第28話 これからも彼女と・・・
「突然呼び出したりして、すまなかったね」
「いえ、あんなことがあった後ですから・・・」
記者会見の後、俺は涼音の所属している会社に呼び出されていた。ていうかなんだこのおっさん、社長らしいけど・・・なんか面白い顔してんだよな
「ん?なんだね私の顔に何かついているかね?」
「ぶっ」
「ん?どうかしたかな美樹くん」
「い、いえなんでも」
あー、美樹さん我慢できなかったか・・・涼音は・・・あ、プルプルしてる可愛いい
なんでこんな状況になっているのかというと、この社長・・・明らかにかつらなのである。
「まあいいだろう・・・五十嵐爽侍くんだったよね」
「あ、はい」
「今回のことだが・・・」
「・・・」
なんだ?やけに溜めてるんだけど・・・あ、これみの○んたじゃね?ファイナルアンサー的な
「ごほん、社長・・・そろそろ」
「なんだよ、いい感じで溜めてたのに」
「社長さん?爽侍くんが困ってるのでいい加減に・・・お願いしますね?」
「お?・・・わ、わかった」
最近の涼音このモードになるの多いな、笑ってるんだけど目がね・・・
「どうかしましたか?そ・う・じ・く・ん?」
「い、いやなんでも・・・社長さん続きを」
「あ、ああ」
いや、まじで怖いんだけど・・・可愛いけど
「そ、それでだが・・・あの状況下で冷静に収められて、続けて記者会見を行えたのも君のおかげだったと思う。本当にありがとう」
「い、いえいえ・・・好きな人を守れて本当に良かったですよ」
「お、おう・・・君も結構思い切った性格してるね」
「そうですか?」
「ん、」
社長がおもむろに涼音のほうをみたから俺も釣られて・・・
「え?どうかしたのか?」
そこにいたのは、顔を真っ赤にしながら美樹さんに寄りかかっている涼音だった。
「まったく、爽侍くんはすごいね」
「はー、美樹さんまでなんなんですか」
「一つアドバイスしておくわよ、そういうのは鈴音にしかやらないようにね?」
「え?」
「いつか刺されるわよ?」
「な、なんでですか・・・」
「まあ、まあいいから。爽侍くん今日は本当にありがとう。涼音くんも疲れてるだろうから、ゆっくり休ませてあげてくれ」
はー、まったくこの社長はふざけてるんだか真面目なんだか・・・
「はい」
「ほら、涼音・・・帰るぞ」
「・・・・はい、一緒に、帰りましょう」
「あ、ああ」
びっくりした、あんなにうずくまってたのに急に起きるなよ・・・
でも、起き上がった涼音はすっごい笑顔だった。もちろん可愛かった
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「爽侍くん」
「ん?なんだ?」
「今日は守ってくれてありがとう」
「ああ、そのくらいは当たり前だ」
こういう時ってどう話せばいいのか困る。
「そう・・・」
「でも、ちょっと心配になってきたな」
「な、何が?」
「だって、今日みたいなことがあるって全く考えてもいなかったから・・・」
「うん、私もびっくりした。ああいうことがあるって話には聞いてたけど、それが私に・・・」
そうか、涼音にとっても初めての経験だったわけか・・・でも、あのあとあんなにしっかり質問にことあえてて・・・ほんとにすごい
「そうか・・・」
「でも、そんなに心配なら・・・」
「なら?」
「これからも、私の仕事にボディーガードとしてついてきてくれない?」
「なっ・・・」
なんだそれは・・・確かに心配だし、俺がみてないところでないかあったら・・・とは思うけど
「ちゃんと仕事としてお給料は出すから・・・」
「でもなー」
「それに・・・私も、爽侍くんと少しでも長く一緒にいたいし」
「え?それだったら一緒に住んでるし・・・」
「あのね?これから仕事も始まるから、学校も少し休みながらになるし・・・家に帰るのも遅くなっちゃうから」
な、なんだってー・・・まー、そうか。別にいつも決まった時間にある仕事でもないわけだからな、そっか。
「んー、わかった。というか、こちらからお願いするよ」
「え?」
「確かに、一緒にいたいってのもあるけど・・・お前が俺のみてないところで傷つくのは嫌だからな」
「へ?・・・ま、またそんなこと・・・もう・・・」
なんか涼音がモジモジしてるけど、そんなことはどうでもよくて。こうなったら一度美樹さんや、社長さんにも相談してちゃんと認めてもらわないと
「よし、これからはちゃんと涼音を守れるようにしっかり体動かしておかないとな」
「・・・い、いつも爽侍くん体動かしてるじゃない」
あれ?こうなったら長いって美樹さん言ってたんだけどな・・・
「ああ、でもここぞというときに動けないと意味がないからな・・・準備は大事だ」
「そうなんだ・・・」
「もうすぐ着くな」
「うん」
なんか、こう・・・うーん。こう、客観的にみて二人きりで帰ってると・・・なんかやばいな
「あ・・・」
「ね、爽侍くん」
「ん?」
「これから、忙しくなって色々とバタバタ動き出すと思うけど」
「ああ」
「これからもずーと、私のそばにいてね?」
「・・・・・・・」
「ね?」
「あ、ああ・・・もちろんだよ」
「ちょっと、何・・・今の間」
「いや・・・なんでも」
「ふふふっ、まーいいわ」
これから先、何が起きるかはわからないけど。涼音がそばにいてくれれば、隣で笑ってくれていれば・・・俺は無敵でいられる気がする。
だって俺は、彼女が好きなのだから
【あとがき】
ここまで読んでいただきありがとうございます。当初は分けるつもりはなかったのですが、この話までを第一章としたいと思います。
それと、たくさんの人にフォローいただき本当にありがとうございます。これからもどんどん熱く燃えるようなパラダイスを展開していきます。
もしよければ評価や感想などもよろしくお願いします。
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