第25話 25.金塊鑑定

<麗香>


此処は銀座に建つ20階建てのマンション・エンジェルガーデン最上階205号室の私の部屋

今日は7月28日火曜日午前4時50分

夏の日の出は早い

もう4時過ぎると薄っすらと明るくなってきている、

今年はコロナウィルスの影響で散々な目にあった。


『医療崩壊』


そんな言葉がピッタリ

そんなコロナ渦の影響で車通勤に変えた為、目下病院に出勤する為に昨日有った事を思い出しながら準備中


『昨日はめちゃめちゃいろんな事が有ったな~』


昨日朝の理工学部、電磁波研究室の爆発は酷かった。

でも、亡くなった3人には申し訳ないけど、あの爆発で真也に会えた


顔良し!!

スタイル良し!!

頭良し!!


非の打ちどころのない優良物件なんだけど・・

唯一の不満は年下なのよね~

真也が私より年上だったら、即決で結婚相手候補なんだけどな~


『私を甘やかしてくれる包容力のある年上の男性!!』


今の真也には・・・


・・

昨日真也達と別れてから、直ぐに大学時代の友達が務めているラディア・マテリアル研究所に行って・・ってこの大学施設の中に研究室が有るから直ぐ!!


ラディア・マテリアル研究所のドアをノックし

「裕子さんいますか~?」

って聞いたら、若い男性が奥の機械の方に向かって


「裕子珍しくお前にお客さんだぞ」

って呼んでくれた。


『裕子・・って・・その呼び方・・』



か・・彼氏?・・とか・・?

と思っていると、奥から白衣を羽織った見慣れた顔の女性が歩いてきた。


野田裕子ノダユウコ26歳

私の大学時代の同期

私は医学部

彼女は工学部

大学の飲み会で意気投合しちゃった悪友?


首から吊るしたカードには


新素材研究室 主任

野田裕子


と表示されていた。

大学時代の友達はすでに主任になっていてビックリ

それに大学時代はお化粧とかもあんまりしていなかったのに、今はめちゃめちゃお手入れされてて、凄く美人に見える!!

思わず

「裕子、久しぶり~暫く合わない間に綺麗になったじゃない!!今呼んでくれたのが・・彼氏かな?」


って小首をおって可愛い仕草で聞くと!!

「えええええええええ~どうして解ったの~~~麗香?」

って聞いてくる裕子の顔は真っ赤


『バレバレだよ裕子』

と突っ込みたい気分だったけど

「だってさっき裕子を呼んでくれた男の人って裕子の名前呼び捨てだったから、そうかな~って思ったの!!それに大学時代殆どしてなかったお化粧してるし~~凄く綺麗よ裕子!!良い彼氏見つけたじゃない」


って探偵気分?で説明

まあ~みてれば解るわよ・・甘々の空気二人の間に漂ってるんだもの!!

他の社員さん


『ご愁傷様』


って言ってあげたいわ。


「此処に数年寄り付きもしなかった麗香が、検査してもらいたいものがあるって急に連絡してきたからビックリしちゃったわ。一体何を検査して欲しいの?」


って早速本題を聞いてくれたから

「これよ」

と肩に掛けていたスポーツバッグを机の上に


「ドンッ」


っと置いてスポーツバッグのファスナーを開けた私

机の上に置いたバックの重さで想定外の音がした事にビックリした裕子は

「この音、何が入ってるのよ」


と言ってスポーツバックの中の物を取り出してビックリして口をあんぐりとあけ・・・

「まさか・・純金の金塊じゃ無いわよね?」

「それを調べて欲しいのよ」


その純金の延べ棒を持とうとした裕子が驚いたように

「お・・重い・・これが純金の延べ棒だったらこれだけで一億超えるわよ」


そう言って早速金の延べ棒をクリーニングし機械に純金の延べ棒をセット

今使っている機械は蛍光X線分析装置というらしい・・


『X線を金製品の表面照射することで、その表面から放出される蛍光X線を測定して物質を判別するらしい』


その分析結果をカラープリンターで印刷して検査結果を裕子が説明してくれる。

「この金の延べ棒の表面は純金100%、純金で間違いないわ。でも中までは確証できないから『超音波探傷検査機』にかけて検査してみるわね」


って今度は別の機械に金の延べ棒をセット

・・・


検査結果を印刷してくれ

「内部まで100%純金で間違いないわ」

そう言って『ラディア・マテリアル研究所』の証明書を作成してくれる。


そして証明書を作成を作成してくれ名から

「少し聞いていいよね?普通蛍光X線分析装置の光の波形は純金の場合どうしても不純物が少し混じるからノイズが少し入ったような波形になるのが普通なのよね?

でもこの金塊はそのノイズが全く無いの!!地球上で作成不可能な代物って事になるの?解る?」


「どういう事?」

「どうせ訳アリなんでしょこれ?」

どうも裕子はこの金塊の異常性を解っている・・・らしい・・

「頼まれ物なの・・」

っていうと

「まあ良いわ」

って予想外に呆気なく引き下がってくれてビックリ!!


そして私の首に着けているネックレスを見て

「麗香、誰に貰ったのかな~~?彼氏とか~?」

と何気に攻めてくる裕子

今度は私が逆襲を受ける番?

「うわ~麗香、真っ赤になってる~嘘・・嘘よね?あの孤高の麗香が」

って驚いて私のネックレスに顔を近づけて真也がネックレスに付けてくれた宝石をじっと見て・・・

「何!何!何!何!何!何!何!この宝石中から光ってる!!信じられない!!麗香その宝石検査させて!!」


って両手を胸の前に合わせて私にお願いしてくる裕子

まあ検査だけならって首からネックレスを外して裕子に渡すと即時に機械にセット!!


なんちゅう速さ!!

裕子の行動の速さに呆気にとられる私

余程気になったのかな?


機械にセットし裕子が機械を作動させた途端!!


宝石から目を覆いたくなるような眩しい閃光が一直線に床に!!



「プシュッ」


っと床に穴が開き焼け焦げた煙が床から昇る

私を含め研究室の中の全員が・・


阿保な子のように、口をポッカーンと開け全員が固まった!!


裕子は直ぐに検査結果をプリンターに印刷

その結果を見て

「これ地球上にあるどの物質にも当たらないんだけど、これは何?どうやって手に入れたの?」

と私は1時間近く尋問され・・・


『今日運ばれて来た患者さんを治療した時に貰った』


とうとう裕子の尋問に負けて話してしまった私だった。


つづく・・・

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