恐怖と癒す心

まるぱな

中学時代

第1話 羽山啓司

 羽山啓司はねやまけいじは中学時代イジメられていた、理由は簡単だった。

 クラスメイトから言われた一言がきっかけで複数人の女子からイジメられた。


「マジで羽山ウザいんだけど!男子のくせにアタシより可愛いとかありえないし」


 それから啓司は女子たちからのイジメにあい……女性恐怖症になった。

 発症したときはあまりにも酷く、自分の母親や姉と言った家族の女性に会うだけで過呼吸を起こしてしまうほどだった。


 そこから不登校になり…定期テストだけを受けに行く生活を繰り返した。

 そのテストでは毎回全教科100点を取るまでの頭脳を持っていた。それもそうだろう、不登校とはいえやることがなかった啓司は、ずっと勉強していたからだ。


 彼には幼馴染がいる、霧島美来きりしまみらい、同級生で中学時代は違うクラスだった。それゆえ今の啓司の状態を知らない。美来は家も隣という理由から毎回啓司を呼びに行っているのだが…


「けーくん迎えに来たよ」


 と学校のある日は毎回呼びに来てもらっている。しかし毎回


「美来ちゃんごめんね…あの子ずっと部屋に閉じこもっちゃって…」


「わかりました…それじゃあまた帰りに来ますね…」


 と啓司の母親と話すだけになっている。


 それから美来は学校に行くと…


「な、なにこれ…」


 美来が見たのは啓司のクラスメイトの女子が啓司の下駄箱に大量の画鋲を入れているのであった。

 それを見た美来は教室へは行かずに啓司の家まで引き返して


「あら、美来ちゃんどうしたの?そんなに焦って…」


「すみません!けーくんと話がしたくて!」


「でもあの子……」


このとき啓司母は考えた、美来なら今の啓司を元に戻してくれるかもしれないと


「わかったわ…よろしくおねがい」


そして美来はゆっくりと啓司の部屋に向かい


「けーくん…開けて?」


美来が問いかけるが啓司は何も返さずに


「どうして相談してくれなかったの?私…けーくんの味方だよ?」


「……ないで」


「え?」


「こないで!!」


と啓司は大きな声で美来を拒絶した


「やっぱり美来でもだめか」


「お、お姉さん…」


そう言って現れたのは啓司の姉で大学生の羽山夏樹はねやまなつきだった。


「3ヶ月ぐらい前からね…父さんだけは話を聞けるみたいだけど肝心なところは全く…」


「さっき学校に行ったら…けーくんのクラスの人がけーくんの上履きに画鋲を入れてるのを見て…」


それを聞いた夏樹は


「なるほど…なら考えられるのは同じ歳に近い人を拒絶してるのかもね…」


「それはないわよ夏樹」


「どういうこと母さん?」


「それだったら私を拒絶しないからね」


「あ…もしかしたら」


「ん?美来なにかわかる?」


「さっき画鋲入れてたの…女子生徒でした…」


美来がこの一言を呟くと話を聞いた2人は顔を合わせて


「「それだ!」」


<ガンッ!>

すると啓司はうるさかったのか扉を蹴り3人はリビングへと移動した


「それより美来学校はいいの?」


「受験前ですけど…けーくんがこの状態なのに…行く気分じゃなくて」


「ありがとう美来ちゃん」


そういわれると美来は顔を赤くさせて


「それより…啓司は多分女性恐怖症ね…」


こうして3人は啓司を直そうとするのであった。

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