第27話 こんなことが本当に起きるなんて
「はじめに、柏崎涼音から挨拶があります」
ザワザワ
「みなさん、この度はお騒がせしてしまい本当にすみませんでした。今回私が一時活動を休止した理由は、現在生活している環境を変えるために動いていたのと少しの青春を味合うためでした。そして、これからも1女子高生として生活しながら女優活動に役立てていければと思っています。これからも、優しく見守っていただけるとありがたいです」
さすがだ、あんなコメントを台本なしにできるなんて・・・
「えー、それではこれより質問の時間を取らせていただきたいと・・・」
ドンっ
ん?なんだあいつ、いきなり地団駄なんか踏んで・・・
「この・・・裏切り者ー‼︎」
ダダっ
一人の男が地団駄で大きな音を出して注目を集めているうちにもう一人の男がナイフで襲ってくるというなんとも原始的な手法だったが、会場の人間はまんまと敵の思う通りの行動をとった。ある一人を除いては
「ふー・・・」
こういうことがあるんじゃないかと思ってはいた、だから一応準備もしていた。だけど・・・本当にこんなことがあるとは・・・
「うわーーー‼︎」
「きゃーーー‼︎」
「くそっ、間に合ってくれ・・・」
バッ
よし、なんとか間に合ったか・・・まさか刃物を持っているとは思ってもみなかったけど、持ち方が素人だったからよかったか
「オラっ、おとなしくしろ‼︎」
「う、うー・・・放せよ‼︎」
「そ、そうじ・・・」
「涼音‼︎」
「あ、美樹さん・・・でも」
「今は我慢してなさい」
涼音がちょっとボロを出しそうだったけど、そこはさすが美樹さん。とにかくまずはこいつをどうにかしないと・・・
「すいません、誰か警察に連絡お願いできますか?」
「は、はいじゃあ・・私が」
「お願いします」
近くにいた記者の人が我先にと手をあげていたのでお願いした
ザワザワッ
「おい、これどうなるんだ?」
「知るか、こういう時は普通中断してまた改めるか文書でってのがおおいだろ?」
「まーそうだが、今は生中継もされてるんだし・・・」
あ、そうだった・・・生中継されてるんだった。俺がっつり顔出ちゃってるじゃねーか、絶対学校で何か言われるじゃねーか。この間も騒ぎになったばかりだっていうのに・・・
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「お、おい一樹・・・」
「なんだよ」
「これ見てみろよ」
「だからなんだって・・・うわ、すごい騒ぎになってるな」
「そうなんだよ、涼音ちゃんが刃物持ったやつに襲われたみたいなんだけどな?それを寸前で助けた奴がいてな」
「ってこれ爽侍じゃねーか」
「そうなんだよ、こいつ強かったんだな」
「いや、俺は知らなかった・・・」
なんだ、爽侍のやつ刃物持ったやつを軽く捌いてやがるじゃねーか。すごすぎだろ
記者会見の会場や、生配信で騒ぎになっている中ある男がこの事件に注目を集めていた
「おい、茜」
「なんですか?監督」
「この記者会見で華麗に敵を捌いてるやつ誰か知ってるか?」
「いえ、知りませんけど・・・それにしてもすごいですね」
「ああ、咄嗟の場面での臨機応変な対応・・・」
これは今回の作品に使えるかもしれないな、柏崎と小野路とこに入っているなら交渉も簡単にいきそうだしな。あと顔もいいな
「ちょっとこの人イケメンじゃないですか?」
「顔はまあまあ整ってるかもな」
「今回の作品アクションですし、彼いいんじゃないですか?」
こいつ、新人だいい目を持ってるな
「そうだな、メインじゃ使えないが・・・いろんなところで使えそうだ」
「そうですね、ちょっと考えてみましょうか」
「ああ、よろしく頼む」
「はい」
爽侍の知らないところで様々な思惑が蠢き始めていた。あのあと、涼音の記者会見は無事再開され何事もなかったように終わりを遂げた。再開されたことに会場内は驚いていたが、犯人が警察に逮捕されたこともあってひと段落ということだったのだろう。
生放送はなんと300万人にまで到達し、前代未聞の事態へと至っていた。
これから爽侍と涼音は本格的に波瀾万丈な人生を歩んでいくことになるのかもしれない。
【あとがき】
更新遅くなってすみません。ストックが切れてしまって・・・これからはコツコツ描いていくのでちょっと遅くなるかもしれませんがしっかりと続けていきますので、評価・感想お待ちしております。
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