二章7話 卒業試験


ついに卒業試験の日がやってきた。


卒業試験と言っても筆記試験はもうすでに通過していて、残りは魔力操作の試験だけだ。


私とって魔力操作ができないことが唯一の汚点だったので、卒業は無理だと言われていた。


だが今は違う。


ルビィのおかげで魔力の操作を覚えた私は卒業確実だろうと言われている。


現にあれほど苦しかったフレアウォールの発動も簡単にできるようになったし。


今は試験の順番待ちだ。


この試験の結果次第では適職案内も受けられる。


できれば家に帰りたいとも思うけどルビィと一緒にはきついよなぁ。


魔族の街で就職するのが一番なんだろうけどルビィと一緒に働けそうな所ってどこだろうなぁ。


「次、ティオ・チェスター!入りなさい」


「はい!」


副校長の声に呼ばれて私は待機室から訓練場へでる。


この際使い魔の同行は認められていない。


「どんなに小さなことでもいいわ。この三年で貴方が学んだものを見せて頂戴」


そう言われて私は手のひらに小さな炎の塊を作り出す。


温かい力の流れが塊の周りを回り始めた辺りで上空に飛ばした。


パァンと音を立てて弾けたそれはこっちの世界では見たことのない花火だ。


きらきらと光が落ちてくる。


ぱちぱちと副校長の拍手が聞こえた。


「やっぱり貴方『も』転生者だったのね」


じゃなきゃ花火なんて作り出せないもの、と副校長は言う。


「も?ってことは副校長先生もなんですか?」


私の問に頷いて答えてくれる。


「魔力の試験は合格です。貴方には今二つの道が用意されているわ」




一つ、副校長の助手として学校に残る。


二つ、使い魔契約を解除して人間側に戻る。




「え」


使い魔契約を解除する?


「なんで、ルビィと一緒じゃ駄目なんですか?!」


「使い魔契約は学校にいる間だけなのよ。そういう契約で呼び出しているの」


ここで私は契約書をきちんと読んでおかなかったことを後悔した。


ずっと一緒にいれると思っていたのだ。


「ルビィと一緒にいたいのなら私の助手をしてもらうことになるわね」


「助手、ですか?」


「そう、見たでしょあの書類の山。あれのお手伝い」


ふと思い出したのは副校長室で見た書類の山だ。


あれを一人で処理しているんだろうか。


「って私に書類の整理なんてできませんよ?!」


「あら、優秀な成績を修めているって聞いてるわよ?」


「うぐぐ」


私には選択肢が残されていない気がする。




そして私は……






◆◆◆






「お、遅かったじゃねぇか。試験どうだった?」


「ばっちり!」


そう言って待っていたルビィは飛びついた私を抱き留めてくれる。


「ルビィ、お願いがあるの!」


「なんだ?」


「ここじゃちょっとアレだからどっか移動しよう」


ルビィに下ろしてもらって廊下を歩く。


結局寮室まで戻ってきてしまった。


「どうした?」


「ルビィ、私との契約を解除してほしいの」


「は?!なんでだよ!!」


「いいから!」


そう言って私は副校長に渡された契約の羊皮紙を取りだす。


これを宣言と同時に破れば契約は破棄されてルビィは自由になる。


私を必要としない、自由に。


絶望的な表情でこちらを見てくるルビィに内心ごめんと思いながら私は羊皮紙を破った。


プツンとどこかでルビィとのつながりが消えた感覚がする。


「そんでこっち!すぐにサインして!」


ともう一つ用意していた羊皮紙をルビィの前に突き出す。




一つ、使い魔は主人にした従わなくてもいい。


一つ、主人は使い魔を束縛してはならない。


一つ、互いが望む限りこの契約は有効である。




本当は細かいことが書いてあるけれど主にこの三つが主体となった文章を見たルビィが驚愕している。


「これからも私といるのは嫌?」


そう聞けば首を横に振った。


「そうじゃねぇよ!いいのかこんな契約……」


「いいの、私がそう望んだから」


お互いの手を絡ませる。




ルビィ・ドラゴニカ


ティオ・チェスター




二人の名前が刻まれた契約書は完成した。


これで私達は自由にお互いを求めることができる。




私は、この学校に残ることを決めたのだ。






◆◆◆






ちゅう、といつものように舌を絡めあう。


舌が触れるたびに痺れるような快感が体を走る。


今日は角度を変えて何度も何度もキスをした。


それこそ私が酸欠でくらくらしてくるまで。


その間に制服は脱がされてベッドの外へ落ちた。


ブラとショーツのみの姿で少し羞恥心が煽られる。


「んちゅ、ぷはぁ……あ、ん……」


プチ、とブラのホックまで外されて本当にショーツだけの姿になる。


「あ、んま……見ない、でぇ……」


15歳にしては慎ましい胸をまじまじと見つめられて困惑した。


「やだ、今日は全部余すところなく見せろ。な?」


「うぅ……」


その言葉遣いに弱いのを知ってか知らずか。ルビィの唇が首筋を伝い胸元へと到達する。


ちゅ、ちゅう、ぺちゃと胸を刺激してくる。


「んぅ、あ、ぁ、あん!」


「なぁ、こっちも舐めてくれよ」


そう言ってルビィの尻尾が私の口内に入ってくる。


思っていたよりも熱と質量を持っていて苦しい。


じゅぽじゅぽと出たり入ったりするそれをなんとかして舐め上げた。


「ん、気持ちい、ご主人……」


あぁ、この子はこれが気持ちいいのか。


それが分かって嬉しくなってレロレロと一生懸命唾液塗れになって舐める。


その間もルビィは私の胸を揉んだり吸ったりと愛撫を繰り返していた。


お互いを高め合う熱が止まらない。


「あむ、ちゅぱ……ちゅう、きもちい?ご主人様」


「あ、や、聞かないでってばぁ」


そしてとうとうルビィの手がショーツの中に入ってくる。


くちゅり、といやらしい音がした。


「こんなに濡れてる……気持ちよかったんだ?」


「もぉお、ばかぁ……」


最初は秘裂を上下させていた指が私の中に入ってきた。


ビクリと快感に体を跳ねさせる。


ぐちょぐちょといやらしい音をさせて私の気持ちい所を責め立ててきた。


「あ、ちょ、やぁああん!」


余りの気持ちよさに思わず尻尾が外れてしまった。


「ご主人様の魔力、もっと、ちょうだい……?」


ルビィ曰く私の魔力は極上のお菓子みたいに甘いらしい。


だからって何度もイかせて来るのは遠慮したい。


「も、やだぁ!イきたくないぃい!」


「だーめ」


そう言って今度は唾液でぐちょぐちょになった尻尾が挿入される。


「あああああ」


指よりも熱く大きな質量に背を仰け反らせてイってしまった。


体の奥を叩くように何度も何度も出し入れされておかしくなってしまいそうだ。


「ああ、んや、やぁあ……だめぇ……あああああっ!!」


イったあとも尻尾が動き続けるので絶頂するのが止まらない。


嬉しそうに笑うルビィに悪魔かよって思ったけど使い魔だったわって脳内で自己ツッコミをする。


ビクンビクンと私の意思とは関係なく身体が跳ねた。


ふとズルリと尻尾が私の中から消える。


女の子の姿になったルビィが私の片足を肩にかけて秘裂どうしをすり合わせた。


「ああぁぁああぁ?!」


「んぅ?!これは、すごいな」


腰が勝手にカクカクと動いてお互いの秘裂がすり合わされる。


同時に陰核もこすれて信じられないほど気持ちが良い。


「なに、やだ、やだこれぇ!!」


「気持ちよすぎて、おかしくなりそうだ」


空いているほうの手をお互い絡めあわせて腰を振る。


ルビィも気持ちがいいらしく余裕のない表情をしていた。


「あ、あ、ぁあ、あ!!」


「ひ、う、あぁああ!!」


お互いに嬌声を上げながら動きが加速していく。


「ルビィ、一緒に!一緒にいきたい!」


「俺も、俺も一緒に!!」


ぐちゃぐちゃといやらしい音が大きくなる。


視界がチカチカと白くなっていく。


「ヤ、イっちゃ、イっちゃうううう!!!」


「くっああぁああああ!!!」


互いに背を仰け反らせてイった。




はぁはぁと荒い息を吐いてルビィが私の横に横たわる。


思っていた以上に疲れているみたいだ。


お互い繋いだ手は離さずにいた。




「これからも、ずっとよろしくね」


「おー、よろしくなご主人様」


そう言ってルビィは笑った。


「そろそろ私の事名前で呼んでよ」


「あ―、うー、使い魔としてどうなんだそれ」


「呼んでほしいの」


「わかったよ……ティオ、大好きだよ」


不意打ちにドキリとしてしまった。


悔しいので私も何かやり返したいが体力がもう限界を告げている。


「私も、好き……」




こうして私達は本当の主従になったのだった。




*****

ティオの話はここでおしまいになります。

次はまた別の女の子たちのお話です。

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