あなたは私のツインレイ?
@kanchi36
第1話 プロローグ
巫女さんみたいな人が好みなんだ…。彼のツイッターを覗いて、ひとりで勝手に落ち込む。だって私は巫女さんじゃないし…。
過去のいくつかの失恋を思い出して「またどうせ今回も同じパターンやわ」って諦めようとする自分が出てくる。でもそういいながら、またどうせ今日も彼のツイッターを何度も覗きに行くのだろう。まるでストーカーのように。
そして裏腹に「巫女さんって、私も黒髪ロングだし、見る人によっては巫女さんに見えるのかもよ? ひょっとして私の事を言ってる?」って現実を自分の見たいように捻じ曲げ、私は私だけの世界の中に逃げ込み、あれこれ妄想して心ときめかせる。
これは私の長年の趣味だ。物心ついた時からずっと、私はこの妄想の世界と現実の世界を行ったりきたりして、人生のひまつぶしをしてる。小さな頃は眠りにつく前に「理想の家族」を思い描いていた。"こんな家" "こんなお父さん" "こんなお母さん" "こんなペット" "こんな休日"…。それは目の前にある現実とはずいぶんとかけ離れていた。
「引き寄せの法則」ってのがある。自分の望みが叶った時のことを強くイメージし、その時の感情を疑似体験すると、その望みが現実世界に引き寄せられるという法則だ。もちろん年少期の自分はこんな法則があることを知りもしなかったのだが、このような事を眠りにつく前に、一時期は毎日していた。それが寝る前の楽しみになっていた。しかし、住んでいる家、父、母、休日…それらが自分の望んだものに魔法のように変わることは決してなかった。
それから大人になってからの私の妄想劇場は「◯◯君と付き合ったら…」というテーマに移っていった。私の今までの人生の中で、本当の自分を晒し、一緒に人生を共に過ごした異性のパートナーは、前の旦那と今の旦那の二人だけなのだが、そんな相手がいるにも関わらず、常に心のどこかで "今、私の隣にいる人ではない誰か" を求めていた事は紛れもない事実であり、前の旦那と離婚に至った原因も根本的にはそれだった。
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