サンタ懲罰部隊の扱いについて


 サンタ協会内の汚れ仕事を担当する部門であり、十二の部隊が存在する。一つの部隊は、五十〜六十名の一般サンタと、四〜六名の配達道具持ちサンタで構成される。


 主な構成員は下級サンタと、致命的ではないサンタ規則違反を犯した異端サンタである。


 懲罰部隊が担当する任務は二つに大別される。


 一つ目は、致命的なサンタ規則違反を犯した異端サンタを始末すること。


 二つ目は、腐敗したサンタ協会の方針に反する人物を事前に排除することである。


 些事として、悪い子の処分がある。



 対サンタ戦に特化した部隊であり、隊員の実力は総じて高い。配達道具持ちのサンタともなれば、ゲリラ戦に徹することさえ可能なら、最新装備で武装した旅団規模の軍隊を壊滅させることもザラである。


 それだけの凄まじい戦闘力を有した部隊は、サンタ協会としても危険極まりない戦闘集団である。かといって危険な異端サンタを狩るには、優秀なサンタを動員するしかない矛盾を抱えている。


 その問題を解消するために、隊員を監督する役割として、懲罰部隊隊長という役職があり、協会の方針に忠実かつ強力なサンタが任命される。


 その性質上、隊長は優秀なサンタでなければならず、隊長に配属されることは、懲罰部隊の名に反し、非常に名誉なことであるとされる。


 

 一般隊員は不名誉な扱いではあるものの、懲罰部隊を志す下級サンタは多い。


 その理由として、千二百年前の腐敗していたサンタ協会により懲罰部隊送りにされた善きサンタたちが、協会に反旗を翻し不正を是正したという歴史があるため。

 

 だが、現在のサンタ協会はその歴史に習い、懲罰部隊を率いる隊長を“きちんと”腐らせているため、協会の自浄作用を担える可能性は極めて低いのが実情である。

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