第39話 39.此処って麗香だけで住むんじゃ無かったの?

<真也>


朝麗香から電話があってから怒涛のような展開だった。

昨日麗香から、望まぬお見合いを強要された挙句、強制的に結婚させられるって聞いて俺も何とかしてやりたかった。

俺も麗香に対しては、恋心を抱き始めてるから頼られてるのは凄く嬉しい。

だから麗香の思う通り麗香の親父さんとの対決を見守ったんだが・・・




『いつの間にか俺と麗香が結婚するって話になってるんだが・・・』

話の成り行きで、そうなってるだけだよな?

8つも年が違う俺なんて麗香にとっては子供扱いだよな?


あの話を信じちゃいけない!!

あれは麗香が親父さんを説得する単なるブラフ!!

麗香はこれからは、親の命令も聞かなくて良いし自由に生きれるだろう


『あんな激しいキスして来たのも・・麗香が政略結婚の道具にされかけておかしくなってただけ・・だよな?』

あれは・・麗香の本心じゃ無い・・ハズ・・

だって俺18歳だぞ?

仕事だってしていないまだ大学生入ったばかりの1年生!!

今の俺に麗香を養う能力何て無いぞ


俺は麗香に揶揄われているだけ!!

麗香の言ってる事を真に受けちゃいけない

麗香が脱いで渡してくれたショーツだって、俺を揶揄ってるだけ

『じゃないとどうやったって可笑しいだろ!!』


『あれは確実に俺を女装させる口実』


結局、おれはあの麗香の脱いで渡してくれたショーツのせいで、麗香から電話が有るまで

『もんもんムラムラした気持ちで麗香の匂いを堪能してたんだ』

だって!!

しょうがないだろ!!

幼気な性欲旺盛な少年に脱ぎたてのショーツ渡せば確実にそうなる・・ハズ!!


麗香の思惑通りしほの格好で女装しましたとも!!

麗香に渡されたショーツも装着!!完璧!!


『でも3日しか経っていないのに女装が完璧になってきているのは麗香の調教のせい?』


うわ~俺って麗香に調教されてる?


麗香の匂いを堪能していた俺は、麗香の電話の呼び出しに完璧しほの女装姿で行きましたとも!!

『麗香は俺の女装姿をみて直ぐに抱き着いてきた!!』

凄く嬉しそうだぞ?

麗香は俺に女装させておきたいのか?


まず麗香の住んでいたマンション・エンジェルガーデン最上階205号室に行ったんだが2LDKの凄く綺麗なへやだった。

男なんて入れた事も無いんだろうな

って事は俺が初めての男?


いや・・この格好で、初めての男・・っては言えないよな~

やっぱり男の姿で来るべきだった?

兎に角言われるままに、全部空間収納しましたとも!!


下着とかも有ったけど、気にせずどんどんと収納

麗香、ロリータ服どんだけ持ってんだよ?

何かさ~クローゼット全部ロリータ服で埋め尽くされてたんだけど・・・

『恐ろしくて聞けない・・』


流石、俺の空間収納庫!!

麗香もびっくりしてた

金塊を200本出したのは見せたが

収納している所初めて見せるもんな


麗香の部屋の荷物を全部収納した後、車で5分くらい離れたリリスヒルズへとやってきた訳だが・・


『デカい!!』

麗香の住んでいたエンジェルガーデンのビルの4倍は大きい!!高さも倍位ある!!

それにめちゃめちゃ高級感が・・・

俺って此処に居ちゃ場違いすぎるんじゃ?


下から見上げるだけでそう思ってしまう俺。

駐車場も完備されているようで、その場所に麗香の車を駐車

麗香に手を引かれてリリスヒルズの正面玄関をはいって行くけど・・

『言葉が・・出ない』

麗香が何か話しかけてくれるが上の空で良く覚えていないまま最上階までエレベーターで運ばれてしまってた。


リリスヒルズ40階のエレベーターのドアが開いた瞬間、この階の異様さに気づいて

「ええええええ~此処って4つしか部屋が無いよ」

って言ってしまってた俺

麗香も此処は初めて来たみたいで

麗香はメモを見ながら

「え~っと401号室は・・あ~有った~!!」


そう言って俺の手を引いて早速401号室のセンサーにカードを翳すと


『カチッ』


っとドアが開く音がしてドアが開いた。

早速中に入ると・・

広い!!

広すぎる!!

そしてめちゃめちゃ豪華で綺麗!!


『俺達一般庶民とは住む世界が違う』

そう思えてしまう。

麗香も親父さんから凄い物を分捕ったもんだ。


こんな凄い部屋を持っているのに借金の為に麗香を政略結婚の道具にしようとした麗香の父親は正直許せない!!

おまけに愛人作ってるし!!

それでも・・麗香の血を引いた肉親だからな~


麗香は部屋に入るなり部屋を物色しながら


「凄い!!」


「凄い!!」


「凄い!!」


「凄い!!」


「凄い!!」


「凄い!!」


「凄い!!」


としか言っていない

兎に角リビングが広い!!

広さ40畳?位はありそうなキッチンと一緒になったリビング

そしてその向こうには銀座の市街を一望できる扇形に張られた全面ガラス窓

この部屋は角部屋みたいでリビングの壁面が扇形の為視界が広い

横には

トイレ

お風呂

脱衣所

洗面所

洗濯スペース

そして部屋が4部屋

めちゃめちゃ広い


俺は

「麗香~はしゃぐのは良いけど荷物何処に置けばいい?」

って聞いてみると

「最初はリビングから行きたいな。ダイニング道具から出して欲しい」

って言うから

ダイニングテーブル

椅子

液晶テレビ

そしてキッチンに回り

冷蔵庫

食器棚

電子レンジ

台所用品


そしてお風呂道具

洗い場にランドリー

此処と思われる場所に空間庫から出して設置


解らない物はとりあえず開いた部屋に纏めて排出

一時間程度でリリスヒルズ40階401号室への引っ越し作業は一応終了


家具を置いて体裁を整えてみると本当に羨ましい位の住まい

俺と麗香は設置したばかりのダイニングテーブルの椅子に座り、

某コンビニで買っていたスイーツコーナーのケーキとホットコーヒーを2人分其々のテーブルの前に取り出す


勿論、出したのは時間停止の俺の空間庫から

ケーキは某コンビニのショートケーキはま~プラスチックの容器に入っているから良いが、ホットコーヒーは残念ながら紙コップだ。

麗香は

「深くは追及しないけど、貴方の収納ってめちゃくちゃね」

って呆れている

「そうしてくれると助かるわ」

って俺が返すと


「でも今回みたいに引っ越しの時は凄く便利ね。ありがとう」


ってお礼をいってくれた麗香

あまり突っ込まれなくて良かった。


俺の出したケーキをナイフで切って口に運んだ麗香は

「コンビニのケーキ凄く美味しいわ」

って驚いている・・

「最近は某菓子チェーン店が作ってるって聞いたからね」

「そうなんだ~こんなケーキは何時も買ってる洋菓子屋さんで買うかお店で食べてたから、コンビニのケーキがこんなに美味しいなんて知らなかったわ」

「コンビニも生存競争激しいかなね。不味いと誰も買わなくなってしまうみたいよ」


俺と麗香じゃ住む世界が全然違ってるもんな~

麗香は安城寺家のお嬢様

方や俺は平凡サラリーマンの2男


そんな俺が

『何で女装してそんなお嬢様と億ションの一室で呑気にお茶何てしてんだ』

って聞いてみたい気分だ

兎に角、親父さんとの話が美味くいって良かった!!


ケーキとコーヒーを堪能した俺達

一息つくと・・・

『二人っきりの部屋・・』


俺は気づいてしまう

一瞬そんな麗香と見つめ合い


『視線が合った』


一瞬で固まる2人

今まで気が張り詰めていたから気づかなかったけれど、2人きりになるとどうしても意識してしまう


気まずいな・・

何時までも女の子の部屋に居たら不味いよな!!

何か言わなきゃ・・


「あのさ・・私。そろそろ家に帰るね」


と言ってテーブルの椅子を引いて立ち上がると

麗香も即座に立ち上がり俺の手を両手で


『ガシッ』


っと握った瞬間

「真也!!今更何バカな事言ってるのよ!!

朝も真也の家に行って結婚を前提に付き合ってます。って真也の両親に報告したじゃない!!

それに今日、私の父親に

『じゃ~取引よ!!100億出すわ!!これで安城寺家と私は手を切って私は真也と結婚する。だから金輪際私に口出ししないで!!それとアンタが持ってる愛人と逢引用に使ってる銀座のリリスヒルズ 40階の億ション私が貰うわ!!今あそこのカギ持ってるんでしょ?』


って真也の目の前で父親に宣言したわよね!!

聞いてなかったとは言わさないわよ!!

それとも私と結婚するのが嫌なの?ねえ真也答えて!!」


と俺はめちゃめちゃ睨まれてるんだけど・・

まさか、麗香が父親の前で言った言葉がブラフじゃなくて全部本当の事だっったとは思ってなかった・・


俺は・・・


つづく・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る