第82話 82.オーバーキル

<真也>


アリシャの提案で、ギルド登録をする為に一番近いレノウンという人口10万人の都市に行く事にした。

転移したのは、アリシャ達が1日前に襲われた場所

此処から飛行魔法でレノウンの街の近くまで飛行し、歩いて街に入る予定だ。


アリシャ達が

「昨日の争った跡が痛々しいけど、バラバラになった魔導士の死体は全くないわね」

と辺りを見回しながら話しかけて来る

確かにあんなにミンチ肉になった死体の残骸が全く無い!!

あんまし良い気分はしなかったから、そのままミンチ肉になつた200体以上の魔導士の残骸をのこしていたんだが、全く綺麗に無くなっている。


『魔獣が美味しく頂きました?』

って感じなのか?


『カサッ』


『カサッ』


『カサッ』


っと草むらから音がする・・

「皆、魔獣が草むらに隠れているようだぞ」

って言うと速攻

「「「「「「任せて」」」」」」

っと一斉に返事


一気に銃を抜いて構える6人

『ロリータ戦隊6レンジャー?』


風の音以外何も聞こえない!!

瞬間

草むらから30匹以上の体長1,5メートル位の小ぶりのシルバーウルフが一斉に飛び出て来た。

昨日の人間の肉の味を覚えたのか?

6人が一斉に『黒の森』の10メートルを超える魔獣を狩る要領でレーザーソードを繰り出した。


「お前らやり過ぎだ!!」


俺は一瞬でスライスされたシルバーウルフの体を見て6人に注意

「え~此処の魔獣弱すぎ~」

「何なの子の弱さ」

「お話になりませんわ」

「もっと強いの居ないの?」

・・・

もう散々な言い方


だから

「だったら魔法で攻撃してみればいいんじゃないのか?黒の森では全然効かなかったけど、ここの魔獣なら効果あるんじゃないのか?」

「そうね。私再度火矢でやってみる」

とアリシャが志願


俺はスライスされてしまったシルバーウルフ30体の死体を空間庫に格納

暫く道を歩いていると・・


『カサッ』


『カサッ』


『カサッ』


っと音が・・

そして!!

「ガウー」

「ガウー」

「ガウー」

「ガウー」

「ガウー」

「ガウー」


っと5匹が同時に草むらの中から飛び出してくる。

6人が同時に火矢を50本づつシルバーウルフに向けて発射


「ドドドドドーン」


シルバーウルフの群れが一気に火に包まれ爆散

跡形も無く吹き飛んでしまった。

「オーバーキルだお前達!!爆散して肉片も魔石すら残ってないじゃないか」


「火矢は一本で良さそうだぞ!!」

と言ってやると


「うっそ~これでも手加減したんだよ~弱すぎ~黒の森じゃ焦げ跡しか付かなかったのに~じゃ~今度は火矢1本だけ撃ってみるからミスったらフォローしてね」

とアリシャは言って草むらの中を進み・・


「ガウー」


「ガウー」


「ガウー」


っと3匹同時に草むらから飛び出して来たシルバーウルフの眉間に火矢1本づつを連射で3本同時に発射


それでもシルバーウルフの頭が爆散

頭無しの死体が草むらに


「ドスン」

「ドスン」

「ドスン」


っと落ちた。


その瞬間アリシャが俺の方に振り返り


「どんなもんよ~!」


って満面の笑顔でブイサイン!!

『何時の間にあんな言葉覚えたんだ?それに喋ってる言葉めちゃめちゃ流暢に喋ってんじゃん?』


つづく・・・

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