第4話 進路
翌日
美来は登校中いつものように啓司の家に寄った
「あの…けーくんは…」
「部屋からは出てきたけど…ごめ…」
「え!?会いたいです!」
そういうと強引に美来は啓司の家に入った
「ち、ちょっと美来ちゃん…」
「けーくん…会いたかった…」
「み、美来…こ、来ないで…」
すると啓司は美来を拒絶する反応を見せた
「え…どうして…」
「美来ちゃん悪いけど…時間も時間だからまた…」
「は、はい…」
美来はさみしく啓司の家を出て学校へ向かった。
教室に入ると美来の友達である、
「美来どうしたの?元気ないけど…」
「幼馴染に拒絶された…」
「え…なにその幼馴染…ありえないんだけど…」
「私が悪いから…」
梨恵は少し廊下に目を向けると教室を伺っている1人の男子生徒を見つけて
「美来、ちょっと待ってて」
「え?うん」
梨恵はその男子生徒のところに行って
「何の用?」
「えっと…霧島さんに用が…」
「伝言でいいなら…どうせ告白でしょ?」
美来は中1の頃からモテていたが、全部『ごめんなさい!他に大事にしたい人がいるから』と言って断っていた。
「あ、違うよ…受験で忙しいこの時期に告白なんてするのはバカくらいだから」
「…たしかにね中3の冬に告白する奴なんてバカよね。なら伝言は?」
「羽山くんの事なんだけど」
その名前を聞いた途端に美来はすぐそこに向かって走り出した
「けーくんがどうしたの!?」
「えっと…幼馴染だよね?ずっと来てないから気になって」
「さっき言ってた幼馴染って羽山だったのね…そういえば最近見てないけど…」
このとき美来は言おうか悩んだ。彼女の中で梨恵は信用できるがこの男子生徒は初めて会話をしたに近い関係だからだ。
「僕、羽山くんと同じクラスの
すると望んでもないのにあちらから自己紹介をしてきた。
「どうして水田は美来のこと知ってたの?」
「羽山くんがよく話してたからね…『どうして美来イケメンの先輩とかから告白されてるのにつきあわないんだろう』ってね」
「それだけ?」
「だってこの学校で霧島さんのこと名前で呼ぶの女子と羽山くんだけだし」
すると美来は少し悩んで
「なら次の休み時間に来て?教えておきたいから」
その頃羽山家では
「やっちゃったかな…」
啓司は頭を抱えていた。初めて幼馴染である美来を突き放してしまった罪悪感で自分を責めているからだ。
「仕方ないわよ…啓司もまだ私たちとしか話せないんだから」
そう母が励ますが、啓司はなかなか元には戻らずに
「でも…初めて美来を…昨日だって味方って言ってくれたのに…」
先ほど行った自分の行動が許せず、自分の味方である彼女でさえも敵に回してしまったと考えていた。
「それより…お昼に先生来てくれるらしいから」
「うん…」
そして時間が過ぎ…
学校では美来が2人に話をしていた。
「羽山くんが…イジメに…」
「それで女性恐怖症ね…」
「そうなの…」
3人で昼休みを過ごしていた
「それは美来が悪い」
「同感。霧島さんが羽山くんの事が大事なのはわかるけど」
「うぐっ…」
図星で美来は分かりやすく落ち込んでいて…すると校門を見ると
「あれ?
高神先生は啓司や柚木の担任である。
「そういえば…午後の数学自習だって言ってた…出張?」
「そういうことよくあるわよ」
そして羽山家では、進路についての話が進んでいた。
「せ、先生…すみません…」
「いや…謝るのはこちらの方だよはね…啓司君。君の状態をお母様から聞くまで放置していたこちらの職務怠慢だ…すまない」
「いえいえ!」
先生は頭を下げて自分の責任だと責めていたが啓司はそれを止めていた
「それより進路だが…君の選択肢は3つほどある」
「3つ…」
「1つ目は進学これは一般的な進路…2つ目は就職…と言ってもこれは一番現実的じゃない。」
「ですよね…」
「そして最後…大学へ行く」
その言葉を聞いて啓司と啓司母は目を見開いた
「ま、待ってください!どうしてそうなるんですか!」
「高校卒業してない僕がいけるわけ…」
「高等学校程度卒業認定試験は知っているかい?」
「いえ…」
「これは名前の通り高校生の過程を勉強して高校に行かなくても次年度大学入試が受けられる制度なんだ」
それを聞いた啓司は少し考えたが…自分の中で答えは出ていた
「高校進学にします…出席日数とか足りないかもしれないですけど…それでも自分を克服したい…今の自分を変えたいんです!」
啓司の熱意が先生に届いたのか…先生は
「わかった…こちらもなるべく援助しよう!それに君がそう言ってきた時の為に…私立公立の高校リストを作っておいたよ」
そこには名門高校や難関大学へ何人もの生徒を送り出している学校などもあったが
「赤峰学園…」
そこにかいていた赤峰学園とは偏差値70の名門校だが、男女比率6:4とほぼ均等と言う今の啓司にとっては地獄のような高校だが
「どうして赤学に?」
「中学入ったころからここに行くことが目標だったんです…それにここなら乗り越えられる気がするんです!」
「目標か…わかった赤学への試験応募はしておくから待ってなさい」
「ありがとうございます!」
そういって先生は満足そうに家を後にするのだった。
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