第33話 33.麗香が家族に挨拶に来たんだが・・

<真也>


『ピッポッパポ電話』

『ピッポッパポ電話だよ』


と携帯が突然喋りだしてビックリ!!

『携帯電話って喋るのか?』

携帯電話の画面を見ると5時10分

そういえば、この電話に電話が掛かってきたのは初めてだな・・

相手は?

『麗香』


こんなに朝早くどうしたんだ?

そう思ってとりあえず電話を取ると・・

「おはよう~しんや~急なんだけど、佐竹の叔父さんから金塊200本全部売れたんだって~全部で210億3000万円だったらしいよ!!

今からそっちに行くから準備しておいてね~

10時から佐竹の叔父さんが内の父親と話付けてくれるって、だから一緒にうちの父親に会ってね

それと内のダメ親父から新宿の億ション分捕るから私と真也の新居にするから夕方引っ越し作業お願い~じゃ~後でね~」


うをぉ~一方的に喋るだけ喋って切りやがった・・

『麗香ってこんなにハイな奴だったっけ?もっとクールなイメージだったような・・』


それに新宿の億ション分捕るって何だ?

それも麗香と俺の新居って意味わかんね~~


俺は言われた通りに着替えだけ!!

麗香の父親と対面しなきゃいけないんなら、当然男の姿だよな!!

そう思って無難なリクルート服に着替えて・・


ネクタイも要るよな・・


今の時間にうちに来るっていうと・・

俺の部屋にも入る可能性有るよな?

うをぉ~~めちゃめちゃヤバいんじゃ!!


『速攻掃除しなきゃ!!』


ヤバい物は・・あ・・空間庫に全部ほり込んどこう!!

俺っ天才じゃね?

空間庫って超~~便利だよな!!


・・・・


・・・・


・・・・

何とか6時を回る前には部屋の片付けを終了!!

『一仕事やり通したぜ!!シャワーでも・・・』


って思ってた時


「ピンポーン」


「ピンポーン」


と来客のインターホンの音が!!

『誰だこんなに早く?まさか麗香がこんなに早く来るハズは無いし・・』


と思っていると

母親が

「ハ~~イ少々お待ちくださ~~い。どなた様でしょうか~?」

って陽気に声を上げて玄関に

『ドタドタドタドター』


俺が2階の階段から覗くと


っと廊下を走ってゆく母親の後ろ姿が見えた。

朝から騒がしい母親だな

などと思っていると

ご近所さんと思ってドアを開けた母親が・・・


「あら貴方は、安城寺先生、こんなに早くどうかなされましたか?」


と不思議そうに思いながらも聞いているよう。

「おはようございます。はい一昨日ぶりです。真也さんと結婚を前提にお付き合いさせて頂いているのでご挨拶にお伺いいたしました」


麗香がそういった瞬間、母親は・・

「け・・けっこん・・」


と言った後・・

あまりの衝撃に


『気絶した』


俺はびっくりして、途中まで降りていた階段を一気に駆け下り倒れる母親を後ろから抱え込む。

朝から特大の爆弾を仕掛けた麗香は満面の笑顔で微笑んだ。


それからが家族を巻き込んで大変だった・・・

そんな中、ちゃっかり愛崎家の食卓に混ざってご飯を平らげている肝っ玉ぶりにもビックリだぜ!!

で・・結果・・

父親の直哉・・あ~佐竹の叔父さんも直哉だっけ・・それで親近感沸いちゃったのか~

母親の真美

は揃って俺と麗香が結婚する事に大手を上げて受け入れてくれた。

もう俺の両親の中では俺達が夫婦って言うのは確定みたいな感じになってしまった。


『恐るべし麗香!!お前が着て30分もしない間に俺の両親を手中に収めやがった』


長男の雄一は・・

恨めしそうに俺を恨んでいた・・とだけ言っておこう

『兄貴、何でお前には女運が無いんだ?』


つづく・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る