第3話

■side暁斗


 「ンン……ああ、ここは、俺の部屋?」


 「暁斗!早くしないと高校に遅れるわよ」


 「ああ、高校?」

どういうことだ?学校なんかもうとっくに卒業しているはずだが?


 「今日は月曜日よ、学校があるに決まっているじゃない」

そう母さんは呆れたふうに言った


 「母さん、今何年の何月?」


 「ん?今2016年の四月十日に決まっているじゃない」


 「そうか、ありがとう。着替えるから先行ってて」


 「ちゃんと降りてくるのよ?」


母さんはそう言って部屋から出て行った


 「マジかよ……俺逆行したのか……?」


 「ハハハ……ありがとうな神様!」


 そうと分かればあとは簡単だ


 「以前できなかったことを全力でやる。そして、あの人に今度こそ好きと言いたい」


 俺は急いで着替えて下に降りる

ちなみに俺の部屋は二階にある



 「おはよう 、父さん、母さん」


 「ああ、おはよう暁斗」


 「フフフ。ええ、おはよう。ちゃんときたのね」


 リビングにいた父さんと母さんに挨拶をしたらそう返ってきた


 「ンア?そういえば藍華は?」


 「もう先に学校に行ったぞ?」


 「今日は、朝練だって」


 「そうか」


俺の妹である藍華は一つ下の中三でバスケ部に所属している。

ちなみにインターハイなどにも毎年出場している強豪校だ。

ついでに言うなら妹はエースだ


 「さてと、俺も学校に行ってくるか」


食事をとったあと、歯磨きして家を出た


 しばらく歩いていると学校が見えてきた


 国立麗蘭高校 中高一貫校だ


 有名な女優やモデルの多くを輩出してきた伝統ある学校だ


 「おはよう」


 教室に入って挨拶をした


 「おはよう」


 「おっす」


 「おっはー」


と挨拶が返ってきた


 席につくと一人の男が話しかけてきた


 「おっす、暁斗」


 「ああ、おはよう零式」


 この男の名前は宮本零式、俺の親友だ


 「おい!昨日のI・REIZのライブ中継見たか?」


 「ああ、見たぞ」


 「すごかったよな!格好良かった~」


 I・REIZとは今話題の人気アイドルグループだ。

センターの愛島花蓮は腰まで伸ばした藍色のサラサラした髪にきりっとした蒼い色の瞳、

そしてスタイル抜群な美少女だ


……ちなみに俺の幼なじみでもある


「そうだ、暁斗!!」


 「ンン?」


 「バンドやろうぜ!」


 「バンド?」


 「ああ!!」


 「なんで?」


 「もしかしたら番組とかで共演できるかもしれないかもだろ~」


 「はあぁ……分かったいいぞ」


 「ッッ!!本当か!!」


 「ああ」


 「よし!!!」


 まあ前回は断ったからな~


 「じゃあ俺はボーカルなあ~」


 「ああ!俺はドラムだな」


 俺はこう見えても歌はけっこう、うまいって言われるんだぜ


 「んで?あとのメンバーは?」


 「…………」


 「はあぁ……まあそんなことだと思った」


 「ッッ!!し、しょうがねーだろ……」


 ガラガラと扉の音がした


 「おはよう、みんな」


 そう言って現れたのは、俺の好きな人である神宮寺綾乃だった。


神宮寺綾乃 彼女は藍色のロングヘアにぱっちりとした琥珀色の瞳、どこか妖艶な雰囲気を漂わせるスタイル抜群の美少女でその容姿から学園のアイドルとまで呼ばれ男女ともに人気のある人だ



 「おはよう!神宮寺さん!!」


 「おはよう、神宮寺さん」


 「おっはー、綾乃~」


 と挨拶が返ってきた


 「フフフ。おはよう、暁斗君、零式君」


 「うん、おはよう」


 「おっす、神宮寺さん」


 「なにやら楽しそうですね?」


 「ああ、バンドをはじめようかとおもってたんだ」


 「バンドですか?」


 「ああ、そうだ!神宮寺さんも一緒にどうだ?」


 「ッッ!!お、おい!」


 「フフフ。面白そうですね。私はかまいませんよ?」


 「ッッ!!マジで?」


 「フフフ。はい。」


 「よっしゃ!!じゃあ神宮寺さんは暁斗と同じボーカルやってくんね?」


 「フフフ、はい、いいですよ?」


 「おお!じゃあダブルボーカルだな!」


 「よっしゃ!!この調子でメンバーを集めるぞ!!」


 「ま、マジかよ……あの神宮寺さんとダブルボーカルだと……」


 ッッ!!最高じゃねーかよ!!!!

よくやった!零式!!!


 「じゃあ、とりあえず今日の放課後に会議を行う!!駅前のファミレスに集合!!」


 「ああ!」


 「フフフ、分かりました」


 ッッ!!今から楽しみだ!!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る