第3話 僕と幼なじみの全裸勝負 (野球拳)
「今日は寝坊してないね?」
「もちろん! 昨日はあいちゃんが早くに帰ったからね」
「そ、そうだったね‼︎」
しまった! ダメだ〜……! また隣で一緒に学校に行くとなると、思考が回らない!
「そ、そういえば今日体育だよね! 種目なに選んだ?」
体育では、いくつかのクラスが合体し合同で体育をすることになっている。そして何個かの種目に分かれてやる仕組みだ。
「あいはテニスを選んだよ」
「奇遇だね。一緒だよ!」
嘘だ。実は種目決めの時にあいちゃんがどこに並ぶか観察し、後を追って一緒の種目にしたのだ。
おそらくバレてないだろう。
「ほんと⁈ やったね‼︎」
「そうだね!」
そして、体育の時——
「ともくん二人組のペアなろ?」
「いいよ」
いきなり試合という形になり、あいちゃんと組むことになる。学校が始まってすぐペアを決めさせるのはどうかと思ったが、このペア決めで交友関係を築いて欲しいという意図があるのかもしれない。
そして他の組み合わせの人たちと試合をしていく。
僕たちは——全敗だった。それも仕方ない。
「ともくん下手すぎだよ‼︎」
「どう考えてもあいちゃんの方がミス多かったじゃん!」
必ず押し付け合いになるのだ。これも中学生の頃から何も変わってない。
そうして午前が終わると僕たちは屋上に向かった。
あいちゃんは可愛いからか男子からの視線がかなりあるらしい。そこで僕は二人で食べられるところがないか探した。普段は使えず鍵がかかっているのだが、今鍵が壊れているらしくすんなり食べることができた。
「ここで食べよう」
「わー‼︎ いいねこういうの‼︎」
「でしょでしょ、僕が見つけたんだ」
「やるじゃん!」
と、抱きついてきた。え⁈ 驚いて突き放してしまった。
「あ……」
遅かった。あいちゃんは下を向いていて今でも泣き出してしまうんじゃないかと思った。
慌てて声をかける。
「いや……、違うよ……。別に嫌で話したわけじゃ……」
「大丈夫だよ! 食べよ!」
「そ、そうか……。食べよっか」
あれ? 気のせいだったのか? と思う。とても元気に無邪気な笑みで返事をしてきた。
「そうだ。今日の午後何する?」
「今日あいの家でやりたいことあるから家来てよ‼︎」
「まあ、いいけど」
「じゃ、決まり‼︎」
今日の午後はあいちゃんの家か。いつもはやりたいことがあるとは言わないので何をするのか気になった。
そうして午後の授業も終わり放課後になると——
「今日は、あいの家で野球拳をやりたいと思います‼︎」
「は⁈ 野球圏⁈」
野球拳というのはとてもシンプルな遊びだ。
ジャンケンに負けた方が、服を一枚づつ脱いでいくだけ。
「そうだよ? やったことあるじゃん」
「い、いや、それは僕の親に止められらじゃん」
「でも今日のあいの家には誰もいないよ?」
「そういう問題じゃ……」
「えー、やだ?」
「いや、じゃないけど……」
そう、いやではない! それは事実だ。でももう高校生だ。前やったのは中学1年生の頃だ。あの頃はまだあいちゃんの体に別に興味は無かったしママに途中で止められただけだった。
でも——今は違う。
何が違うって——体だよ! 最近目に入ってしまう。大きくなった胸が。あんな大きかったけ? と思うほどだ。中学2年で異性として見るようになってしまい、胸の方を見てしまうことはあったが、失礼ながら、横から見るとほとんどまな板まな板だったのだ。——失礼ながら。
「じゃあ入って、入って!」
余計なことを考えていると、あいちゃんの家に着いており、足を踏み入れてしまった。
「じゃあ、早くやろ!」
「もうっ⁈」
「早く、早くー!」
「わ、わかったよ」
心の準備がっ!
「服は上からね順番に脱いでいくね!」
「パンツまで……?」
「全部‼︎」
「……はあ」
見たいよ! そりゃ見たいよ! ここでやらないという方がおかしいよ! でも! やっぱりはずかしい! ここで負け続けて、全裸になったことを想像しよう。
まず、全裸になった時、あいちゃんも下着を着ているぐらいでも、僕のうまい棒が間違いなく立ってしまう! そんなとことを見られたら、恥ずかしくてヤバイ。
そして逆にあいちゃんの全裸の姿も見たら間違いなくまたうまい棒が成長してしまう。
またそこを見られたら——これはほんとにまずい!
でも、でもだ。勝ち続けズボンを着ている状態だったらバレないかもしれない。そしたら何もかも僕の勝ちになる。
——よし。——ここは後者に賭けよう。
そう。すべてはあいちゃんの全裸のために! さあ、もう一度! あいちゃんの全裸のために!
心の中で叫んでいると、あいちゃんの「始めるよ!」という合図がなる。
そして——あいちゃんの全裸を想像していたせいか、僕のうまい棒が暴れているのに遅れて気づいた。
——さあ、勝負だ!
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