第8話 僕の新たな友達
「あいちゃん〜」
「おはよー」
次の日の学校、僕は待ち合わせをしてあいちゃんと一緒に桜の道を通って学校に向かった。
あいちゃんは昨日の1人の友達についての話をしてきた。なにをしたのか、とか楽しそうに
僕も昨日の人のことを喋りたいなっと思ったが、あいちゃんがずっと喋っているとすでに学校の側まで来てしまっていたので話せなかった。
授業では、あいちゃんのことを考えてしまっているが、それよりも新たに昼休みにならないかな、という楽しみが増えたのである。
昼休みは僕は図書室に行くと言うと、あいちゃんも友達に誘われた誘われたと言っていたのでお互い別々になった。
昼休み——
「やっほ!」
「あ、こんにちは!」
僕は図書室に行くと、彼女は図書室の端っこにある個室に座っていた。ここはドアなどはなく密室ではないが、ちょうどいい広さで集中できる場所らしい。人もほとんど来なく三人分ぐらいのスペースがある。
隠れてラノベなどを読むのにちょうどいい場所だろう。
「なに読んでるの?」
「昨日でた新刊読んでるの」
彼女は気になっていた新刊を発売してすぐに買いに行ったらしい。僕も最近読んでいる連載中のラノベを読み始める。
彼女の方をチラリと見ると本の中に溶け込んでいて、じっと見ると、やはり本を読んでいる姿は魅力的だなと思った。
沈黙が続き、本を読んでいると予鈴がなった。
「もう時間だね」
「早い⁈ あ……!この新刊おすすめだから読んでね!」
「うん! 帰りに買って帰ろうかな」
「そう……、そ、その……一緒に買いに行かない」
誘ってもらえて嬉しいが、あいちゃんがいるのでここは断るしかなかった。
「ごめん、一緒に帰る人がいて……」
「あ……、そっか……わかった!」
「また明日ね」
「また明日!」
そうして彼女と別れる時に大事なことを思い出した。
「ねね、名前、訊いてもいい?」
「あ、
4組ということはあいちゃんと同じクラスだ。そして僕と隣のクラスである。
「樺恋、いい名前だね」
「ありがとう! そっちの名前は?」
「
「5組……、隣のクラスだね!」
「いつでも話せるよ」
樺恋も隣のクラスということに嬉しかったのか、顔に感情が出ている。樺恋は隠し事ができないタイプなのか、態度に出たり、顔に感情が出たりする。
僕も初めての友達が隣のクラスだけあって、嬉しかった。
「じゃ、時間だから急がないと」
僕たちは一緒に自分たちのクラスに向かった。
その時、5組は4組の奥なので通りすぎる時、4組の中を
——あいちゃんは男の子といた。
5、6時間目の授業はその男の子のことしか頭になかった。
放課後——
僕は図書館によらず、あいちゃんと真っ直ぐ家に帰ることにした。
「あいちゃん最近誰と遊んでるの?」
「なんか最近話しかけてくれる人がいて、その人と仲良くなったんだよね」
どうやら向こうから話してくるらしい。それもそうか、なぜなら——
その男の子は、見た目はだいぶ変わっているが、小学生の頃あいちゃんをいじめていてやつだ。
「どんな人?」
僕はあいちゃんにとって今どんな風に見えているか知りたかった。
「明るくて、面白い男の子だよ。ともくんも最近図書室でなにしているの?」
あいちゃんは気付いてないらしかった。言うべきだろうか。今あいちゃんは楽しんでいて僕みたいにいい友達ができて喜んでいる。そのままなにもなさそうならこのままでいいのかもしれないと思った。
この男の子はあいちゃんの事を集団の男子でいじめ、事故だったとはいえ、病院送りにもなった。その事件は病院送りになって以降無くなったが、当然許せるものじゃなかった。
「あいちゃん今日僕の家で遊ぼ」
「いいよ!」
「久しぶりにアルバムでも見てみない?」
「中学の?」
「いや、小学生のあいちゃんとかも見てみようよ」
「えー、恥ずかしいよ」
恥ずかしいと言いながら、なんとか説得し僕の家に着いた。僕は結局気づかせる方面で伝えることに決めた。さすがにまたなんかあってからじゃ遅いと思ったからだ。
僕は小学生の思い出話をしながら時々、彼の名前を出して、今の彼の名前と一致して気づかせるようにした。
すると——
「
「あー、そういえば同じクラスじゃなかった?」
「うん……、でもこの人……」
俺か黙り込み、次の言葉を待った。
「私をいじめた……人、だよね……?」
「今はその人と仲良いの?」
「仲良いって言うより、最近ずっと話しかけてきて友達みたいな……」
「関わり方を変えるべきだと思う、なんかあったら僕に言ってね」
僕は震えている体に、背中をゆっくり
そして——僕もあいちゃんを待つだけでなく、行動しようと決める。
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