この世を去り、影を失った者たちと心を通わせる少女・カスミ。ちょっと勝気だけれど心根の優しい彼女は、ある日、母の入院をきっかけにひとりの霊と出会います。『新しい命となって、この世にまた』想いを残した者を送るために切られる、九字のおまじない。そして今日もカスミの前に霊が現れて──。霊感少女もヒマじゃない。「なんやかんや言うても、せなあかん」と、今にもカスミの声が聞こえてきそうな、そんな身近さを感じさせてくれるお話でした。