第6話 06.俺の体は一体どうなってしまったんだ?

安城寺先生が出て行った後、父親と母親は少し話した後、夕方着替えをもってきてくれる事になり、2人とも安心して職場に帰っていった。

まあビックリするよな・・・

大学に研究課題をやる為に出かけて行った息子が、突然全身大火傷で死にそうだって病院から連絡が有ったら流石に卒倒するよな。

理工学部の電磁派研究室の奴は結局死んだのか・・・


安城寺先生が、ミンチ肉・・・って言ってたけど爆発余程酷かったのかな?

俺って友達少ないんだけど、その一人が新幹線の線路工事してた人を撥ねた現場に出くわした時、道路に散らばった肉片を看護師さんが拾ってたって聞いた事がある・・・

一時、理工学部の電磁派研究室の実験のせいで死んで異世界転生して魔獣に食われて死ぬと思った時は流石に『死んだら化けて出てやる』・・って恨んでたけれど、ミンチ肉みたいになって死んだと聞かされたら可哀そうって思えるな。


理工学部の電磁派研究室の奴ら、

『テレポート』

の実現に向けて研究してたみたいだけど・・・

俺、理工学部の電磁派研究室の奴らをバカって言ってたけど、考えてみたらあいつら、もしかしたら天才じゃね?


実験自体は失敗したけれど、考え自体は間違いじゃなかった!!

だって俺がテレポートして、思った所に帰ってこれたんだから!!



だが・・

俺の体どうなっちまったんだ?

異世界転移とテレポート能力は理工学部の電磁派研究室の実験のミスで偶然取得?

じゃ~あの剣は?

あれ魔法じゃね?


俺はベッドに寝たまま右手を上にあげ


『剣!!』


と念じると

右手に長さ1メートル程の勇者の剣みたいな洋剣が出現


「をぉ、夢じゃ無かった!!」


思わずそんな独り言を言ってしまう俺

まさか、こっちの世界でも使えるとは思わなかったぜ


『消えろ』


と念じると右手に出現していた剣が消える。


『マジか~』


じゃ~空間収納庫は?

あの金の延べ棒はどうなった?

あのまま収納できてるのかな?

と思うと


『ベッドに寝ている俺のお腹の上に長さ30センチ程の金の延べ棒が出現した』


「うをぉ~結構重いぞ!!」


俺は余りの重さに金の延べ棒を両手で抱え上げ天井に翳し、

「これ金・・・だよな?なんでスライムが金の延べ棒を体の中に蓄えていたんだ?」

と独り言を言いながらまじまじとその金の延べ棒を凝視。


「知り合いがいれば鑑定してもらえれば売れるんだろうが・・・どうっすっかな~」

と独り言

「それ金の延べ棒よね真也君?私に宝石店の知り合い居るから換金してあげても良いわよ?」

突然のその言葉に声のした方を振り向くと、其処には安城寺先生が意味深な表情で微笑んでいた。


「うわ~マズイ人に見つかっちゃいましたね」

と俺が引きながら言うと

「うふっ、それはどういう意味かな真也君?」


そう言いながらそっと開けただろう病室のドアをそっと閉めながら安城寺先生は俺に近づいて来るのだった。


つづく・・・

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