第5話 視力検査

新学期が始まり、少しずつ慣れてきた頃ある試練が長女を待っていた。


視力検査。


"C"のような円の消えている部分を言うというものだ。長女は目がいいことを自慢に思っていたのだが前学年の検査では人生初のBになってしまったのである。


Aに戻りたい。


その一心で長女は貪った。ある日はブルーベリーを。またある日は目の良くなる本を読みふけた。

その努力は報われたのか。


検査が始まった。

「上。下。左、、、えっと、、右?上?」

やばい。長女は焦った。どっち向きかは何となくわかるのだがたまに、どこか判断がつかないことがあるのだ。


焦っているうちに検査は終わった。結果は前回と全く一緒。Aになることは出来なかった。



検査後、長女は衝撃の事実を知った。




——判断がつかなかったところ

切れ目の向きは8方向だったのだ。

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