五章2話 事情説明
目を覚ますと目の前にリサさんの寝顔があった。
「?!」
驚いて離れようとするがリサさんの腕ががっちりと私を抱え込んでいてできない。
私が動いたことでリサさんが起きる。
リサさんは私の顔を見てふわりと微笑んだ。
「おはようございます」
「あ、お、おはよう、ございます……」
普通におはようの挨拶をされて戸惑ってしまった。
あまりにも普通の様子なので昨日のあれは夢だったのだろうか?
いやでも夢だったらこの抱きしめられた状況は説明できない。
私の混乱を悟ったのかリサさんが申し訳なさそうに腕を離す。
「昨夜は無理矢理ごめんなさいね。あまりにも可愛らしかったものだから……」
「夢じゃなかったー!!」
「あら、あんなに可愛らしく鳴いてくれたのに夢だと思ってたの?」
「いやだって、私達女の子同士ですよ?!普通夢だと思いますよ!!」
「やっぱり女の子同士は普通じゃないわよね……」
そう言ってリサさんは悲しそうに目を伏せる。
「あ、いや……リサさんよりも私のほうが普通じゃなかったですね……」
なんたって私は人間じゃなくて吸血鬼なのだ。
今まで吸血衝動が無かったとはいえ、昨日突然吸血衝動がきてリサさんを襲ってしまった。
この世界の吸血鬼は吸血によって感染しないからいいものの承諾も無しに血を吸ってしまったのだ。
怒られても、罵られてもしょうがないことをしたと思っている。
リサさんは私の頬に手を触れて優しく撫でた。
「普通じゃないのはお互いさまね」
そう言って彼女は微笑んだ。
「でもなんでかしら。貴方に血を吸われている時はとても気持ちよくて、だから襲いたくなってしまったのよ?」
「あ、そう言えばそうでした……」
吸血の際にそんな副作用があることを伝える。
そう言えば両親は私に吸血鬼として肝心な話をほとんどしてくれなかったな……。
吸血の副作用については両親が教えてくれた数少ない吸血鬼の特徴だった。
リサさんの首筋を見れば小さな牙の跡が残っていて痛々しい。
申し訳ない気持ちになってしまった。
「あの、でも黙っていてごめんなさい!」
「いいのよ。私もいつか伝えなきゃと思っていたし、ちょうど良かったんだわ」
「怒らない、んですか?」
「どうして?私としてはこんなに可愛らしい女の子に襲ってもらえてうれしかったのよ?」
「でも、私は吸血鬼で……」
「……種族なんて、関係ないわ」
「でもきっとそのことで迷惑をかけます」
リサさんが良いと言っても吸血鬼なんて受け入れられるはずがないんだ。
この世界では吸血鬼は魔物のくくりになる。
つまり私は恐れられるべきモンスターなのだ。
迷惑をかけないわけがない。
「その時は一緒に逃げましょう?」
「?!」
リサさんは一瞬の迷いもなく言い切った。
「私はこの村でも変わり者だって知られているし未練は無いわ」
「で、でも……」
少しの思い出もないわけじゃないだろう。
「いいの、あなたと一緒にいれるほうが重要なの」
そう言ってリサさんは私の体の線をなぞるように手を動かした。
急な事に私はビクっと驚く。
「私を拒絶しないでくれる女の子のほうが大切なのよ」
そう言ったリサさんは少し寂しそうに目を伏せる。
きっとこの性癖のせいで嫌な思いもしてきたに違いない。
私はこうしていやらしく触られても嫌な気はしなかった。
どうやら私は女の子同士でもいけるらしい。
「リサさんは、それでいいんですね……?」
最悪吸血鬼のいる魔物の領域に逃げ込むことだってあるかもしれない。
人間の集落から離れることに本当になるかもしれない。
私の心配を他所にリサさんは頷いて応える。
「えぇ、それでも私はミリアちゃんと一緒にいたいわ」
その言葉に私は胸が温かくなるのを感じた。
◆◆◆
それからいつまでも寝ているわけにもいかないと二人して起き上がった私達は普通にリサさんが用意してくれた朝食をいただいている。
今日は白パンと昨日のシチューの残りだった。
「本当はミリアーナ・シュヴァルツ・エッセンディアっていうのが名前なの」
「あぁだから縮めてミリアなんですね」
「うん。だからこれからもミリアって呼んでくれると嬉しいな」
「いいですよ。ミリアちゃん」
そう言って頭を撫でられて受け入れて貰えたことが嬉しくなってしまう。
えへへ、と笑うとリサさんは何かを堪えるようにしていたが。
「じゃあ私は食材を買いに行ってきますね」
「手伝えなくてごめんね」
吸血鬼に日光は天敵だ。
今までは吸血鬼として覚醒していなかったから問題なく日中も行動できていたが、昨夜覚醒をしてしまったので通常の吸血鬼のデメリットが働くようになってしまったのだ。
だから私は日中外に出ることができない。
無理をすれば倒れて弱ってそのまま死んでしまうのだ。
「いいんですよ」
そう言ってリサさんは出て行ってしまった。
◆◆◆
「おはようございます」
「おぉ、リサちゃんじゃないかおはよう!」
ミリアちゃんを家に置いて私は朝市に来ていた。
この村の朝は一番市場が賑わう。
新鮮な果物やとれたての木の実、野菜などが店先に並ぶのだ。
賑わわないわけがない。
「そのお肉を一つくださいな」
「はいよ、いつも通りちょっとおまけしておくな!」
「まぁ、ありがとうございます」
私は他人が言うには美人だということでよくおまけをしてもらえる。
貰える物はもらえる主義なので遠慮なくいただいています。
そのまま野菜も手に入れて香辛料の屋台を見ていた時でした。
市場の中央を物々しい武装をした集団が横切ったのです。
集団は人を捕まえては何を聞いているようでこの小さな村ではとても目立ったいました。
関わりにならないように道の端に寄った私の耳に彼らの声が入ってきます。
「エッセンディアと名乗るヴァンパイアが潜伏している可能性がある。注意してくれ」
「どうやら彼らはヴァンパイアハンターみたいだな。銀の装飾をしている」
そう補足してくれたのは香辛料屋のおじさんでした。
私は彼らの視界に入らないように香辛料を少し購入して急いで家へ戻ることにする。
見つからないように少し遠回りをすることにした。
◆◆◆
リサさんが出かけてから一時間は過ぎた。
小さい村と言っていたのに時間がかかりすぎていると思う。
何かあったのではと心配になった私はそわそわと玄関の前を行ったり来たりする。
そこで目についたのは麦わら帽子と日傘だった。
意を決してそれを装着すると私は日光の元へ出る。
じりじりと日光が肌を焼くのを感じた。
じわりじわりと体力が削れていく。
どうやら麦わら帽子と日傘程度では日光の攻撃を防げないようだ。おのれ紫外線。
家から出て数歩でフラリと座り込んでしまう。
急速に弱った体が血を求めている。
まさかここまで日光に弱いとは思わなかった。
「ミリアちゃん?!」
そこで丁度リサさんが帰ってきてくれる。
リサさんは弱った私を見ると慌てて肩を貸して家へ連れ戻してくれた。
屋内に入るとようやく落ち着ける。
リサさんは荷物を置くと私を寝室へ連れて行き寝かせてくれた。
体調の方も少しづつ良くなっているように感じる。
しかし失った体力を求めるように喉の渇きが私を襲う。
「リサさ、ん……」
私がそう求めて呼ぶとリサさんは悟ったようで部屋のカーテンを閉め切ってから私の上に伸し掛かった。
「弱っているミリアちゃんも可愛いですよ」
そう言って私の服に手をかける。
「あっ」
ぷつりぷつりと優しくボタンが外されていく。
外気に触れた肌がぶるりと震えた。
体力が減っているせいかろくに抵抗することもできずにいる。
あ、これはそういう事をする流れだと悟った時にはブラを上にずらされていて、乳首に吸い付かれる。
「んぁ、あっ!」
さして大きくない胸をやわやわと揉みあげられてチュウと吸われた。
やっぱりリサさんの愛撫は気持ちいい。
起ちあがった乳首を舌でコロコロと転がされる。
「あ、ぁあ、ひん!」
片方の乳首を指でクニクニと愛撫されて、もう片方は舌で愛撫されるそんな状況に私は喘ぐしかできない。
気持ちよくて体がビクビクと動いてしまう。
その動きを封じるようにリサさんは体を絡めてきた。
「ふあぁ!なに、を……ひぁ?!」
体の動きを封じられての無理矢理感が快感を押し上げてくる。
感じたことの無い感覚に体が戸惑っているのを感じた。
ペロリとリサさんの唇が離れると彼女の唾液で濡れた胸が見えて淫らな気持ちが加速する。
「血が必要なのよね?でもごめんなさいね……先に、あなたをいただきたいの」
そう言ってリサさんは再び私の胸に顔を埋めた。
唾液を纏わせた舌で乳首をチュウチュウと舐める。
「ひゃっ……んぅ、あ、だめぇ!」
急にカリ、と甘噛みをされた。
先ほどまでの柔らかい刺激とは違った刺激が体を走り股間を刺激する。
股間が濡れているのを感じてもじもじと足を動かすが絡められた足によって動きを制限されてしまう。
「あむ……ふふ、気持ちいいでしょ?女の子同士だから気持ちいい所も分かるのよ?」
言うや彼女は自分の服も脱いで私の体の線を撫ぜると体を密着させてきた。
柔らかい胸の感触の中に固い乳首の存在があって、体が上下することでそれ同士が擦り合わさり快感を伝えてくる。
「あぁ?!やっ、これだめ、だめぇ!」
快感から逃げようとするも逃げられないように体を絡め捕られていてできない。
私の喘ぎ声に興奮したのか体の動きが早くなる。
「んふ、あっはぁ、ん……ふあぁ!」
「んきゃぁ!も、もうだめぇ!」
体が弓なりになりビクンビクンと体が震えた。
リサさんも私と一緒にイってしまったのか恍惚とした表情になっている。
彼女は暫くしてぐい、と首を差し出してきた。
甘い匂いにつられてそこに口を寄せる。
プツリと牙が肌を貫いた。
そこから溢れ出る甘い血液を求めていた体はそれを喜んで飲んだ。
「ん、ふぅん、あっ……あんっ」
やはり吸血行為は気持ちいいのかリサさんは甘く喘ぐ。
その声が耳に入ると体のスイッチが入ったのかお股がじわりと濡れるのを感じる。
血の流出を止めるため傷跡をぺろりと舐めると一段とリサさんの体が震えた。
「はぁ……はぁ……」
「ごめんなさい……」
なんか申し訳なくなって謝ってしまう。
「いいのよ。気持ちいいもの」
そう言ってリサさんは唇を合わせる。
優しく何度も角度を変えて啄ばむ様に唇を食べられた。
応えるように唇を開けるとそこから舌が侵入して来て舌を絡めとる。
ビクンと柔い刺激に体が反応した。
その間にリサさんは私のスカートに手をかけて脱がせる。
「ちゅぱ……ん、ちゅう……」
「あふ、ふぁ……あん……あぁっ」
まるで夢中になって舌を吸われて息が苦しくなった。
でも辛くなくて、はぁはぁと小刻みに息を整えていると残されたショーツに手を入れられる。
すでに濡れていたそこはリサさんの指によって上下に擦られてくちゅくちゅと水音を鳴らす。
その指がたびたび秘豆に愛液を塗りつけるように擦りつけられて、先ほどの比じゃない快楽が私の体を走った。
私の意志に関係なくビクンビクンと体が震える。
「あ、あ、あぁ」
先ほどよりも切羽詰まった感じで甘い声が口から出てきた。
息も荒くなって、体が感じるのを止められない。
アソコにニュルリと指が挿入される。
それは愛液によって潤滑に抜き差しされてグチュグチュと淫らな音をさせた。
「ミリアちゃんのいい所はここよね?」
そう言って昨日責められた所を重点的に責められる。
「あぁ、やだ、きもち、それ、きもちいぃのぉ!」
視界が真っ白になった。
気持ちよすぎて息が続かず肩で息をしている。
指を引き抜くとリサさんは私に馬乗りになった状態のままアソコに顔を近づけた。
「え?!」
驚く間もなく彼女の舌が私の中に入ってくる。
ジュルリと愛液を吸い上げられて体がビクンとなった。
彼女は責める手を止めずに私の中を舌で蹂躙する。
「あぁん!やぁ、ぁ、あ!」
気持ちよくてまたイってしいまいそうだ。
そこで私は彼女のアソコが丸見えになっていることに気が付いた。
彼女のアソコもテラテラと愛液に濡れている。
私とのエッチで感じてくれているのかと思うと嬉しくなった。
息も絶え絶えに私は彼女の腰を掴んでアソコに舌を這わせる。
「え、ちょっと、私はいいのよ?!きゃ、ん!」
リサさんは驚きながらも気持ちがいいのか嬌声をあげた。
ぺちゃぺちゃと愛液を舐めとるように何度も何度も舌を往復させる。
彼女の愛液はまるで彼女の血のように甘くてドロリと舌を痺れさせた。
そのたびに彼女の腰がびくりと逃げようとするが捕らえて逃がさない。
「あ、ふあぁん!だめ、それ、きもちいい!」
「あふ、ぺちゃ、じゅる……んぁ!ん!ふぁあ!」
お互いに気持ちがいい所を舐め合って気持ちが高まっていく。
カクンカクンと気持ちが良くて腰が動いた。
「あぁ、もう、だめぇ!イッちゃう、イっちゃうからぁ!」
「あ、あ、あぁ、わた、し、私も!イっちゃうぅう!!」
じゅるる!と愛液を吸い取る。
示し合わせたわけでもないのに同時にイってしまった。
快感に体が痙攣する。
「あぁ、イかされ、ちゃったぁ……」
「はぁ、はぁ……ふにゅ……」
肩で息をしていると段々眠くなってきた。
「お昼寝しましょう、ね?」
そう言われて頭を撫でられる。
「ずっと、一緒に……いてくれる?」
「えぇ、もちろんよ」
誘われるように私は睡魔に身を任せるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます