俺の彼女がお酒を飲んだ日(3)

「ともくん……?」

「起きたか」

 

 目覚めたみなは俺の手を見つめている。


「もしかしてずっと握ってた……?」

「ああ」

「ご、ごめんね!」

「大丈夫、俺も寝てたから」

「……そうなんだ」


 俺は起きたときびっくりした。


 寝ている間もずっと手を握っていたのだ。


 起きたら、みなの手を握っていて、みなを見ると気持ちよさそうに眠っていた。


 俺はそれから1時間くらいみなが起きるのを待ち、今の状態である。


「酔いは覚めたか?」

「うん」


 今日は学校が休みの日だ。


 だから、酔いが覚めてなくても、寝れる状況だが、どうやら酔いは覚めてるらしい。


「ともくんは?」

「あんまり飲んでないから」

「そうなの?」


 昨日は飲むふりをしていただけで飲んではいない。


 おそらくみなは昨日のことをあまり覚えていないだろう。


 すると、まだ頭は目覚めていないみなが口を開いた。


「今日何かする?」

「いいよ、何がしたい?」

 

 そう言うと、少しの間頭を抑え悩んでから、ハッと何か思いついたような素振りをする。


「映画行って、ご飯食べよう!」

「見たい映画あるのか? あと食べたいご飯もあるのか?」

 

 そう訊くと、分からないの? といった顔でこちらをじっと見てくる。


「お酒を飲んだだけなのに、っていう映画だよ、知らないの?」


 全く知らない。聞いたことない。


 スマホを落としただけなのに、みたいなイントネーションだな。


「面白そうだな」


 俺はそこで知らない映画と言わずに、楽しみといった感じで言う。


 すると、みなも嬉しいのか、すぐに立ち、準備を始めた。


「飯は?」

 

 そう訊くと、いじわるそうな顔を浮かべる。


 そしてこう言った。


「それは秘密」


 そう言い、奥へと消えていった。洗面所に向かったのだろう。


 まあ、とにかく準備を始めるか。


 少しワクワクな気分になり、お出かけの準備を始める。

 

 そして、予定も立ておわり、外の出た。


 そのとき、もちろんキスをした。

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大人な行為してもいいですか? 春丸 @harumarusan

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