第12話 12.何で撮影会になっている?

山崎静江はメイドさんに連れられて帰っていった。

俺は本物のメイド服を着たメイドさんを見たのは初めてだ。

自分の近くの人で侍女?メイド?さんを従えて居るのをマジで見るとは思ってもみなかった。


『住む世界が違う』


そんな感じだ。

もしかして小学校の頃から付き添ってきたメイドさんって彼女だったんだろうか?

静江みたいな女の子の着替えとかもしなきゃいけないから執事じゃなく女性にしたんだろうな


俺はメイドさんに付き添われて去ってゆく少女を見送りながら


『あの子、家に帰ったら大変な騒ぎになるんだろうな』


なんて心配してたら


「シ・ホ・ちゃん~どうしたのかな~~」

と後ろから覗き込んでくる麗香


「お前はお気楽だな」


思わずそう言った瞬間、ため息が出る。


「あの子に恋しちゃったかな?あの子の言ったように3人で3Pする?」


とお馬鹿な事を宣ってくる麗香

「あのな~あの子、家に帰ったら大騒ぎになるんだろうなって心配してたんだよ。あの子の主治医みたいになってるんなら後から麗香に山崎家から何かアクションあるんじゃないのか?」


「えええええええええええ~どうしよう真也~~?そこまで私考えてなかったよ~」

「頑張ってな女神様」

「ひど~~い!」

・・・

なんて話している間に病室へ着いていた俺達


病室の時計を見るともう16時半

結構俺達食事と食事の後、あの少女と話し込んでいたみたいだ


『ドスン』



張りつめていた気持ちが一気に緩んだせいか個室の椅子に腰掛ける

「凄く可愛いわ~シ・ホ・ちゃん」

「あのなこの服って、何に使ってたんだ?これで遊びに行くって事はないだろうし」

「あ~その服ね。私ライブハウスでは有名なロリロリって言われている歌姫なんだ~そのライブハウスでライブ出演する時着ていた服よ。そうだ~今度一緒にライブ出演しようね」


「勝手に俺をライブ出演させようとすんじゃねえよ」

「いいじゃんいいじゃん~凄く可愛いんだから、ライブで一緒に男達を悩殺よ」


って麗香が言った瞬間


「ガチャッ」


個室のドアが開いて誰かが入ってきた。


「へっ?」

「へっ?」


「「間違えました。すみませんでした~~」」

見事にハモル両親の声


そして慌てて部屋を出ていこうとする。


「親父、お袋、俺だから、間違いじゃないから!!」


思わずそう叫んでしまう俺だったが・・


「へっ?」

「へっ?」


っと素っ頓狂な声を上げる両親

まあそうなるよな

息子が居ると思って部屋のドアを開けたら、知らない女性が居たんだから・・・



『ご愁傷様』


って言いたい気分だ

驚きすぎて禿げなければいいが・・

因みに


父親が 愛崎 直哉アイザキナオヤ 46歳

母親が 愛崎 真美アイザキマミ  46歳


同じ東○銀行の同期で入社して社内結婚したいまでも熱々カップル、いやバカップルと言った方がいいかも

そして長男が愛崎 雄一アイザキユウイチ 22歳

今年大学を卒業して東○銀行に就職した新人銀行員

俺以外全員銀行員という銀行員家族

兄貴は?彼女居るのかな?今まで彼女のかの字も聞かない

顔は悪くないと思うんだが・・まさか、ボーイズラブじゃねえよな?大丈夫か兄貴?


そんな両親がおどおどしながら


「今なんと?」

「・・・・・」


何か言いたそうな両親に

「俺だよ俺!!息子の真也だよ


って言うと

「えええええええええええええええええええええ~~」

「えええええええええええええええええええええ~~」


「驚きすぎだ!!着ている物全部燃えてしまったから、安城寺先生が持ってた服を借りて食事に行ってただけだ」


って真実だけを伝えると


「カシャ」

「カシャ」

「カシャ」

「カシャ」

「カシャ」

「カシャ」

「カシャ」

「カシャ」

「カシャ」

・・・・

2人は突然携帯を取り出して俺を連射しまくる両親が居た・・・

そして・・

麗香も・・

「カシャ」

「カシャ」

「カシャ」

っと俺を携帯で撮りだした

「何で皆して写真撮ってるんだよ」

とブーイング

「だって~私女の子が欲しかったんですもの。夢が叶ったわ」

「そうだな女の子も良いな~ガサツな雄一なんかよりよっぽど良いな」


『ガサツって・・可哀そうな兄貴だな』


つづく・・・

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