第6話 卒業
高校受験が明け啓司らの通う中学校では卒業式の日を迎えるところだった。
卒業式前日に母親から
「啓司…卒業式は出てほしいの…」
そう言われて啓司は
「いいよ…最後に嫌な思い出で中学生終わりたくないし…」
「よ、よかった…それじゃあ啓司ちょっと来てくれるかしら」
そう母親に言われて近付いて風呂場に連れられて
「な、なにするの?」
「私の結婚する前の職業言ってなかったっけ?」
「聞いてない…職業インタビューも父さんにしたから」
「美容師よ♪いつも啓司と夏樹を連れて行ってるところ私の後輩の店なの」
啓司は偶に聞いていた「散髪は親にやってもらう」って言ってた人の体験をまさか自分がすることになるとは思っても見なかった。それも元美容師となれば腕は衰えているだろうがお金が取れるレベルだろう。
「お客様どのようにいたしますか?」
「お、おまかせ…で…」
「え!いいの!?なら啓司の魅力を完璧に生かすわね!」
ワキワキと目を輝かせながら髪を切り始めて45分後…
「できたわ!」
啓司は目の前の鏡を見ると…
「誰このイケメン…」
「啓司よ?美男子で可愛いって言われてるけど…私は可愛いよりカッコいいの方が似合うと思うのよ…ねえ啓司…これからは可愛いからカッコいいにしない?」
「…いいよ…母さんが望むなら///」
正直啓司もイジメられた原因である可愛いを辞めたかった…それで髪の毛を伸ばして目元を隠し、根暗になるようになった。しかし、母が啓司の新たな道を作ってくれた…これは生かすべきだと
その日のうちに先生にも出席することを連絡し職員室に来るように言われた。流れや、席の場所などを聞く必要があった。
当日、ほかの生徒にバレないよう早めに登校して職員室に行った…そしたら
「…だれ?」
髪を切ったイケメンが誰だかわからなくなったらしく
「羽山です…羽山啓司…」
「うぉえ!?前家に行った時と雰囲気変わりすぎだろ…まあいい…とりあえず流れは…」
先生が説明を始めて時間も無いのですぐにインプットしていく。
「よし…これで終わりだけど大丈夫か?」
「…赤学入試の主席を舐めないでください」
「だよな…主席!?合格しかきいてないけど!?」
「あはは…忘れてました」
そんなことをしていると時間ギリギリになり
「…教室来れるか?」
「大丈夫…です…最後くらいみんなと居たいですから…イジメてた人がいたとはいえ…でも流石に女子生徒の近くは…」
「大丈夫だ…最後の席替えでもしかしたらと思って男子で周りを固めてある」
そうすると安心して先生と一緒に教室に行った
「私が呼んだら来い…いいな?」
「はい」
そうすると先生は教室に入り
「全員来てるか~」
すると日常のように
「せんせ~いつものように羽山がいませ~ん」
「いや、これまで来なかったんだから最後だけ来るとかおかしいでしょw」
そう言って大半が笑っていた。すると先生はこちらを見て
「まぁまぁ…ところで…スペシャルゲストが来てるんだが…」
先生がこういうと教室が静まり返った
「入ってこい」
先生に言われて教室に入ると大半の生徒は「誰?」みたいな顔をしていた…もちろん啓司の足の震えは止まってはいない…そろそろ限界を迎えてもおかしくないのであろう…そんなとき
「…待ってた…羽山…羽山啓司!」
そう柚木が告げると
「はぁ!?いやいやあいつがこんなイケメンなわけないし!あいつはどちらかと言えば可愛い部類であってカッコいい系じゃないし!」
そう反論してくるのは啓司をイジメていた主犯だった…
「羽山…大丈夫か?」
そういって寄ってきたのは柚木だった
「…なんか前にもこんなこと…」
「入試の日だろ?」
そういうと柚木の肩を借りて席に着いた啓司は
「やばい…」
崩れるように座った
そして少しの休憩時間になると…イメージの変わった啓司のところに寄ってきて
「羽山…来てない間なにしてたんだ?」
と前の席の男子が話しかけてくる
「えっと…勉強と…ゲームかな…コミュニケーション力無くなりそうで…」
「ってことはオンラインか!どんなのやってたんだ?」
「…AW」
「は!?まじかよ!俺もやってたんだわ!うわ…あとでID教えてくれよ!フレンド登録するから!」
「わ、わかった」
こうやって話しているが女子は自然と近づいてこなかった…
「なにあいつ…久しぶりに来たと思ったら…カッコよくなってくるとか反則だし…」
「えっと…啓司をあんな感じにさせたのあなただよ」
そういう女子に言い放ったのは柚木だった
「あなたが啓司を変えさせた…」
「何説教?はぁ…可愛いあいつ…好きだったんだけどな…」
このとき柚木は聞こえなかったふりをした
「よ~し時間だ珍しい羽山と話したいのは分かるが他のクラスに迷惑かけることになるから急げ」
先生の誘導で卒業式が行われる体育館に行き卒業式が開始された
式終了後…最後にクラス全員で写真を撮ると言っていた…しかし啓司はその中にはいかなかった
「…みんな僕がいなくても大丈夫だし…それより…入学式の挨拶どうしよ…」
啓司は違うことで頭を抱えるのであった。そうしている所に
「けーじー!」
「…姉ちゃん」
「ほんとにカッコよくなってるし!さすが母さん!」
「あ、あんまり大きな声ださないでよ…」
姉弟での会話をしていると
「あ、お姉さん!?どうして!?」
「啓司の卒業式来たらだめなの?まさかそんなに束縛が激しい子だったなんて…お姉さんショック」
「え!?けーくん来てるの!?」
「目の前にいるじゃん」
すると夏樹はイケメンを指さして…
「み、みら…美来……はぁはぁ…」
「けーくん!?大丈夫なの!?」
「う、うん…ちょっと柚木を呼んで…」
「水田君ね!わかった!」
この光景を見た夏樹は
「成長できたんじゃない?前までなら会話できなかったでしょ?」
「はぁはぁ…すぐに息上がっちゃうけど……母さんと姉さん、それにイノリさんには感謝だね…」
「でしょ?もっと頼りなさい」
誇らしげにデカい胸を張り
「水田君呼んでき…お姉さんなにしてるの?」
「ん?啓司に褒められて嬉しかっただけよ」
「お、おい啓司大丈夫か?」
「うん…み、美来…もう少し慣れるまで時間が欲しい…」
「うん…待ってるから」
「なんで俺を呼んだ?」
「いや…もう足が限界…」
また柚木にもたれて最後に赤学進学カルテットで写真を撮り。RIMEでグループを作り解散になった。
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