第88話 88.ゴブリンの繁殖期

<真也>


グランドレア商会の会頭レイノワさんの手を引っ張って立ち上がらせると

「ご迷惑をおかけして、心苦しいのですが私達とレノウンの街まであと10キロという距離では有るのですが、レノウンの街まで護衛をしては頂けないでしょうか?護衛の代金はお支払いいたします」

俺は皆を見回すと

『うん』

っと6人全員が頷いたので

「私達もちょうどレノウンの街でギルドに登録に行く所なのでご一緒出来ますよ?護衛の代金は要らないですよ」

と言ったのだが・・

「それはいけ・・・」

と言いかけたので


「神様の思し召しです」


って言うと大人しく引いてくれたレイノワさん


流石に神様の権威だぜ!!


俺はレイノワさんに

「凄い魔物の数でしたが、何時もこんなに襲ってくるんですか?」

と疑問に思ってた事を聞くと




「いえいえ今はゴブリンの繁殖期なので、偶にこんな事が起こるのですが・・

普通は多くて10体位なのですが、今回知恵をつけた個体がいたみたいでこんなにも多くのゴブリンを統率して、襲ってきたみたいです。


あの毛の生えた体長2メートル程のがっしりした魔獣で鋭い鬼歯2本突き出ているものをゴブリンと呼んでいます。

皮膚が頑丈で鉄の剣ではなかなか切り裂けないくらいです。

ゴブリンの出産自体オスが生まれる事が多く、今回のように200体以上のゴブリンの集団になると雌が20匹程度しか居ないのです。


必然的に子供を埋める雌が不足し、こうして人間の商隊や街を襲って女を攫い自分たちの子孫を残す苗床とするのです。

ゴブリンが一気に増えすぎた為に今回の襲撃が起こったのでしょう

今回のように200体以上のゴブリンが強力なリーダーの元群れを作り街を襲うようになったとしたら怖い事です。

即刻ギルドに報告して、領主や王国へも連絡して頂くようお願い致しましょう」


グランドレア商会の会頭レイノワさんはそう言った後、何か考え込んでしまっている

多分、どう報告したら良いか悩んでいるのかもしれない。


ゴブリンは雌が生まれにくいのか・・

200体のゴブリンがいたら180体はオスって事?

『全然雌の数が足りていないじゃん!!』


今回のゴブリンの群れのつり合いをとろうとしたら、街でも襲って180人以上女性を拉致しなきゃいけないって事だろ?

『レイプ集団も真っ青って感じだな』


レノウンの街のギルドでそういう情報が入るのかな?

ギルドってラノベで読んでいたような、魔獣の討伐やクエストの成果でランクとか上がるのかな?

それとも魔獣や、魔獣の魔石の買取や、魔獣の素材の買取だけなんだろうか?

ギルドに行ってみれば解るか・・


つづく・・・

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