第3話『早起き』
オレの朝は、いつも早い。
何せ、いつも3人分の弁当を作らないといけないからだ。自分の分と双子の妹の愛那と優奈分の3つ。今日はとある理由から1つ余計に作っていると......
「兄さん、愛那達の分のお弁当の他に誰のを作っているの?」
「まさか、兄さんに彼女がっ!」
一緒に弁当を作るのを手伝ってくれている愛那が素っ頓狂な声を上げて驚く。
艶やかな黒髪をサイドアップしてのツインテールに結わいている姿は女の子らしくて、とても可愛いらしい。
中学に行くときは、いつもこの髪型にセットしている。
自宅にいるときは、結びを解いてセミロングヘアーにしている。
それに加え明るい瑠璃色の瞳で
愛くるしさに比護欲を駆り立てらる。
思わず守ってあげたくなる気持ちにさせる。
制服はきっちり着こなして、スカートは規定通りに膝丈。
「いや、甲斐性なしの兄貴に彼女が出来るはずないでしょ!」
金髪ロングヘアー。地毛でなく染め上げている髪は生活指導の先生といつも指導の的になっている。明るい琥珀色の瞳
をしていて外見だけ見れば間違いなく美少女だ。
ただ、傲慢で蛾の強い勝気な性格がなければ、完璧な美少女なんだろう。
制服のスカートは膝丈から少し上げて短く裾上げして今どきの若い子の装いをしている。
食卓でベーコンエッグとトーストを食べながら言う。
「優奈、1人だけ優雅に朝飯食べて!愛那は手伝ってくれてるのに。」
中学3年(14歳)の双子の妹。
オレと同じタイミングで中2から都会の中学に編入してきた双子の妹達。毒舌担当の
優奈は子供の頃は、純新無垢で天使のような性格で愛那と揃って双子の天使と称されていたけど優奈は成長していくにつれ性格がキツくなっていった。
今ではすっかりツンツンした性格が定着している。普段は一丁前にお洒落して学校へ行くませた妹である。
愛那は気の利く良い子で
炊事や洗濯の家事を手伝ってくれるから、大いに助かっている。
優奈とは、違い天使っぷりは今も健在だ。
焼き鮭をグリルから2尾取り出してそれぞれ半分に切り分けて皆の弁当に入れながら応える。「今日は、鮭弁だぞ!」
サラダにレタスとパプリカ、プチトマトで彩りも完璧。
「フン!わたしだってやろうと思えば出来るもん!」
「ただ、面倒くさいだけで。」
「はいはい、出来ないんだよな。」
「もー、兄貴ムカつくー!」
と優奈は、頬を膨らませて怒るのだった。
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