第7話 07.交換条件?give and take

俺の前まで歩いて来た安城寺先生!!

何か含みの有る微笑みを浮かべながら


「真也君、その両手に持ってるのは何かな~~?普通の金の延べ棒じゃ・・・無いわよね~」


と小首を折ってベッドに寝ている俺の顔を覗き込む安城寺先生!!

可愛さ半端ねぇ~~~

こんな美人が女医なんて反則だろ!!

でも


『怖えぇ~~超怖ぇよ!!その笑顔超~怖ぇ~~~俺何か要求されちゃう?脅迫されちゃう?』


そんな恐怖を出来るだけ・・

出来るだけ顔に出さないように・・

本音をぶつけてみる


「安城寺先生?この金の延べ棒・・鑑定とかして内緒で売れる所とか~~知り・・ませんか?」

「知ってる・・・と言ったら?」

そう答える安城寺先生の笑顔~超~可愛いんですけど~

超~~怖いです

「知ってるんなら・・お願いしたいな~・・なんて・・ダメ?・・ですか?」

俺もこのさいだ!!ダメ元でおれの最高の笑顔で答える


『ちょ・・ちょっと引きつった笑顔に・・なってたかも・・』


「良いわよ~条件次第でその金の延べ棒換金してあげても良いわよ~?」

とまたまたそう言って笑顔で俺の顔を覗き込む


「顔・・顔が・・近いです。安城寺先生!!」

俺はそう言って慌てて顔を背けた。

「麗香!!」

「へっ?」

「へっ?じゃないの!!私の事は麗香って呼んで!!はい!!れ・い・かって!!」


安城寺先生の事を『れいか』と呼べって事・・・なのかな・・


「れ・・れいか」

「うふっ良くできました」

そう言って安城寺先生は


『ちゅっ』


っと触れるか触れないか位のキスを俺の唇に!!

「な・・何してるんですか~~」

「先行投資?か・・な?」


うわぁ~~これって聞いちゃいけない感じ・・だよな・・

突っ込まないでおこう!!


「で俺は麗香に何をしたら良いんですか?」

「貴方の子供が欲しい」

「麗香!!な・何言ってんだ~~」

「うふっ冗談よ?」

「真顔でそんな冗談言わないでください!!本気にするじゃないですか!!」

「あら?本気にしてくれたんだ~」

「もう良いです」

「怒らない~怒らない~本当はね~私此処の病院で名医って呼ばれたいのよ。父の権威でこの病院に入れてもらったけれど、このままじゃ来年当たり地方の病院に飛ばされそうなのよ。真也君何とかならない?」


「それを何で俺に相談?」

「真也君なら何とかしてくれそうだったから!!」

「どうしてそう思うんですか?」

「女の勘・・・かな?」

「凄いですね」

「でしょぉ~~私天才だもの」

「ハイハイそうですかじゃ~両手を出して下さい」

「無視する訳?そこは突っ込む所でしょ?」

「麗香の大事な所に突っ込んでみたい気はするよ」

「真也言うわね」

「ほんの冗談です」

「冗談だったの?」

「ご想像にお任せします」


「うふっ」

「あはは」


二人で思わず顔を見合わせて笑いあってしまう俺達

麗香って結構純粋?


「笑っていないで早く両手を出して下さい」

「何?するの?」

「終わってからのお楽しみです」


麗香は細い両手をの前に突き出してくる。

ベッドに横になっていた俺はその両手を掴んで・・


『麗香の両手に付与』

多分大丈夫!!

出来てるハズ!!


ベッドに寝たままの俺は、そのまま麗香の両手を掴んだまま上体を起こし


『ちゅっ』


っと麗香の唇にキス

その瞬間


「ひゃっ」


「嫌・・だった?」

嫌だったって言われたらショックだけど・・


「嫌・・じゃ・・無いけど、こんな真面目な話している時に不意打ちなんて酷いんじゃない?」

「すみません。俺だってやった事隠す為に必死だったんです」


そうあの時、麗香の両手に付与した事を気づかれたくなかっただけだ!!

キ・・キスは・・つい魔が差した?

麗香顔が少し赤い?


行動には気を付けよう。


俺は握っていた麗香の両手を放し、右手に良く切れるナイフをイメージ


『その瞬間、右手に小さなナイフが出現』


麗香もそれを見て


「へ?何?何したの?」

って言ってるが無視


そのナイフで左腕に


『スー』


っと軽く切り裂く

『ドッっと噴き出す血』


半狂乱になった麗香が

「キャー何してるのよ!!真也気が狂ったの?」

って叫んで来る

俺はそんな麗香に


「麗香、麗香の両手に回復の魔法を付与した。俺のこの傷に両手を翳して治れと念じてみろ」


って言うと、一切い疑いもせずに俺の切った左腕に両手を翳した。

『麗香の両手と俺の切れた左腕が一瞬淡く光った』

すると逆再生をするように傷口が塞がってゆき、最終的に俺の左腕にあった傷は全く無くなった。


「凄いわね。まさかここまでの事が出来るとは思わなかったわ。真也貴方何者なの?」

「普通の人間?だと思うんだけど?」

「そういう事にしておいてあげるわ」


「あ~そうしてくれ。回復魔法を使う時は注意しろよ!!何か偽薬とか患者の目の前で調合しながら、例えばさ~オレンジジュースとかにクエン酸とか、グラニュー糖とか入れて飲ませながら片手で回復魔法を使うとかして怪しまれないようにしろよ。今みたいに患者の目の前でやったら大騒ぎになるからな」


と使用条件を2人で詰めた後、麗香に金の延べ棒を渡しておいた。

因みに俺は今すぐにでも退院出来るらしいんだが、如何せん着ていた服はスライムに溶かされたのと、あの爆発の影響で殆ど全裸状態まで燃えてたしバッグバッグに詰めていた着替えやノートパソコン、携帯全部燃えて無くなってしまってた。


パソコン、携帯は後で大学側の保険で補償してくれるらしい。

あの原因となった理工学部の電磁波研究室の奴らは死亡保険金とか出るのかな?

ここまで育ててきた親も大変だな。


麗香はというと・・

両手を見ながら、スキップしながら俺の病室から早速出て行った、

あいつ何かやらかしそうなんだよな・・・

つい力使ってしまわなければ良いが・・・


つづく・・・

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る