三章2話 責任はとります



少しほこりっぽいソファで目が覚めた時、最初に思ったのは「やってしまった……」だった。


ちらりとベッドの方を見るとまだ目覚めていないらしく少しホッとする。


昨日割ってしまったフラスコの破片を注意して片づけて、床をピカピカに拭いて後もないくらい綺麗にしてやった。


本当に機器に触れないように注意をして掃除をする。


台所の片づけを始めて暫くした頃に「ぴにゃ?!」と驚く声が聞こえたのでロフトの方へ向かう。


そこにはシーツを体に巻き付けたミノムシがいた。


「……あの」


「ふにゃぁあぁあ……」


声を掛けると気の抜けたような声が返ってくる。


ミノから顔すら出してくれない。


「あの、本当にすみませんでした。責任は取ります」


「責任?!いいいいいいですうううう!!」


ガバリとミノを取り去った彼女がぷるぷるとしながら棒立ちになって私を見降ろした。


「き、昨日のあれは私の作ってた薬が原因なのです!なので気にしないでいいのです!むしろ忘れて欲しいのです!!」


「そんな!忘れるとか無理だよ!!」


あんなに可愛らしい姿を忘れるなんてできるわけがない。


私の腕の中で可愛らしく鳴く姿を忘れろなんて無理がある。


「なんでもするから!こきつかってくれていいから!」


「じゃ、じゃあ裏庭にあるシリルハーブの実を取ってきて欲しいのだけど……わかります?」


「わかる。大丈夫だ」


シリルハーブとは葉の部分がよく料理の味付けなどに使われるため知っている。


が、実がどんな効能を持っているのかは知らない。


とりあえず裏口から外に出るとこじんまりとした薬草園があった。


恐らく代々手入れをしてきたんだろう。私ですら知っているとても稀少な薬草などもある。


その中から私はシリルハーブを探して実をもぎ取った。


赤くトマトのような光沢を持った実で、そのままでも食べられそうな印象だ。


それを持って中に戻ると彼女はすでに魔女服に着替えて機材をいじっていた。


「持ってきたけどこれで良かったかな?」


「そそそそそう!それ!」


声をかけるとビクッと体を揺らして答える。


私の手から実を受け取る時も少しビクビクしていた。


彼女は赤いシリルハーブの実を刻んですり鉢でさらに細かくすりつぶす。


この時点で甘い匂いがしている。


そのすり潰したものに乾燥させた薬草の粉末らしいものを何種類か加えてさらに混ぜ合わせると色が赤色から段々と薄緑色に変化して行った。


「あ、あああんまり見ないで……緊張して、間違えそう……」


「あぁごめん、調合なんて普段見ないものだからつい」


どうやら凝視しすぎたらしい。


見れば彼女の長耳が先まで真っ赤になってしまっている。


薄緑色になった液体をさらに別の器具に移してろ過されたものが別のフラスコに溜まっていく。


普段見たことの無い調合というものに興味がわいてきた。


フラスコに溜まった液体の色は緑色に凝縮されている。


彼女はそれをフラスコから直接飲んだ。




「え?!飲むの?!」




いきなりの出来事に驚いて聞いてしまった。


「ごほっ……飲むために作ったんですから当たり前です」


「ち、ちなみにどんな効果が?」


「体力回復に痛み軽減……昨日あんなに激しく抱かれたから、体が痛くてしょうがないのです」


「うわぁあああごめんんんん!!!」


思わずその場で土下座する。


いくら惚れ薬の効果でムラムラしたからってやり過ぎたのは自覚していた。


それの結果をこう見せられると反省と謝罪しかできない。


「そう何度も謝らなくていいのですよ、薬のせいなんですから」


「それでも手を出したのは事実だ!責任を取って君の面倒を見させてもらう!!」


「帰って!別に責任なんて取らなくていいから帰ってください!」


いつまでも人間と一緒にいたくないと彼女は言う。


なぜそこまで人間を拒絶するのだろう。


今回の事だけでここまで拒絶するのはおかしい。


「……私は帰らないよ。まだしばらく君といる」


まだ汚い部屋を片づけてないからだ。


「迷惑よ。帰って」


「嫌だ。ちなみに朝ごはんはトースト派?ごはん派?」


「頼むから帰ってちょうだい。ちなみに私はトースト派」


これ以上人間と一緒に居たくない。そう言って彼女は家の奥の方、まだ片づけていない工房の方へ逃げて行ってしまった。


ため息をついた私は、せっかく聞き出せたのでキッチンでトースト系の朝食を用意することにする。


パンがあったのでスライスしてトースターにセットして、冷蔵庫らしい棚からソーセージをいくつかと卵を拝借した。


フライパンでソーセージを焼いた後に溶いた卵でスクランブルエッグ風にする。


それらを昨日綺麗にしたテーブルの上に置いた。


「魔女ちゃん朝ごはんだよー」


「魔女ちゃんって呼ぶなです!私の名前はヒナよ!」


返事はすぐに返ってくる。


彼女はどすどすと音をさせてこちらへ戻ってきてソファに座った。


「あぁ、自己紹介もまだだったね。私はレイ。レイ・ルルナ・フェルチーレだ。よろしくヒナ」


「よよよよろしくしないから覚えなくていいわ!」


「そう?まぁいいから朝ごはん召し上がれ」


そう言って私は自分の分の朝ごはんに手をつける。


それを見ていた彼女、ヒナも恐る恐ると言った感じでご飯を食べ始めた。


まるで警戒している猫みたいで可愛らしい。


「おいしい!これおいしい!」


「普通に作っただけなんだけどなぁ……今なら三食作りますし家事もします。お買い得ですよ?」


「うぐぐ……」


「今ならなんと三日間のお試し期間つき」


「それだ!!」


某セールス番組のように自分を売り込んでみたらうまく釣れたでござる。


それだ!と目をキラキラさせて言い放つ彼女は可愛らしくて写真に収めたいほどだ。


まぁこっちの世界にはカメラがないんですけどね!!


「みみみみ三日間だけ家にいてもいいわ!」


「了解。じゃあ三日間だけよろしくだ」




それから彼女の指示に従って機材の移動や清掃を行い、洗濯物は全部外に干し終えた。


ログハウスと言っても魔女の家といった感じで中はそれほど狭くは無かったな。


恐らく拡張系の魔法がかかっているんだろう。


だからあんなに散らかしても最低限の足の踏み場は残っていた。


中に戻ると何かの研究書と睨めっこをしていたので私は食材の買い出しに出ることにする。


「ちょっと買い物に行ってくるよ」


「わかった」




彼女に一声かけて私は街へ戻った。




◆◆◆




買い出しの前に冒険者ギルドに寄る。


受付に一言伝えればギルド長の部屋に通された。


「彼女は何もしていませんでしたよ。むしろ貴族の方が彼女に手をだしている」


開口一番にそう言えばギルド長も頷く。


「聞き取り調査でもそういう結果がでている。ただ、魔女が貴族の頬を叩いたと証言している人間が何人もいた」


「そこなんですよね……彼女はいきなり求婚をされてパニックになって頬を叩いて逃げたらしいです」


「求婚だぁ?あのクソ御曹司何人目だよ……」


そう、ヒナに求婚した貴族はすでに結婚している。


貴族だから一夫多妻なんて制度はこの国には無いけれど、それでも愛人を囲う貴族はいた。


これは両者同意の上での行為なので違法にはならない。


だから囲うつもりで声をかけたんだろう。


「ですから僕は彼女を殺しませんし殺させるつもりもありません。契約は破棄させていただきますね」


「あぁ、違約金はいらんぞ。奴の親父の方に言っておくからな」


「ありがとうございます」


そう言って私は眼の前で契約書を真っ二つに引き裂いて捨てた。


たしかにヒナは可愛い。


だが、手に入らないからと言って殺そうとするのはおかしい。


少しだけ怒りを抑えられなかった。


「それでは失礼しますね」


「あぁ、今回は悪かったな」


「いえ、いい出会いもできたので」


「そうか」


私は速足にギルドをあとにする。




たしか砂糖とミルクが無いんだったな。


と昨日の会話を思い出しながら買い出しのメニューを考える。


今日は寒くなりそうなのでビーフシチューでもいいかもしれない。


そんなことを考えながら私は買い出しをするのだった。






◆◆◆






「戻ったよ」


「おおおおかえりなさい!」


声を掛けるとビクッと肩を震わせて返事をくれた。


何かを調合していたのかフラスコの中身がぐつぐつと煮えている。


私はキッチンに行き買ってきたものを仕舞いながら彼女の様子を観察した。


真剣な表情で何を作っているのだろう?


ふとコーヒーカップが置かれているのに気が付いた。


しかも中身が全然減っていない。


そういえば喉が渇いている気がする。


「これ、一口貰うね」


「あ、それは……!」


もったいない精神が出た私はそれを口に含んだ瞬間自分の軽率な行動に後悔する。


予想していたコーヒーの味ではなく何かをごちゃまぜにしたようなマズさに驚きながらもそれを飲み込んでしまったのだ。


「げほっこ、これは……一体、ごほっ」


咳が出て止まらない、体が痛む。慌てて差し出された水を飲み口の中の味をリセットしたが体の痛みは消えなかった。


「ご、ごめんなさい!ビーカーが見当たらなくて適当な入れ物に入れちゃって……」


「な、なにが入ってたの?」


「……配合途中だったから、わかんないです……」


「またか」


この会話の最中も体の痛みはおさまらない。


「うぅ……」


痛みが熱を持ち始めたと思った時、私はそれに気がついた。


熱が下半身に集中している。


見たことも体験したこともない未知の物体が股の間に存在していた。


ものの見事にテントを張っている。


「ひぇっ」


私の視線でヒナもそれに気が付いたのか驚いて跳び上がった。


どくんどくんと脈打つそれは完全に男根だ。


私はヒナがにげないように腕を使って抱き込んだ。


「ひゃう?!」


「変な効果の出る薬ばかり作るね君は……」


「わわわわわざとじゃないですのよ?!」


薬のせいか、あわあわと混乱しているヒナを見ていると可愛さに興奮する。


「う、く……結構痛いなこれ……」


男の人はヤる時これに耐えてるなんてすごいな。


「いいいい痛い?!大丈夫?!ど、どうすれば?!」


ふと悪戯心が芽生えた。


ズボンのチャックを下ろして中身を露出させる。


完全に起っているそれを見てヒナが一瞬逃げ腰になった。


まぁ逃がさないんですけどね。


「……触ってくれないか?」


「ひょぇえ?!」


耳元で囁くように言えば驚きの声が上がる。


こうなってしまった責任を感じているのか、何度も思案した結果か、恐る恐るといった感じで触れてきた。


ヒナの小さな手が当たるだけで気持ちいい。


「お願い、こう、擦って?」


「ん、こう、ですか?」


両手で優しく包み込むように男根を擦られて余りの気持ちよさに視界がチカチカする。


私って早漏なんだろうか?それとも薬の効果で感じやすくなってるんだろうか。


「あ、あぁ、ん、くぅ……!」


「気持ちいい、ですか?」


気持ち善がっている様を見て面白くなったのか動きに緩急をつけたりしてきた。


「あ、ひゃんん……君、こういう時に限って意地悪、しないでよ!ああぁ!!」


初めての体験に我慢なんて出来るはずもなく私はイってしまった。


ぴゅ、ぴゅうと男根の先から出たナニかがヒナの手を汚す。


その様を見ただけでまた興奮する。


「はぁはぁ……」


「一回抜いただけじゃ駄目、ですか……?」


そう聞いてくるヒナに私は頷いた。


息を整えるついでにハンカチでヒナの手を綺麗にしてあげる。


そしてヒナを抱っこしてベッドまで運んだ。


優しく下ろしてあげたがヒナ的にこれ以上はアウトなのか慌てていた。


「だ、だめです!だめです!!」


「ヒナ……お願い」


ぷちぷちとヒナの服のボタンを外して服をはぎ取っていく。


背中のホックを外せばヒナの控えめな胸が外気に触れる。


フルリと一瞬震えたのは寒さのせいかそれとも布の擦れる感触に感じたからか。


「あ、いやぁ……だめですってばぁ!」


「美味しそう……はむ」


ぱくりとヒナの胸に吸い付いた。


「あぁん!」


可愛らしい声が聴きたくて乳首をぺろぺろしたり舌で転がしたりする。


ビクンビクンと反応しながらヒナの手が私の頭を掴んで遠さげようとしてきた。


抵抗できないようにその手を拘束して今度は下のショーツに手をかける。


「あ、あ、んぁ、にゃぁああー……」


なんだ今の可愛い声。


下もすでにとろとろに蜜が溢れていてすんなりと指一本が中に入った。


ぐちょぐちょと中のイイ所を責めれば涙目になって体を揺らす。


「んあぁああ!」


我慢できなかったのかビクリと背を仰け反らせてイった。


はぁはぁと息を整えようとしている状態のヒナの中にさらに指を二本追加する。


さすがに圧迫感があるのか苦しそうに息を吐いた。


「や、だめ、イ、ってる!イってるのにぃい!!」


今度は指三本で不規則に中を蹂躙する。


可愛らしい声がもっと聴きたくてもっと指を抜き差しした。


強い快感にヒナはビクビクと体を揺らして首を振って快感を逃がそうとしている。


「いや、いやぁ!また、い、っちゃ!イっちゃう!あ、あ、あああああ!!」


クタリとベッドの上に体を預ける姿も可愛らしい。


私はヒナの秘裂を指で広げて膣口に男根の先をつけた。


ビクリとヒナが反応する。


「やだ!むりむりむりです!!」


「大丈夫……優しくするから、多分」


「多分って言いましたぁあああ?!」


ずちゅん!と一気に根元まで挿入する。


こういうのは一気にやったほうが痛みが短いって聞くし。


奥まで満たされた状態、圧迫感にヒナは苦しそうにハクハクと口を動かしている。


少しづつ動かすのが良いと聞くが、膣内がこんなに気持ちいいと早く動かしたくてしょうがない。


「あ、あぅう……」


「ごめんね、ヒナ」


ずるるとゆっくり抜いて行くと膣内で擦れて快感が襲ってきた。


「やばい、ヒナの中が気持ちよすぎて、つらい……!」


「へ?あ、ああああん?!」


ヒナの愛液が潤滑油となってぬるぬると出し入れする。


だが理性が保てたのはたったの数回ほどで気持ちよさを求めるように激しくヒナの奥を叩いた。


「ひぁ、あ、ん、ん、ふぁあ!」


こつこつといいところに当たるのかヒナも涙を流しながら嬌声を上げる。


「ん、く……イ、く……!!」


「やあ、だめ、だめぇ!またイッちゃうのぉお!」


お互い抱きしめあうようにして私は必死に腰を振ってヒナもそれに応えくれて、こうして私は初めて男としてイった。






これはあとから気付いたが中出しだった。








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