第6話 彼女がついに動き出す

「はー・・・まじかよ」


なんか昨日衝撃的なこと聞かされたから眠れなかったじゃねーかよ。まだ5時じゃねーか、ていうか母さんの言ってたことってほんとなのかよ。ほんとだとしたらやべーな・・・・絶対にバレねーようにしねーと。しょうがねーなちょっと早いけどいつも通り走りに行きますかね。まったく、毎日走りに行かねーとうるさいんだもんなあの師匠は・・・でも走っとかねーとなまっちまうしなー・・・いくか


「ふー」


「あれ?お兄ちゃん、今日は早いね」


「ん?ああ、なんか目が覚めちまってな」


「ふーん」


「じゃ、行ってくる」


「行ってらっしゃい、お風呂沸かしておくからね」


「ああ、よろしく」


じゃ、行きますかね。いつも通りペースを守って行かねーとな


「はあ、はあ、はあ、はあ」


いい感じだな、あったまってきたしペース上げていくか。この時間に走るのは初めてだけど静かでいいな


「ん?」


なんだ?俺以外にも走ってるやついんのか・・・・・でもあれは、女の人だな。んーどっかでみたことあるような・・・


「あっ」


うわまじかよ昨日の今日で、噂をすればなんとやらって感じだな・・・


「あー、んー、えっと・・・おはよー柏崎」


「・・・えっ?そそそ爽侍くん?・・・え、どうしよういきなり会うことになるなんて」


「あー、あんたも朝走ってたんだな」


「え?うん体型維持しなくちゃいけないから」


「そうなんだ、やっぱり大変なんだな」


 んー、どうしよう話続かねーし・・・でもこのまま黙って立ち去るのもなー


「ううん、それじゃ」


「え?・・・ちょっと、待ってください」


「ん?どうした、なんか用か?」


「うん、あの、えっと・・・大事な話があるから放課後屋上に来てくれない?」


「は?わかった、いいけど」


「そう、ありがとう。じゃあ学校でね」


行ってしまった・・・まじかよ、あんま関わんねーようにしようと思ってたのにやべーな。あの調子で学校でも関わってこられちょうとなー、ぼっちである俺に注目が集まっちまうじゃねーか。どうすっかね、あんな話聞いたんじゃ無視するわけにも行かないし・・・しょうがない放課後まで静かにしてなくちゃな


「どれ、帰りますか」


まったく、嫌な汗かいちまったぜ。家に帰ったらすぐ風呂入んねーとな、あー腹へった


「ただいまー」


「あ、おかえりー。お風呂沸いてるよー」


「サンキュー」


はー、いい汗かいたな・・・問題も増えたが


「はー、すっきりした」


「はい、お兄ちゃん」


「お、サンキュー」


相変わらず気の利いた妹だな、お茶を出すタイミングが完璧だ


「今日もいつものコース走ってきたの?」


お、なんていいタイミングだ



「あー、それがな」


「何?」


「昨日の今日で驚いたんだけど」


「うんうん」


まったく、朝ごはん作りながら兄の相談に乗ってくれる・・・くー、できた妹だよ


「柏崎が走ってたんだよ」


「うわ、ほんとにー?すごいね」


「それでな、今日の放課後大事な話があるって言わたんだよ」


ガシャン


「ん?どうした、大丈夫か?」


「へ?だ、大丈夫だよ・・・ふふーんそうなんだ、なんだろうね」


「そうなんだよ、何いわれっかわかんないけどさ・・あっちも覚えてねーだろうしな」


「そ、そうだよね。そんな昔のこと」


「お、朝ごはん。いつもありがとな・・・ん?どうした卵焼き失敗するなんて珍しいな」


「え?た、たまたまだよ」


「まーいいか、いただきます」


どうしたんだか


じゃあ、今日も学校行きますかね。一体どうなることやら




【あとがき】


彼女の方から動くとは・・情けない。でもま、こういうのもありでしょ


たくさん読んでいただきありがとうございます。よろしくお願いします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る