第8話 入学式
啓司と望は2人で教室に入るとクラス内がざわついた
「…望さんなにかしました?」
「私は何も…けいくんこそ…」
「何もしてないけど…」
自分の席へ向かっていると…
「は、羽山くん…だよね?」
「ん?あ、榊原さん」
「けいくんの知り合いですか?」
啓司の後ろからひょっこりと小動物のように顔を見せた望は梨恵を見て
「あ、もしかして元凶ですか?」
「彼女は違うよ?僕がまだしっかりと話せる数少ない相手だから」
「なるほど…よろしくおねがいしますね榊原さん」
「え?あ、うん…よろしく…じゃなくて羽山!どうして仲良く…それとも女子と一緒にいるのよ!」
「え?変…だよな…」
「む…失礼ですね…けいくんと私は親友…いえ…心の友達と書いて心友です!」
そういった望は啓司の腕にしがみついた
「羽山…ほんとの大丈夫なの?」
「望さんは大丈夫だよ?でも心配してくれてありがと」
「べ、べつに!またあんなことになって美来が落ち込むのが嫌なの!」
「そのことも含めてなんだけど…そういえば美来と柚木は?」
「2人とも隣の3組…はぁ…私にあんたを守ることなんて無理だから」
「心配いりませんよ榊原さん私がけいくんの護衛するので♪」
啓司は気付いてないが梨恵はこの時見てしまった…望の眼が雌になっていたことに
「は~いみんな席について~これから入学式が始まるから廊下にならんでね♪あ、羽山啓司くんはちょっと先生のところに」
「え…は、はい…」
呼び出されると足が震えてしまい…後ろの席から見ていた望は
「…一緒に行きましょ?私なら信用できますよね?」
「う、うん…ありがと…」
2人で先生の話を聞きに行き
「ごめんね羽山くん…ひ、昼川さん?どうしてあなたまで?」
「友達の付き添いはダメですか?それに出席番号順で並ぶなら啓司くんの次ですからね」
先生は困った顔をしたが別にほかの誰かに聞かれてマズい話では無いのでこのまま話した
「羽山くんの出番来賓のあいさつした後になるから…準備できてる?」
「は、はい!」
「え?どういうこと?」
望はこの2人の会話についていけなかった
「ほら並ぶよ」
「ええ!?ちょっと!」
啓司は自然に望の手を引いて並び
「けいくん…強引///」
「早くしないと迷惑かけるだろ?」
入学式が始まった
「新入生入場拍手でお迎えください」
先輩の進行で入学式が始まり校長の挨拶があったり生徒会長の話があったりしてついに…
「新入生挨拶。新入生代表羽山啓司」
「はい!」
「えっ!?」
啓司の名前を呼ばれた瞬間に望が驚いた。立ち上がった瞬間望に向かってピースをした。
そして啓司は問題なく挨拶をしていき…挨拶の最後に
「そして…周りに頼りながらも誇らしい高校生活を過ごしていきます!新入生代表羽山啓司」
言い切ると拍手の中戻っていった…席に着くと崩れ落ち派手な音が鳴ったが誰も気にしてはいなかった…
入学式が終わり教室に戻ると
「は~いみんなおつかれさま!最後に宿題!明日自己紹介するから内容を考えてくること!以上解散!」
啓司が帰ろうとしたとき…
「お~い啓司~」
教室の外で柚木が声をかけてきた
「今行く!榊原さんも行く?」
「はぁ…友達探しは明日かな…」
するとまた…
「けいくん帰るの?」
ひょこっと啓司の後ろから顔を覗かせて
「啓司離れろ!」
「え?」
柚木が啓司との間に入って
「あ~なるほど…またですか」
「けーくん帰ろ~」
そこに美来もやってきて
「…けーくん?ねぇけいくんあの馴れ馴れしいの誰?」
「けいくん?へぇけーくんそこのデカ乳なんなのかな?」
この空気に耐えられなくなった啓司は
「……ばいば~い!」
その場から逃亡した。
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