第7話 動き出す主人公

「おはよー」


「ああ一樹、おはよう・・遅かったな」


「電車につかまちってな、人身事故だってよ」


「たまにあるもんな、でも間に合ってよかったじゃねーか」


「ほんとだよ、今日も満員だったし」


「おれみたいに早くくればいいんだよ」


「やだよ眠いし・・」


「はー、まったく」


「そういえば昨日言ってたやつ、どうなったんだ?」


「ん?なんのことだ?」


「なんのことって・・・あの夢のことだよ‼︎」


まじか覚えてたのかよ、なんであんなことを・・・どうすっかな、言ってもいいけどなんかめんどくせーことになりそうだしな


「ん?なんだよ考え込んだりして・・ほんとはなんかあったんじゃねーのか?」


「え?ああ、はー、しょうがない・・・いっちょいってみっかー」


「なんだよ、どこかのサ○ヤ人みたいな喋り方して」


「あ?なんでもないよ・・・わかったよ」


「よし、こい」


「それがな家に帰って聞いてみたらさ」


「うんうん」


「姉ちゃんと妹は何にも知らなかったんだけどな?」


「へー」


「・・・お前話聞いてるか?」


「・・・へ?ああ、聞いてるよ」


「お前・・・ちょっと寝てただろ、」


まったくこいつは、自分から聞いといてまったく・・・クソだな、まー、しょうがないかほんと能天気だよな


「寝てねーよ、ちょっとうとうとしてただけだ」


「眠いんじゃねーか」


「いいから、続き」


「はいはい、それがな母ちゃんは覚えてたんだなこれが」


「ほー、まじか」


「まじで」


「それでそれで?」


「ここからは、オフレコで頼みたいんだけどな」


「ん?」


「その女の子っていうのが・・・」



「おはよー」


「あ、涼音ちゃんだ・・・おはよー」


うわ、なんてタイミングのいい。でも都合がいいや、みんなあいつのとこ行ってて話聞かれそうにないしな


「で、誰だったんだよ。俺の知ってるやつか?」


「ああ、あそこで騒ぎの中心になってるやつだよ」


「・・・・・・え?



ええええええええええええええええええええええええええええええええええええ

・・・・・・・・・・・・・・まじかよ」


「おい、うるせーぞ少し静かにしろよ、バレちまうじゃねーか」


「あ、ああすまん」


まったく、驚きすぎだろこいつは・・・さっき一瞬目があったけどあっちも気にしてんのかな、今日のこと。まじで何言われるんだろうな・・・はー、柄にもなく緊張してきたじゃねーか


「それで、あっちには話したのか?」


「まだなんだけどな、偶然朝のランニング中にあってよー」


「まじか、すげー偶然だな」


「そこでな?今日の放課後、話があるから屋上にこいとさ」


「・・・は?、まじで?」


「まじで」


「うわ、はー、お前もついに彼女もちか?しかも相手がな、クー」


「ばか、声がでけー。多分ちげーだろ」


「なんで」


「なんでって、あっちも覚えてるわけないだろ?いっちょまえに芸能人なんてやってんだからさ」


「そんなことねーんじゃねーか?案外乙女チックに『ずっと覚えていました。あなたのこと忘れたことなんて一度もありません』なんてよー」


「なんだよ、気持ちわりーそんなわけないだろ」


まったく気持ちわりー喋り方しやがって、そんなことあるわけないじゃないか・・・ないよな?いやいやないない


「ん?なんだよ本当は期待しちゃってるんじゃねーのか?」


「もー、からかうんじゃねーよ。ほらもう授業始まるんだから、席戻れよ」


「わかったよ、」


はー、この調子で放課後まで持つのかね、やべーな、チラチラみてくるやつが一人増えちまったじゃねーか。落ち着かねー‼︎もー、こういう時はねたふりだもうそれしかない。とにかく、これからも平凡な生活を送るためにはなるべく騒ぎを起こさねーようにしねーと・・・今日は放課後師匠のとこ行かなきゃいけないんだしな・・・・・・・・


「あーーーーー‼︎」


ガタガタ


やべ、思いっきりおっきい声出しちまった。なんかこっちみられてるじゃねーか・・・それよりもどうしようこれじゃダブルブッキングだ。どっちを後回しにするべきか・・・しょうがない師匠に電話してダメだったら一か八か柏崎に言いにいくしかないな、よし。


ガラガラ



「もしもし、不知火先生いらっしゃいますか?」


「あーら、爽侍くんじゃない」


「ご無沙汰してます、麗香さん」


「今呼んでくるわね?・・・おとーさーん?」


相変わらず元気な人だな麗華さんは


「もしもし、なんだ・・どうした爽侍」


「あ、あのですね師匠今日なんですが・・・ちょっと遅れて行ってもいいですか?」


「・・・あ?なんだって?よく聞こえなかったな」


ヤッベなんか機嫌悪いんだけど、どーすかなー正直に話すべきなのかもな。


「あのですね、放課後に女子生徒に呼び出しをされていまして・・・」


「なんだってーー‼︎」


うわっ声でけー、まじで鼓膜やぶけっぞ


「・・・それならしょうがない」


「・・・へ?」


「女性からの誘いを無下にするものなど我が家の敷居は跨がせてなるものかー‼︎」


「ほんとですか、ありがとうございます」


「うんうん、ちょっと遅くなってもいいから気をつけてきなさい」


「あ、ありがとうございます。では失礼します」


ピッ


いやー、意外だったな。師匠があんな考えの持ち主だったなんて、でもおかげで約束は果たせそうだな。よしっ、今日もだらだらと乗り切りますかね





【あとがき】


ついに現れた謎の師匠・・・爽侍は一体何を教わっているのか、いよいよ次回主人公とヒロインがゴッツンコ・・・盛り上がっていきましょう

っていうかいつまで待たせんだ、ブーブー


たくさん読んでいただき本当にありがとうございます。これからもよろしくお願いします。




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