四章3話 キスのその先へ
おっきな屋敷へ帰ってくると先ほどと同じようにヤンさんの執務室に通されて、ソファに座るよう言われたのでソファに座る。
「……で、どんな条件が必要だったんだ?」
「えっと……その……」
女の子とエロイことするのが発動条件だなんて言えない。なんて拷問。
そう考えて言い淀んでいるとシトラスちゃんが
「それが、私とキスをすることで発動するみたいです」
と言ってしまった。
「は?!キス?!マジなのか?」
「う……マジです……」
本当はエロイこと全般になるけど言えるわけがない。
「俺でさえまだシトラスとキスしたことないのに!!」
「は?」
心底悔しそうに言われて私は固まった。
もしやヤンさんはシトラスちゃん狙いなのか。
「あ、いや、なんでもない。なんでもないぞ」
慌てて否定するが顔が赤くなっている。
初心かよ。
呆れた私の視線にムッとした表情になった。
「そ、それはシトラスじゃないとダメなのか?」
「ヤンさんだと駄目なのは確実ですね」
そう言うとヤンさんは目に見えて落ち込んでため息を吐いた。
だって女の子にエロイことしないとゲージが貯まらないからしょうがない。
今さら他の女の子にエロイことしろと言われてもキスすらできそうになかった。
シトラスちゃんだからこそ手を出せる。
私の意識がそんな感じになっちゃっている。
「……さっきの雷を見ても危ない魔法だというのはよく分かった。今後は不用意に使ったりするなよ?」
シトラスちゃんに手出しをするなと言外に言われた。
そこまでしてシトラスちゃんとイチャイチャしたいのかこの人は。
まぁ私から進んでエロイことするつもりも無いので頷いておく。
そうしたら元の仕事に戻っていいとのことだったのでシトラスちゃんと二人で買い出しに行っていたことを思い出す。
荷物は屋敷に戻ってきた時に厨房に置いてきたのでそれを片付ける作業が残っている。
ヤンさんに一言言って部屋から下がらせてもらう。
その間シトラスちゃんはあまり喋らなくて表情も笑顔のままなので何を考えているのかわからなかった。
二人で荷物を片付けて、料理は調理人がいるのでその人達に任せる。
他に頼まれていた物資を他の使用人の人達に渡したりしてその日の仕事は終わりだった。
与えられた自室で倒れるようにベッドにダイブする。
メイド服を脱いだり風呂に入ったりしないといけないが今日一日で色んなことがおこり過ぎた。
死んだと思ったら異世界だったり、家政婦になったり、シトラスちゃんが襲われたり、ヤンさんがライバルだったり……
正直もう何も考えたくないと私は重力に抗うことを止めて瞼を閉じる。
しゅるり、しゅるりと布の擦れる音がした。
ひやりと肌に当たる風に意識が覚醒する。
ゆっくりと目を開けると薄暗い部屋の中で誰かがいることがわかった。
「え?」
その誰かは私の服に手をかけている。
「大きな声を出さないで、モモさん」
「し、シトラスちゃん……?!」
不法侵入者の正体はシトラスちゃんだった。
首元のタイが外され喉がスーッとする。
「ご飯もお風呂も行かないで寝てるなんて悪い子ですねぇ」
そう言って彼女は私のメイド服のボタンを一つずつ外していく。
「え、あ、あの、シトラスちゃん?」
上着を脱がされシャツのボタンを外されて、どんどん身に着けているものが無くなっていった。
何が起きているのか分からず問いを返す。
ついに下着だけになった時、シトラスちゃんは動きを止めた。
「……モモさん」
「な、何?っ!」
唐突に口付けられる。
驚いている視界の端でHPゲージが上がっていくのが見えた。
私からじゃなくても増えるのか!!
柔らかい唇の感触、薄く開けた唇から柔い舌が口内に侵入してくる。
「んぁ……ふ、ぅんん……」
ぬるりぬるりと舌が絡めとられて不思議な感覚が体に広がった。
段々と体の内から熱くなるような感覚だ。
不意にシトラスちゃんの手が胸に触れた。
小さすぎず大きくないそれをシトラスちゃんの白い指がやわやわと揉みしだく。
何が起きているのか理解しようとして出来ない。
体がピクリピクリと小さく跳ねる。
ブラがずり降ろされて胸が外気に触れた。
「っ!」
ヒヤリと冷たい外気が胸を撫ぜるが体の内からの熱ですぐに暑くなっていく。
胸の頂き、乳首をクリクリといじられる。
そのたびにビリビリと弱い電流が走るような感覚が起きた。
これは、感じているんだろうか……?
「ん、ぷぁ……ふふ、モモさぁん……」
ようやく唇が離れたと思ったら甘えるような声音で名前を呼ばれる。
一体どうしたんだろう。
「シトラスちゃん……?」
それまでクリクリといじっていた手を止めてチュウと乳首に吸い付いて来た。
今までの比じゃないくらいの快感にビクリと体が揺れる。
「あ、あぁ!ん、やぁ……!」
口から私のものじゃないような甘い声が零れた。
シトラスちゃんはチュウチュウと乳首を吸って、空いた片方の乳首をクリクリといじってくる。
初めての感覚に体がビクンビクンと揺れるがシトラスちゃんは止めてくれない。
「っ、あぁん、あ、あ、っん!」
「んふふ、かぁわいい」
昼間のシトラスちゃんとは違った妖艶な笑みを浮かべてそう言った。
ぺろりと優しく舐め上げられるのも気持ちよくておかしくなりそうだ。
すい、と片手が下に降りていく。
「あっ駄目っ」
シトラスちゃんの白くて細い指がショーツの上から秘裂をなぞる。
何度も、何度もそうされると弱い快感にじわりと股の間が湿っていくのが分かった。
クチュクチュと粘質な音が聞こえ始めてカァっと頬が暑くなる。
「やぁ……やめて、シトラスちゃん……」
「嫌です。出会った時からずっと……こうしたかったんです……」
きっぱりと断られた。
するりとショーツを脱がされる。
しっとりと濡れたアソコにシトラスちゃんの指が触れた。
「ひゃっあ、あっ……!」
ゆっくりゆっくりと指が中に入ってくる。
初めての行為なのに聞いていたほど痛くなかった。
自分と同じ女性に膣内を暴かれる恥ずかしさに顔がさらに暑くなる。
ぬぷ、ぬぷと音がするくらいの速さでシトラスちゃんのか細い指が内壁を擦る様に抜き差しされた。
そのたびに体をビリビリと弱い電流が走りびくびくと震えてしまう。
「痛くないですか?じゃあもっと速くしますね」
「ひぃ、やめ、あぁ!んあぁっ!」
痛みが無くて、逆に快感でおかしくなりそうだった所で更に出し入れのスピードがあがる。
いつの間にか指の本数が増やされ擦れる場所が増えて気持ちよさが増えた。
「ま、まって!やぁ!あっんっふぇええ……!」
「待ちません。可愛いですよ。すごく。もっと、もっと感じてください」
シトラスちゃんは私が何度も止めてと言っても止まってくれない。
逆に動きが変則的になって私を追い詰める。
シトラスちゃんの指が気持ちいい所に当たるたびビクンビクンと跳ねて、体の自由がきかない。
次第に視界がチカチカと明滅してきた。
あ、これは本当にヤバイと思いながらもその場から逃げ出す事はできなくて。
「キュウキュウ締め付けてくる……いっちゃいそうですか?いいですよ、イっちゃってください」
更に指の動きが激しくなる。
ぐちょぐちょと私の中がかき回されて、視界が真っ白になった。
「あぁあああ!」
快感に体がピンと伸びる。
あぁこれが絶頂かと真っ白な頭の隅で思った。
にゅるりと指が引き抜かれる。
気が付くとシトラスちゃんも服を脱いでいて、外気に晒されたアソコが濡れているのが見えた。
「うふふ、モモさんが可愛くてこんなに濡れちゃった……」
そう言いながらシトラスちゃんは私の足を捕まえて開かせる。
「ひゃ、な、何……で、わた、私もう……イっちゃってる、のに」
何をするのかわからなくて怖くなった私は息も絶え絶えに言った。
それには答えずにシトラスちゃんはぐちょぐちょになった私のアソコと自分のアソコを擦り合わせる。
するとさらに激しい快感が体を襲った。
ぬるぬるした愛液を潤滑剤にして固くなった秘豆同士が擦れあう。
「あっ!やだ、それ、やぁ!」
「ん、ふっ……はぁ、きもち、いいです……あっ」
まだ前の絶頂の余韻が無くなっていないのに責め立てられて、すぐに絶頂しそうになる。
初めてなのにこんなにされて、頭がもうなにも考えられなくなってきた。
「んやぁ、だめぇえっ……あぁ、あああ」
言葉では否定していても、もっと気持ちよくなりたくて勝手に腰が動く。
「いいですよ、何度でもイってください!あぁ、私もっイきそうです!」
ぐちょぐちょとお互いの愛液が混ざりあいいやらしい音を立てる。
もう限界だった。
「い、くぅううううっ!」
「あぁああ!」
◆◆◆
事後、ぐったりとした私はシトラスちゃんに介護されるままお風呂に入っていた。
「つまりは、その……キスされるのは嫌じゃなかったと?」
何度も謝ってから口づけたから嫌われているんじゃないかと心配していたが実はウェルカムな状態だったとシトラスちゃんは言う。
「むしろモモさんからキスしてくれて嬉しかったですよ。私、可愛い人が好きなんです」
つまり私はシトラスちゃんの中でドンピシャに可愛い人だったらしい。
しかもキスをしてきたからこれはいけると思われた結果が夜這いだったと。
私は自分の事をノーマルだと思っていたけど、襲われている最中拒絶したくなるほど嫌じゃなかったから実はノーマルじゃなかったのかもしれない。
暇神はそれを見越してこんなチートスキルを与えたのかも……
なんとHPはLv10まで貯まっている。
「ビックリしたし……ヤンさんにシトラスちゃんとの接触禁止令まで出されちゃってたのに、明日どうしよ……」
あのシトラスちゃん狙いにこの関係がバレないわけがない。
いっそ雲隠れすべきかと悩んでいるとシトラスちゃんが良い笑顔で
「若のことは気にしなくていいですよ。いつもあんな感じなので」
と言った。
それはシトラスちゃんに虫がつかないようにしているだけでは、と思ったが口に出さないでおく。
「明日は朝から忙しいですよー。洗濯したりとー」
「洗濯かぁ……それは忙しそう」
馬車なんて使う世界に洗濯機なんてあるわけないから全て手で洗うのだろう。
その水だって水場でポンプ式の汲み上げ機を手で動かすのだ。
しかもそのあと干す作業もある。
しかもしかも作業は洗濯だけじゃないのだ。
明日の分の食材の買い出しや屋敷の掃除をしなくてはいけない。
その工程を考えただけでどっと疲れがやってくる。
お風呂から上がるとシトラスちゃんは部屋まで送ってくれた。
「ちゃんと内側から鍵をかけて寝てくださいね?」
「わかったよ」
むしろ鍵があることを知らなかった。
ありがたく鍵をかけて私はシーツの取り換えられたベッドにダイブする。
そのシーツも明日洗うんだろうなぁと考えながら私は眠りについた。
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