第2話 オンライン

 その頃、啓司はというとオンラインゲームをしていた。理由としては、自分自身でも今後の人生女性と関わらないで過ごすなんて不可能だと分かっていたからだ。そこで啓司は息抜きに見ていたOurTubeでみた広告のゲームであるアナザーウォード(敬称AW)をやりはじめた。


「あ、イノリさん今日もいる…」


 イノリさんとは、このゲームを始めたころにノウハウや動き方、日課などを教えてもらったいわば師匠みたいな人だ。


『イノリさんこんにちは』


 とチャットシステムを使い会話を毎回している


『お、ケイくんこんにちは今日はどうする?またレベル上げ?』


『レベルはある程度いったので…ストーリ進めようかなと…良ければ手伝って…』


『うーん…よし!いいよ!このバージョンのラスボスだよね?お姉さんに任せなさい!』


 といった感じで啓司は二次元の女性に対してはなんのわだかまりもなく話すことができる。これを利用して自分自身で克服しようとしている。


『失礼なこと聞くけど…ケイくん学生だよね?学校は?』


とたまにオンラインゲームのタブーに触れるようなことも聞かれたりするが


『…前にも言ったように女子達が怖くて』


『私相手になら何の問題もないのにね』


『イノリさんは師匠ですから…』


『師匠か…嬉しいよ!よ~し!師匠に任せなさい!』


このゲームを始めたことから啓司の中でイノリさんの存在が今の自分を変えるきっかけになったことには間違いない。


そして2人でボスを撃破後


『やったねケイくん!』


『は、はい!やりましたイノリさん!』


『イノリお姉さんって何回いったらわかるの?♪』


こういった軽口も度々行えるような関係になっていた。


『うーん…ケイくんお願いがあるんだけど』


『はい!イノリさんの頼みなら!』


『すこしさ…家族とお話ししてみたら?…無理にってわけじゃないよ?』


『そうですね…父がいる時にでも母達と話せるように頑張ってみます』


こうして啓司は少し前に進む勇気を持ったのであった。


『無理だと思ったらイノリお姉さんに甘えていいんだゾ♪』


『そうさせてもらいます』


『え!?ほ、ほんとに…///』


こうして恋心が芽生えていたことは啓司はまだ知らない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る