第21話【遊園地編3】 お化け屋敷

ナンパ男達からのハプニングから気をとり直してアトラクションを楽しむ俺達は遊園地を楽しむ。


ただ、涼風と恵の様子が可笑しい。さっきのナンパ男達から助けて貰った恵が変に意識してしまった感じだ。



俺はとゆうとスマホを取り出し唯依にも遊園地の楽しさをリモートで味わって貰おうと


遊園地の風景を映し出す。自分達だけ楽しむよりマンションの自室で引き籠もっている唯依にも遊園地の楽しさを味わって貰いたい。このことがきっかけで唯依が外の世界へと飛び出してくれればとゆう淡い期待を抱きながらスマホをMINE《マイン》のビデオ通話モードにして遊園地の敷地内で掲げる。

(いつか唯依を連れてこれてきて一緒に遊びたいな)



「あっ、藤也先輩。唯依先輩に見せてあげてるんですか?」



「そうだぞ。唯依に1人だけ自宅を警備するなんてつまらないだろうからな」


目の前で丁度、ユートピアワールドのマスコットキャラのユトピちゃんの着ぐるみが子ども達に風船をあげているところを映し出す。



こゆうのを見ると微笑ましく思う。


唯依にもこんな気持になってくれたらいいなと思いてスマホをかざす。



「こちら、藤也。警備隊の唯依隊員、聞こえていますか?」



「はい!こちら、自宅警備隊。聞こえていますし視界も良好であります!」


「それはよかった。」



「藤也くん!藤也くん!」



「ん?なんだい唯依隊員?」


「わたし、背筋がゾッとするのが見たい。ねえ、ちょっとそこに風船持って立っているマスコットキャラのユトピちゃんの頭を取ってみて!」


「なに言ってるんだ!そんな子供の夢を壊すことなんて出来るか!?」


着ぐるみの中身がむさいおっさんだった場合、子どもは泣くわもう辺りが凍り付いてしまうぞ!


もしかして俺が思い描く女の子像ってちょっと空想めいてるのかな?唯依に男の理想を求めることが、そもそも間違っていた。


「うん。ある意味、背筋がゾッとするな。って違う!」




「おい、唯依。正攻法で背筋を冷やさないか?」そこで俺が勧めたのが遊園地の大定番のアトラクションとなるお化け屋敷だった。




「なあ、皆!お化け屋敷に入らないか?唯依が入りたいってさ」



「うん、いいね。入ろう」涼風は快く同意してくれてOKしてくれた。さて、他のメンバーの反応は一体どうなのか?



「キャー怖ーい!お化け苦手ー。涼風せんぱーい、一緒に入りましょうー!」


「えー仕方ないなー僕のそばを離れないでね!」


「キャー頼もしいー。」ニヤリ。



この時、恵が、計画通りと一瞬のにやつきを俺はは見逃さなかった。





ここぞとばかりにあざとさを出していくとは。涼風なんて、お前のあざといテクによって完全に信じ切っているぞ。男をたらしこむ

このあざと可愛さは...


「恵お前ってやは......」

「えっ?なんですか??なに、わたしテリ〇マンじゃないですよ。」


「いや、別に〇肉マンネタを振ったわけじゃなかったんだが」



て言うかよく知ってたなこのネタ。ほんとにJKか?

よくも、そんな何十年も前の週刊少年ジャンピーのマンガを知っているとは。コイツやるな。


「なんだ?恵、ジャンピ派だった


のか?」




「実は子供の頃にお父さんが〇肉マンのアニメ見てるのを一緒になってっ見ていたんですよ。」



「なるほどな。恵のマンガの知識は父親の影響だったのか。」



そんなわけでお化け屋敷に皆で入ることになった。




お化け嫌いな涼風は、脅かしてくるお化けに「ギャー怖いーこっちこないでーわぁー!」と怯え、男らしくない姿を恵に見せてくる。



「大丈夫ですか?先輩。離れないでくさいね。わたしがついていますからね。」と女の子からリードされるヘタレ具合を見せてしてしまっていた。



秋雫あきな先輩、あれはいいのかな。立場が逆になっていますけど。」


あれじゃまるで、イケメンが恵で涼風がヒロインになってしまっているぞ!?

いいのか!男女逆転そいてるんだけど。


あれ?反応が無い。





「あの先輩?」



「フ、フン!こ。こんなの作り物なんだから怖くない。怖くないってたら怖くない...」


となにやらぶつぶつ念仏を唱えて恐怖にスゴイ耐えている。




先輩、本当は怖いんですね。


よし、ここわ男らしく秋雫先輩の手を優しく握り男らしさをアピールするところだ!


そうしたらきっと『きゃー藤也君男らしいのね。ステキー!』となるに違いない。そうしたら先輩は俺にメロメロだ!待っていろ!ピンク色のムフフ展開 になるに違いない!




「あ、あの先輩、そんなに怖いなら、手でも握りましょうか?」


と思いきって差し出した手を思いっきりつねってきた。


「ってギャー痛い痛い痛い!」


「怖いからって暴力にうったえないでください!」


「まったく下僕からの あわれみは受けないわ。」


「怖がっている私の手を握って女の子の感触を味わう気ね。あわよくば怖がって抱きついた私にラッキースケベを堪能しようって魂胆ね!」


「まったくこんな時でも性欲まみれだなんて藤也君のヘンタイさんには仕方ないわね。」



「そんなー、そこまでのことは考えていないですよー!」


いや、少しは『キャー怖ーい』『大丈夫だよ。俺が付いてるさ。ハハ!』的なことは期待していたんだけど、またしても思春期の男子の理想はことごとくずれ去るのだった。

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