第23話 いつか、君と…



遊園地休暇が終わった。唯依に遊園地でリモート実況をしてあげて離れていても一緒に楽しめて良かった。MINE《マイン》よりも唯依の顔を見て感想を聞きたいと思い、スリープマンションの208号室を訪れていた。インターホンを押し、「唯依ー。帰ったぞー」と


呼びかける。するとトトトトトと駆けてくる。「おかえり、藤也くん!遊園地はどうだった?楽しい話を聞かせて!」とキラキラした目を向けて言ってくる。陽キャラのオーラが陰キャラな俺には眩しい。



「お、おう。いいぞ」


そんな彼女が直視出来ないで視線を反らす。決して生地の薄い服装でバストに目がいったわけじゃない。


「なに視線を反らしてるの?」


「さてはエッチなこと考えてたんでしょっ!ダメなんだからね胸ばっかり見てたら!」


「まったくもう、変態なんだから!」


「違う、俺は変態じゃ無い!」

バレてたか。無意識のバストチェックは、男の性みたいなものだ。断じて変態とゆうわけではない!


「せっかくわたしもお洒落してるんだから、よく服装を見てよ!」とプンプンと書き文字が唯依の頭上に現れそううなほど、頬を膨らませて、不満を表してくる。




唯依に促されもう一度、マジマジと唯依服装を見る。彼女は淡いピンク色のワンピースに白いツバの広い帽子を被っていた。

ワンピースの色が派手な色合いでなく、ピンク色のところが、唯依の清楚感を際立たせてよく似合っていた。


「どう、可愛い?」と彼女はポーズを取って尋ねてくる。



「う、うん。可愛いんじゃないか?」


「なんで疑問系なの?」


「わかった!照れてるんでしょ、藤也くん。」



「て、照れてねえし!」


俺は、精一杯強がって言う。本当は凄い照れていたのだけど唯依に気付かれないようにと努める。

「あはは。照れてる人が言うことだ!」



そんな風に唯依は俺のことをからかってくる。くそう...バレてたか!からかい上手の柚木さんかよ。




「藤也くんも小説ばかり書いてないでリフレッシュできた?」


「お、おう...」


絶賛リフレッシュ中ですがなにか?


唯依の笑顔のほうが遊園地より10倍リフレッシュできるな。まあ、本人には言わないけど


なんとゆうか疲れなんか吹っ飛ばしてくれる魅惑なパワーを感じる。



そう言えば塚本先生も、面白い小説を書くには青春しろって言ってたっけ?とあの言葉を思い出す。


『面白い、小説を書きたかったら今を青春しろ!』か...


どこぞの青春マンガの主人公みたいなことを言って、夕日に向かって走れってか?




「唯依も今度、一緒に遊園地行こうな!」





やっぱり俺は汗まみれな暑苦しい青春よりも女の子達との甘酸っぱい青春のほうがいい!



「藤也くん、わたしは超が付くほどのH.Kだよ。そんなリア充が闊歩する人混みの中に行きたいと思う?断じて否!わたしは、断固拒絶する!」



「うーん、重度の引きこもりだな。これはリハビリが必要か。まずは、近場から慣れさせる必要があるな。」


唯依は基本マンションの部屋から外へは出たがらない。全ての生活を部屋の中だけで済ませているのだ。まあ、引きこもりだから当たり前だけど、もう少し外の世界に興味を持って欲しいと思う。


「え!?そこまでしてわたしを外へ連れ出したいの??」


「だって、舞依さんとの約束があるじゃないか。このまま日本を離れてイタリアに連れて行かれるなんて嫌だろ?」


半年以内に唯依を引きこもりから更生させて俺が小説家として一定の成果を出さないと唯依が舞依さんがイタリアに連れ戻しに来る。それだけはどうしても避けたい!



「うん、それは、困る。マンガやアニメとかの趣味を楽しみたいし、なにより仕事が出来ない。」



「そうだよな。それならやることは一つだろ。今度、恵や秋雫あきな先輩を誘って、外へ出てみないか?」



「えー、大丈夫かな?」



「大丈夫だって、見知った友達と一緒なら怖くないだろ。」




「ん...考えておく。」




「そうか、わかった。」



やっぱり乗り気じゃないよな。そうだよな引きこもりだしな....




「やっぱり、嫌だよな。」



「そ、そんな!嫌とかじゃないよ?」



「藤也くんが一緒なら、頑張って外へ出てみようかな。」


と唯依は頬を赤らめて言う。


それは、気恥ずかしさを感じているがこの人とならと安心しきった微笑みで、俺は不意に見せられた唯依の表情の可愛さに胸が高鳴る。瑠璃色の瞳はトロリと垂れ下がり優しさに満ちた表情を見せ何時もの怠惰な小悪魔的な笑みとはまた違う儚さを感じさせる可愛さがあった。



その華奢な身体を抱きしめたいとゆう欲求に駆られるが、そんなことをしたら出禁にされててしまうからここは理性を保ちグッと堪える。


そもそも、恋人関係でもない俺がそんあことをしたらセクハラになってしまいこんどこそ変質者になってしまう。


そう言えば唯依は防犯ブザーを携帯しているんだった。なにより、通報されたくない!



「わかった。まずは、簡単なことから始めよう。」


「そしていつか、二人っきりでデートしような。その時は俺、超ーエスコートするからさ!楽しみにしててな。」


俺は沸き立つデートプランを唯依に伝える。


「もう、バカ…」

唯依は顔を赤く染めてそっぽを向いてしまうのだった。


   ***



夜、自室でいつもの日課でWEB小説の更新をした。今回は皆で遊園地に遊びに行ったのをネタにして、【世界一可愛いお隣のヒキニート】遊園地回を更新させた。


お隣の引きこもりヒロインの結希ゆきと遊園地でリモートデートをするとゆうもので

マンションに引き籠もる彼女を楽しませるとゆう内容だった。



無事に更新を終わらせて、一件のメッセージが届いていたことに気付く。


そこには、俺の小説を絶賛する内容のファンメールと一緒に、イラストが添付されてその

美麗さに目を奪われる。そしてなにより驚かされたのが、メッセージの最後に記された一文に驚愕する。


『あなたの小説のイラストを担当させて下さい』とゆう文面が記されていて心底驚いた。                 











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