第21話 俺、お前のことが・・・

・・・知らない天井だ。・・・え?そんなこと言って本当はどこかわかってるんだろ?って言う顔してるな?こういうのは雰囲気が大事なんだよ、教室で倒れてちょっと恥ずかしいけど・・・こう言う時はテンプレートに乗っ取ることが大事なのであってだな・・・・・・・


「お、目が覚めたみたいね」


「んん、あ、すいません」


「今どう言う状況か理解できてる?」


「はい、ご迷惑をかけてしまったみたいで・・・」


「そんなことは別にいいのよ、生徒の体調を見るのも保険医の仕事ですもの」


「ありがとうございます」


「んー、お礼なら君をここに運んできたお友達?彼女?に言ったほうがいいかもね」


「あっ・・・・」


もしかして一樹とか男子が運んできてくれたのかな、でも彼女って・・・愛華のことかな、涼音ってことはないだろうし


「彼はとっても冷静に対処してたみたいだけど、彼女はずっと泣きっぱなしで君から離れなかったんだから。君、彼女からかなり愛されてるみたいだね(笑)」


「え?俺に彼女なんて空想上の生き物いませんよ」


なんかすっごいニヤニヤしながら煽ってきたんだけど・・・


「あら、彼女じゃなかったんだ・・・」


「はー、」


「とにかく意識は戻ったみたいだけど、熱は下がってないんだからもう少し横になって休んでなさい」


「そうですか、わかりました・・・・・・ありがとうございました」


「いいのよ」


みんなに迷惑かけちまったな、起きたらちゃんと謝っておかないと・・・・・な・・・


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次に俺が目覚めたのは、放課後になってからだった。


「こいつすっごい寝てんな、このまま永眠しちまうんじゃねーか?」


「何言ってんのよ、でも爽侍くんて寝てる顔案外可愛いのね」


「ちょっと、そんなにじろじろ見ないでよっ」


「お?なんだ『この顔を見ていいのは私だけなんだからっ』ってか?」


「もう、涼音ったら積極的ね」


「ちが・・・・・」


なんだこいつら、俺が寝ているのをいいことにベラベラと喋りやがって・・・っていうか永眠ってなんだよ、俺死んじまってるじゃねーか。寝顔じろじろ見られんのも嫌だしさっさと起きるか


「でも、すごかったわねあの涼音の慌てようは」


「ああ、爽侍たちの関係は秘密だって言ってたから余計にな」


「うー、だって我慢できなかったのよ。あんな風に突然倒れるなんて理性より本能が勝っちゃったのよ」


「そうかー、で?どうなの?爽侍くん脈ありそう?」


「え?急にそんなこと言われたって・・・でも今日告白みたいなセリフは言われたし・・・爽侍くんが覚えてれば・・・」


「そうだよなー、今日の爽侍は明らかにおかしかったし。記憶がの凝ってるかどうかもなー」


ど、どうすっかなー。なんかタイミング的に起きられなくなっちまったぞ?・・・それに今日のこと覚えてるとも安易にいえなくなったなー


「そうね、今日のことはこの3人の秘密にして・・・」


いや、ここで覚悟を決めなかったらずっとこのままな気もするし・・・思い切るしかないのかもな


「ん、んん・・・」


「そ、爽侍くん?」


「ああ、みんな・・・なんか迷惑かけちまって悪かったな」


「おお、起きたか」


「よかったわー、起きてくれて・・・じゃないと泣いちゃうところだったわよ・・・涼音が」


「ちょ、ちょっと愛華ちゃん‼︎」


「それより爽侍」


「ん?なんだ?」


「お前いつから起きてたんだ?」


「な、なんでそんなこと・・・」


「いや、起き方がなんかわざとらしかったからかな」


「ま、まじか。お前ってなんでそう言うところだけ鋭いんだよ」


「え?じゃあ寝たふりしてたってこと?」


「だってみんなして俺の寝顔見たりしてなんか色々と言ってたんだもん」


「はー、全く・・・でも無事に起きてくれてよかったわ、じゃ、私と一樹は先に帰るわね。ほらいくよ」


「お前って案外優しいんだな」


「うっせっ」


ガラガラっ


「・・・・・・」


「・・・・・・」


やっベー、二人きりになった途端喋れなくなっちまったぞ。今まであんな甘いセリフ喋ってた奴が・・・


「そ、爽侍くん‼︎」


「な、なんだ?」


「ちょっと聞きたいことがあるんだけど・・・」


お?なんだ改まって、なんか二人きりじゃないとダメな話なんかな


ゴクリ


「爽侍くん今日のことってどこまで覚えてるの?」


き、きたー・・・今いっちばん聞かれたくない話題、マジでどう答えればいいんだろうか


「きょ、今日のことって・・・な、なんだ?」


「もしかして覚えてないの?」


「な、なんのことだかわかん、んー」


やべ、肝心なとこで舌噛んじまった。うわなんか見たこともない目で見られてるんだけど・・・


「そういえば今日和樹くんが何か撮ってたみたいっだったけど」


「な、あいつ黒歴史用とか言ってマジでやってたのか・・・よ・・・・・・・・・・あ」


「ふーん、本当は覚えてたのに嘘ついてたんだー」


「う・・・」


「爽侍くんのこと心配してた人に嘘ついたんだー」


「い、いや・・・」


涼音なんかすっごいキャラ変してるんだけど・・・


「で?本当は覚えてるの?」


「は、はい覚えてます」


「そ、そうなんだ・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・」


また黙っちまったよ、でももうこれ以上嘘つけねーよなー


「そ、爽侍くん‼︎」


「お、おう」


「改めて聞くね」


「はい」


「今日爽侍くんが言ってくれた気持ちは・・・本心ですか?」


よしっ


「今日の俺はちょっとおかしかったけど、あれは俺の本心だ・・・と思う」


「お、思うって何よ」


「だって、しょうがねーだろ?人を好きになったこともないから・・・これがどう言うことかなんてわかんねーよ」


「す・・・・そうなんだ・・・」


「でも、これだけはわかる・・・俺はお前のことが、涼音のことが一番大事なんだと思う」


「そ、それって・・・」




「お、俺はお前のことが・・・・好きだ・・・・」




「ほ、本当に?」


「ああ、今は付き合うとかわかんないけど・・・そう言う気持ちってことだけはわかっていてほしい・・・」


「う、うん・・・わかった」


「じゃ、じゃあ帰ろうか」


「そ、そうね・・・また話は家に帰ってからゆっくりすればいいしね」


シャー・・・カーテンを開けた先にいたのは・・・




【あとがき】


いやー、やっと告白しやがりましたね。長かったですわ。いやねこんなに話が続くと思ってなかったさかい、ほんまびっくりですわ


本当にありがとうございます。ここまで続けたこれたのも皆さんのおかげです。

皆さんの評価が私の原動力です。これからもよろしくお願いします。



なんか最終回みたいだけど、まだまだ続くよっ





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