法で次々に魔獣を殲滅出来る事に全魔導士が歓喜した。

『俺達魔導士が一番最高の種族だと』


ただこの魔法陣は原初の魔導士が弟子の教育用に作った魔法の威力を10分の1にする魔法陣

その減衰された魔力は駄々洩れになり、オーバードライブされた魔力の9割は大気に戻り強力な魔獣を育む


『まさか原初の魔導士モノリス・ストレイアもこんなオーバドライブなんて使い方は想定していなかったんだろうな!想定できるはずがない!!その前にこの魔法陣の罠に気づけよバカ弟子ども!!』


その頃から、魔獣が狂暴化そして強くなってきて、魔導士では対処出来なくなってきた。

魔導士達は魔獣退治に出る度に敗戦、敗戦し

魔獣退治に出ると、極大魔法を1発、2発打ち込んで撤退を繰り返すようになってきた。


『魔獣が強すぎて勝てないのだ』

それに数百人で一つの魔法陣に同時に長い言霊を紡ぎ魔力を注ぎ込むのを魔獣達は待っててはくれない。

食べてくださいと言わんばかりだ。




『極大魔法を準備して一発撃って、速退却』

そんな事を毎回魔獣達が許すハズもなく

魔獣だって知能が有るのだ。


魔獣だって知恵がつく!!


魔導士が数百人集まって、言霊を紡ぎ始めるのを待って、一斉に奇襲するのだ。

その魔導士達は魔獣の美味しい餌になる。

そして極大魔法を紡ぐため集められた膨大な魔力は周辺に拡散してより濃度の濃い魔力がその地に溜まりより強力な魔獣を産む。

そして今のように強力な魔獣が国土の半分以上支配するような状態になってしまったという。

国家は魔導士の給料を元に戻し、その分で再度ギルドに討伐報償を出す提案をしたが魔導士達に即時に却下され現在に至る。


誰しも元の10分の1の給料に戻りたくない!!

そう考えるのだろう。

だから魔獣に対抗出来なくなった魔導士が、自分達が活躍出来る場所を作るために国を嗾けて戦争を起こさせようとしている・・・


『また魔導士のせいか~!!何遣らかしてんだ~~!!』

自分達が練習用の魔法陣を使ってばら撒いた余剰魔力のせいで、魔獣を強大化してこの世界を壊滅させようとしている。


『魔導士手使えね~』


つづく・・・

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