第10話 10.麗香と食事。絶賛女装中

麗香に廊下をドナドナされながら歩いていると

その途中・・

「女神様~ありがとうございました」

そんな患者さんから次々にかけられる声


『麗香、確実にやらかしてますな・・』


麗香に手を引かれながら

「麗香相当に遣らかしたみたいだな」

と小声で麗香の耳元で呟くと

「自分でも解ってるわよ・・」

とちょっと後悔気味に麗香の顔が曇る


「どうにもならなくなったら言えよお姫様。俺が異世界に攫っていってやるよ」

「うふっ。真也ありがとう。そう言ってくれると気持ちが軽くなるわ」


満面の笑顔の麗香に腕を絡まされ、廊下をドナドナされながら一階のロビー脇に有るレストランへ

レストランに着くともう食事時をとっくに過ぎて午後の3時過ぎというのにかなりのお客さんが居る。

それに結構麗香と俺此処のお客さん達から注目されてるんですけど・・・


女装しっかりとバレちゃってる?

うをぉ~めちゃめちゃヤバイ奴になってるんじゃ?

そんな俺の気も知らずに、麗香は俺の右腕に自分の腕を絡ませたまま、窓際の席にドナドナしてゆく。


「麗香、みんな俺達に注目してるみたいだけど俺の女装バレてるんじゃないのか?」

って不安になっている事を聞くと

「大丈夫よバレて何ていないわ!!みんな真也が美少女だから嫉妬してるのよ」

っては言ってくれるだが・・

心配な物は心配なのだ!!


それに慣れないスカートで下半身がスースーするし女性用の下着つけてるし・・

見られたら大変な物が今日は一杯有るのだ!!

それに東○大学病院一の美人な女医さんと一緒ってのも注目を集めている要因では有ると思う。


現に!!

「○京大学病院の噂の女神様よ」

なんて声があちらこちらから聞こえてくる

『麗香かなり広範囲に遣らかしてきたみたいだな・・麗香に言ったらまた気にするだろうし・・』


そうおもい黙っておくことにする。

ここの大学病院のレストランは某レストランが大学と提携して運営しているチェーン店らしい。

可愛いメイド服の従業員さんがメニューを俺達の前のテーブルに広げて見せてくれる。


麗香は


『ミートスパゲティー』


にしたようだ

俺は無難に


「特製カレー」


にした。

後はサラダバーとドリンクバーを2人分

サラダバーを付ければ結構色んな物が食べれてお得

俺達はメニューを決めると麗香と一緒にサラダバーで適当に食べれそうなものをチョイス

麗香は・・・肉系とパンを数個とマーガリンをチョイスしたみたいだ

俺は普段食べれない野菜系をチョイス

これって肉食女子と草食男子?

なんて一瞬思っちまったぜ


俺の外見はフリフリの真っ白なロリータ服を纏った美少女

麗香もこの東○大学病院では秀才美女の外科医

2人が居る関係か男の若い医師達が

「一緒に食事しない?」

なんて入れ代わり立ち代わり声を掛けてくる。


偽物じゃなくて、本物の女の子に声を掛けてくれよ!!

って正直言いたい気分だぜ。

丁重にお断りをして退散を願う。

まあ、此処の医師って事が解っているのもあって素直に退いてはくれた。

流石紳士だぜ!!


麗香は

「真也モテモテじゃない」

って意味深に話しかけてくるが

「こんな格好にしたのは麗香だろ!!」

って一喝


俺としては、こんな女装、何時バレるかヒヤヒヤしながら大変なんだぞ!!

って言ってやりたいが、せっかく食事に誘ってくれた手前それは言えない。

俺と麗香は今日有った事を2人で話しながら食事をしていたのだが・・・

まあ次から次へと麗香の遣らかしたじじつが判明し俺は正直青くなっちまった。


「やっぱり遣りすぎちゃったかな?」

なんていまさら呑気な事を宣う麗香


「正直に言おう!!遣りすぎだ麗香、もうお前は俺と結婚するしか道は無いな」

って冗談を言うと

「私も正直そう思う」

「おい冗談だ。ちょっとは突っ込んでくれよ!!そこまで正直に認められると俺困るんだけど」

「まあなくは無い未来だから最悪はお願い」

って可愛くお願いされてしまう俺

こんな美人さんにお願いされると俺断れないんだよな・・・


「最悪はこの世界をぶち壊してお前を攫って異世界にトンズラしてやるよ」

って冗談交じりに言うと

「真也のその言葉が冗談に聞こえない所が怖い所よね」

「俺も麗香に言われてそう思った」


「うふっ」

「ふふっ」


って顔を見合わせて笑いあってしまう。

なんかこの流れ・・

俺達結婚する流れになってないか・・

まあ・・良いけど


俺が回復魔法を付与してから麗香の俺の扱いが凄く優しくなった気がするんだが・・・

気のせいか?


食後のコーヒーを飲みながら、俺は麗香に例のスライムの欠片を取り皿に三角に切ったケーキみたいに切り分けて出してやると・・・


「真也此処にこんなデザート有ったっけ?」

「無いな!!異世界の産物だ良いから食べて見な」

俺が言った言葉にフォークとナイフで切り分けて麗香が一口口に含んだ瞬間


「これ何?メロンのような味だけど、メロンより凄く濃厚な味めちゃめちゃ美味しいじゃない」

「俺も食べたけど凄く美味しかったから出してみた」

「えへへっ」

って言った瞬間に俺の傍に椅子を寄せ俺に抱き着いてくる麗香

おい麗香デレチャッタ?

傍からみたら確実に百合だな・・・


そんな麗香が俺に抱き着いてきた時

「安城寺先生、先ほどは私の目を治して頂いてありがとうございました。また見えるようになるなんて思ってもみませんでした。凄く感謝しています」

と誰かが声を掛けてきた。

年の頃は15~16歳高校生って感じかな?

可愛い水色のワンピースを着てお洒落に小さめの白いカーディガンを羽織っている。



つづく・・・

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