第2話 神さまのお導き

 あれは7月8日の事。今から1ヶ月半くらい前の事だ。そうか。まだ1ヶ月半しか経っていないのか…。あれから私はすっかり変わってしまった。他人から見れば、いつもと変わらない私だろう。けれど私だけは知っている。私はあの出来事が起きてから、私は変わったのだ。


7月8日、私はTwitterで次のようにつぶやいている。


『今日はなんだか不思議な日だった。


軽自動車のユーザー車検を受けに行った。

車の調子は良かった。車検も通った。

さて帰ろうと高速に乗った。しばらく走ってたら、アクセルを踏んでいるのに、減速しだした。


焦って、すぐ左側に車線変更した。アクセル踏んでもスピードが出ない。ちょうど高速出口に近かったのですぐ高速を降りた。


下道を走ってたら、今度はタイヤらへんからカラカラ音がする。

どこか車を止める場所を探していたら丁度神社があった。


神社の駐車場に停めて、知り合いが来てくれるまでそこで待ってた。


「第六天神社」という神社だった。お参りした。


そうこうしているうちに知り合いが迎えに来てくれて、車を見てもらったら、前輪の左タイヤのネジがゆるゆるで今にも取れそうになっていた。


「あれ?車検で見てもらったのに??」タイヤのネジの部分は必ず車検で見られる所で、コンコンとたたいて緩んでいたら検査員の人はすぐ気付くはずなのに?? とても不思議に思った。


知り合いにネジを締めてもらって、帰りはそのまま運転して帰れた。なんともなかった。


なんか神社に呼ばれたような気が…??


帰って「第六天神社」の事を調べた。祭神は神世七代における第六代のオモダル・アヤカシコネ(面足命・惶根命)で、イザナギ、イザナミの一代前の時代の夫婦神。けどこれは明治の神仏分離の際に変更された祭神で、本来は仏教の第六天魔王(他化自在天)を祀る神社だった。


第六天魔王は「仏教における天のうち、欲界の六欲天の最高位(下から第六位)にある」とあり、ようは天界の中でも人間界に近い次元の仏様らしい。(詳しくはこれから調べるけど、なんとなくルシファーやマーラー[麻羅、男根]とも繋がりのあるような感じ)


で、色々と調べていて最後にドキっとしたのが、今年年始に家族、友人達と初詣に行った寺院に祀ってあったのが、この大六天王、つまり第六天魔王だった!


これが、天照大神とかスサノオだったら、よくある偶然だと思うけど、第六天魔王って、今日はじめて知ったし、偶然にしても数学的に計算したら、結構レアな確率になると思うのだけど…。


まあでも人間ってのは物語性に惹かれるものなので、こうやって偶然の出来事を繋げて、いくらでも自分の物語をつくれちゃうものなんよね…。』


 これが7月8日に起きた事。


人によっては「ふ〜ん。なんか偶然が重なったね…」で済んでしまうような小さな出来事かもしれないが、私は「何故このような偶然が起きたのか?きっと何か理由があるに違いない」という思いが消えず、それからも暫くの間、第六天魔王の事が気になって気になって仕方なかった。

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