第43話 43.愛崎家麗香爆突撃ーお嬢さんを私に下さい
<麗香>
しほは台所に掛けていたエプロンを私の首から掛けて後ろで紐を結んで着せてくれる。
そして一人で何処かに行ったと思ったら、しほも同じようなエプロンを着けて戻ってきた
しほのおかあさんってもしかして、可愛いもの好き?
今しほが着けているエプロンは白のフリフリなフリルの付いた可愛いエプロンで、私は色違いのピンク色のエプロンにひよこのアップリケが付いている。
しほはバツが悪そうに
「私の母さんの趣味なんだ。こんなのしか無いんで我慢してね」
って済まなそうに謝って来るしほ。
「ううん。私も可愛いもの好きだから大丈夫よ」
って気にしないようにとそう言ってみる。
ロリータ服に凝っているから、満更嘘でもない・・・かな?
真也は冷蔵庫を開けて使えそうな食材を見て
玉ねぎ
人参
を取り出してきて
「じゃがいもが無いな~それにカレールーも切らしてる。それに肉も無いな。しょうがないな~私の使おう」
ってまたまた空間からジャガイモとカレールー、そして肉塊を出してくるしほ
じゃがいもとカレールーは解るけど・・・あの肉塊は何?ピンク色の肉なんだけど・・・
そんな私の視線が解ったのか
「内緒」
って一言可愛く私に告げてくるしほ
『その微笑みは反則だ~~』
思わずドキッとしてしまったじゃない!!
「麗香はじゃがいもと人参の皮むき出来そう?」
「馬鹿にするんじゃないわよ!!」
ってしほのもっている包丁を取り上げて、早速じゃがいもと人参の皮むきに挑戦
しほはその間にお米を研いで炊飯器にセットし炊飯開始
そしてたまねぎをみじん切りにしてフライパンできつね色になるまでおしゃもじで混ぜながら加熱
凄くなれた手つき!!
私は・・・
じゃがいも一個目でまだ奮闘中・・
じゃがいもって形が歪で結構皮剥きにくいのよ!!
私がじゃがいもの皮むきに奮闘していると、私の後ろから私を抱き込むようにしほが後ろから手を回し
「じゃがいもの皮はこうやって剥くんだよ」
って私の手にしほの手を添えて剥いて実演してくれる。
うんこんなののいいな~
新婚さんって感じ?
でも見た目は女の子同士が食事の準備だから・・百合にみえちゃうかも・・
「あら~~可愛い~~台所が女の子で一杯!!花だわ!!私こんな風に食事の支度を夢見てたのよ~」
ってしほのお母さんに後ろから声を掛けられビックリ
しほは私を後ろから抱き締める形でじゃがいもの皮を剥きながら
「母さんお帰り~今日は麗香が出来る料理って事でカレーライスにしたから、楽しみにしてて」
って平気な風で言葉を返しているけど・・
『私はしほに抱き締められる体制で気が気じゃない』
そんな体制のままにじゃがいもと人参を2人作業で皮むき
そしてぶつ切りにしてステンレスのお鍋に入れて火を通す。
その内しほのお母さんが台所に参戦
「私女の子に囲まれて料理するの夢だったの~夢が叶ったわ」
って満面の笑顔で話しながら食事の準備しているしほのお母さんって凄く嬉しそう。
そして気が付けば、朝食卓を一緒にしていた面々がダイニングに揃っていた!!
なんか気恥ずかしい気もするけれど・・
『皆の様子を見ていると・・私受け入れられたのかな?』
そんなしほの家族に揉みくちゃにされながらしほとの関係を根掘り葉掘り聞かれている内にしほはカレーライスを煮込み終わっていた。
其の後、皆でカレーを食べながら食卓を囲んで談話
お父さんがまず
「このカレーライスめちゃくちゃ美味しいな!!それにこの肉凄くジューシーで柔らかくてめちゃくちゃ美味いぞ、何処で仕入れたんだ?」
って絶賛
肉を出してきたしほ本人は
「内緒内緒おいしければ良いでしょ?」
なんて適当にハグラカシテいるけれど
私がしほの耳元で
「この肉ってさ~異世界産よね・・・食べた瞬間力が漲ってくるんだけど?」
って囁くと
「当たり」
と短く一言
うわ~マジですか・・・
「変な能力とか付かないでしょうね?」
って聞くと
「あ・・そいうい面があったんだ・・それは考えてなかった・・ど・・へんな能力が付いちゃったらどうしよう麗香?」
って焦るしほ
「その時はしほがどうにかする事ね」
「そんな~」
と私達2人は冗談交じりにひそひそ話
そんな私達を置いて
「お前たち、このカレー凄く美味しいぞ!!ゆっくり食べてると無くなるぞ」
「美味しいわ~このカレー最高ね~」
「このカレーウメ~な。また頼むぜ」
と三者三葉・・・あれだけ作ってたカレーは既に無くなってしまっているみたい。
皆凄い食欲だわ~
あれは・・・あの肉のせい・・よね
あの肉食べてから、私も何だか体調が良い!!
しほはそんな皆を見回しながら
「あのさ~俺と麗香今日の朝言ったように結婚を前提に付き合っててさ、新しい新居が手に入ったんで今日から一緒に住む事にしたんだけどいいよな」
って男言葉で宣言
しほのお父さんとお母さん
「何処に住む事にしたんだ?」
とお父さんが聞いて来たので私が
「銀座のリリスヒルズ 40階最上階の401号室です」
って言うと
「「「ええええええええええ~」」」
しほのお父さん、お母さん。長男さんの声が同時にハモった
「あそこって超~高級億ションよね」
「嘘だろ」
「冗談だよな」
と・・みんなビックリ
この際だ!!
一気に言っちゃう!!
私は心を決めて
「お嬢さんを私に下さい」
と言って皆に頭を下げた!!
「「「「ええええええええええ~」」」」
今度は私を除いた4人全員の声が同時にハモった
「真也までハモる事無いじゃない」
「だって突然言うからビックリするじゃないか」
「嫌なの?」
「嫌じゃないけど、突然だったからな。まあ~一緒に今日から住むって時点で結婚前提だからな。この際皆には今日承諾してもらっておいた方が良いからな」
それを聞いた母親は
「せっかく娘が出来て華やかになったと思ったのに寂しくなるわね」
と寂しそうに私達を見つめてくるから
「お父様、お母様まだお若いんだからこれかお子様頑張ってみたらどうですか?収入に不安があるようでしたら私達夫婦が助けられますよ?今日からでも頑張ってみられてはどうですか?」
と・・私は説得?苦し紛れの逃げ口上?
でも!!
お母さん!!
「それ良いかも~~麗香さんも援助してくれるって仰ってくれてるし!!お父さん!お父さん!今から頑張ってみましょうよ。私今目の前にいるような娘が欲しいわ」
お父さんも
「そ・・そうだよな。今から頑張ってみるか。欲しいな娘」
「じゃ~これから寝室にいきましょう~貴方」
そう言うが早いかお母さんはお父さんの手を引いて半ば強引に寝室に速攻引きずっていった。
「真也・・あれってあの肉の影響じゃないでしょうね?」
「かあさんあんな性格じゃ無かったんだけど・・肉の影響かも・・」
何気に怖い事をさらっと言ってくる・・・
俺達は食事の後片付けをした後、兄貴に後を任せた訳だが・・・
噂では・・・
愛崎家では悩ましい喘ぎ声が一晩中聞こえ、朝方つやつやした表情の夫婦2人が部屋から出て来た代わりに、一晩でティッシュペーパーの箱5箱パック全部を使い果たしてげっそりした長男の姿があったそうな・・・
『リア充爆発しろ~~』
つづく・・・
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