第27話 放課後デート



唯依と立花がイラスト勝負すると決戦の火蓋が落とされてから俺は立花と一緒に学校へと登校した。立花と2人一緒に、教室に入ったところで、クラスメイトの

加藤かとう恋華れんかから目細められにんまりとして、なにか大好物のお菓子でも目の当たりしたかのように笑い、「あら、藤也くんと他立花さんは朝からツーショット登校なんて、もしかして二人はそうゆう関係なのかなー?」微笑ましく言ってくる。


女子高生ならではの発想と言うより加藤が恋愛脳で直ぐに男女との仲を恋愛に繋げてきてキャッキャ騒いでくる。


こんな風に勘ぐられるのは正直苦手だ。


「こ、これは違うんだ!」


しまった。よりにもよって加藤に見つかってしまうなんて三度の飯より恋バナが好きそうなコイツのことだ、様々な友達に言って回るのだろう。こんな風に勘違いされるなら登校する時間帯をずらしておくべきだった。


でも、後悔してももう遅い。ここは変な誤解を避けるべきだなと思い、俺はこう言う。


「立花さんとはたまたま教室の前でばったり会っただけだから恋華の思っている間柄じゃないから」と訂正しておく。加藤は、「ほんとうにー?藤也くんが立花さんを待ち伏せて一緒に来たんじゃないの~」



「だから違うっての!そこの廊下でたまたま会っただけで......」




「わかったよ今回はそう言うことにしておいてあげるから。じゃあねー」と言い去って行った。



だけど、俺たちが二人で教室二入ってきた姿を見た男子生達はそうは思ってくれなく、「お前、立花さんとどうゆう関係なんだ!隣の席になったからって調子に乗るなよ!」と嫉妬の嵐にさらされる。



「そんなお前らの思っているような甘い関係じゃないんだからな!」と訂正しておく。


本当は、家が隣同士なんだけど、このことは言うまいと隠し通そうと思う藤也だった。





昼休み、スマホのMINE《マイン》のメッセージをチェックすると唯依からメッセージが届いていて、メッセージには学校終わったらわたしの家に来て話しがあるからとあった。



「話ってなんですかね?」と隣の席から俺のスマホを覗き込んできた立花が言う。



「うわっ!人のスマホを勝手に覗き込むな!」

まったく、プライベートの侵害だろ。唯依からのメッセージを見られた気恥ずかしさからそう言う。



「ところで、藤也さんわたしこの辺りの地理が分からなくて、もしよかったら放課後に美味しいカフェを教えてくれませんか?スタボとかこの辺りにあったりしますか?わたし、放課後に友達とカフェに行くのが夢だったんです!」


「行きつけのカフェを紹介すればいいのか?わかった」


「やったーカフェに行けるー」そう立花は楽しみだと言わんばかりに言う。


「期待していてくれ良い所に連れて行ってやるよ」

とゆうか今の提案、唯依のメッセージ見たから対抗心で言っただろ。

そんなことは言及せず俺は、立花を放課後にカフェに行くことになった。

唯依のところはその後でも大丈夫だろ。


               ***




放課後、立花にカフェを案内するのに行きつけのカフェに訪れていた。放課後に女の子と一緒に来たのは初めてだったことから、いつも来ているカフェだけどなんだかドキドキする。



「テーブル席でいいか?」

中央のカウンター席の奥にいくつもテーブル席が並ぶ、窓際の硝子窓の側のテーブルに座る。カウンターではバリスタがサイフォンでコーヒーを淹れている姿を確認して立花の方をチラリと見ると、目を輝かせてバリスタの姿を目に焼き付けていた。




「なんだかいい雰囲気のカフェですね。バリスタもベストを着こなしてイケメンで格好いいですね。」とキャッキャははしゃいでる。


「掛かっている音楽も素敵ですね」


「そうか気に入ったみたいで良かった。心地の良い音色だよな」



「注文はどうする?」


「俺はもう決まっているけど」


「わたしはどうしようかなー。なににしていいか分からないです」


「よし、ここは看板娘にオススメを聞いてみようか。おーい!スタッフー!」


「えっ?!ちょっと店員さんをそんな呼び方したら......」



するとカウンターでバリスタにオーダーを告げていたウェイトレスが俺の呼びかけに気付きこちらにトタタタタ栗色の髪のツインテールを軽快に揺らしてと早足に歩いてきた。

ピンク色のリボンで結われているのがまだ似合う年頃なのか可愛いらしい。


「わぁーあたたがこのカフェの看板娘さんなんですね」


「はい。学校が終わってから手伝いをしているんです」


「萌夏は前マスターの孫娘なんだ」


香風 かふう萌夏 もかです。どうぞよろしく」とお婆ちゃんからのお下がりの淡い水色のバリスタベストとそれに似合う色合いのロングスカートをはためかせてお辞儀する。



「えらいですね。小学校が終わって手伝ってくれているの?」


「小学生じゃないよ!高校生!」と中学生にすら見られないなん



て...と小声の嘆きが聞こえてくる



「藤也さん珍しく彼女なんて連れてきて、彼女居ない歴も卒業ですか?」


「いやーどうかなー注文いい?」


「はいどうぞ」



フラットな感じでそう言うと俺は、「じゃあ、いつもので!」と言う。


「すいません、うちの喫茶では『じゃあ、いつもので』と言う商品は取り扱ってないんですが」と頭に?マークを浮かべたような困惑した顔で言う。


「そんな!?いつもはこれで通用するのに!カフェラテだよ」



「フン!彼女の前だからって格好付けないでください」


「ほらやっぱりさっきの怒ってたじゃないですか!?」


「いや、因みに言うと彼女じゃないんだけどさ。クラスの友達だよ」


と訂正するが、立花の方は彼女と思われていたことで頬ほのかに朱色染められて口元が緩んでいた。

こうして見ると澄んだ瞳と鼻筋の整った見事なまでの黄金比をしていて不意に見惚れてしまう。


「ところで、立花は何にする?」

ハッと意識を戻して見惚れていたことを悟られないように、立花の注文を訊く。

「私はコーヒーと牛乳を半々で割ったのがいいです」


「それなら、カフェオレですね」


萌夏がすぐ様説明を入れてくれる

「ところで萌夏ちゃんカフェラテとカフェオレはどう違うですか?」


「カフェオレはミルクとコーヒーを割ったものです。3:7の割合が一番理想と言われています」


「カフェラテは、エスプレッソとフォームドミルクを2:8で割ったものです」



「よく分からないですけどカフェオレとは違うんですね」




「あの、ほとんど同い年だから敬語じゃなくてタメ口でいいですよ」




「そ、そう?わかった!じゃあ、カフェラテとカフェオレの二点だね!」


「なんだか、学校終わった後のカフェに入るのってなんだか特別ですよね」


わたくし放課後にカフェ来るの初めてなんですよ」


「そうだよな。立花は、この前まで引き籠もっていたんだっけ?」



「はい。恥ずかしながらにあの頃は絶賛引きこもり中でしたから」


「でも、今は念願叶ってこうして友達とカフェに...」


「それはよかった」


そう、新鮮みを感じてか目を細めて笑う立花は本当に心の底から楽しそうだった。






その後、俺は、カフェラテを立花はカフェオレを飲んで談笑して時間は過ぎて


途中、立花がスマホで俺たちのツーショットをスクショしたりして放課後のコーヒーブレイクは、過ぎていった。



               ***


立花とのカフェを終えた後、俺はスリープマンションの208号室を訪れていた。

昼休みに唯依から貰ったMINEで相談事があると言っていたこと訊ねる。



「あのさ、話ってなんなんだ?」


「フン。どうせわたしの話なんてどうでもいいんでしょ」



「えっと、どうした?」

唯依のやつ拗ねてどうしたんだ?俺なにか機嫌を損ねることしたか?



「さっきは、立花さんとのカフェデートは楽しかった?」



「え?!なんで唯依が立花とカフェに行ったのを知っているんだ?」


それで機嫌が悪かったのか。いったいどうしたものかとポリポリと後ろ頭を掻く。



「これ。ツーショット写真なんて撮って鼻の下のばしちゃってだらしない」

唯依がスマホのtbitter《ツビッター》画面を見せてきて言う。そこには立花のアカウントでさっき、カフェで撮ったツーショット写真がツビートされていた。




「こ、これは」

立花の奴、あの時の写真はツビートする為に撮っていたのか。


しかも偶然にも、唯依に見つかってしまうなんてなんて不運なことか......



「藤也くんよかったね美少女と放課後デートできて」


と、唯依は絶対零度の冷気をまとってご立腹の様子デ言う。



「もう!デレデレして。藤也くんは藤也くんは今後、女の子とデートするの禁止ーダメ!絶対!」



「えーそんなー」

俺だって思春期の男子だ。俺も本命の女の子とデートの一つや二つしてっみたくて......

でもその夢は果たして叶うのだろうか。



「いや、でもあれは別にデレてないぞ!」



「ふん!どうだか」



「そんなに信じてくれないのならなら言うが、俺がデートしたいと思うのもお前だけなんだからな!今日行ったカフェデートはノーカンだ」


だから早く、引きこもりを治してくれよな。これ以上ガマンできそうにないから。




「っもう!すぐそんなことを言うんだから!バカ...」


そう唯依は照れてポカポカ攻撃してくるのだった。



あっ。相談事聞くの忘れてた。




-あとがき-

次回、イラスト勝負決着です。


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