二章3話 ライバル
呼び出しを喰らったのは必然だったのかもしれない。
魔法の使えない落ちこぼれが魔法の使える状態になったのだから。
早朝、ルビィを置いて出てこいと呼び出しを受けて私は寮の屋上に来ている。
もちろん呼び出しの相手はミリン・アーデルハイドだ。
「勝負ですわ!あなたの魔法なんかに私が負けるわけないですもの!」
当たり前だよね?
つい昨日今日魔法を使えるようになった人間に負けるわけないよね?という私のツッコミはきっとこの人には届かないのだろう。
だから私も出来る限りの全力を出さなければならない。
体の中の魔力がグルグルと混ざるのを感じる。
「行きますわよ!『フレアランス』!!」
「『フレアウォール』!」
体の周りを覆うように炎の柱が立つ。
そこにミリンの放ったフレアランスは当たったが炎の勢いに負けて消える。
荒々しい魔力の波が私の体から出ているのを感じた。
自分の意思で魔法を止められない。
「ああああああ」
止められない。
どうしよう。
止まらないよ!
助けて、ルビィ!
「ったく何してんだ」
俯いてしまっていた顔を上げるとルビィが目の前に立っていた。
「魔力動作覚えたてで使うような魔法じゃないだろこれ……しょうがねぇなぁ」
ばさりとルビィの羽が羽ばたく。
羽で私と二人を覆い隠すようにして唇を重ねてくる。
すると魔力を吸いだされているように段々と温かいモノが落ちついて行く。
角度を変えて何度も舌に吸い付かれた。
気が付くと炎の壁は消えている。
ミリンの姿は消えていた。
ぐったりとルビィに寄り掛かると前のように抱き上げてくれる。
「あ、りがと……」
「魔法の行使はまだまだ慣れてないんだ。知識だけでどうにかしようとするな」
「うん……ごめん」
そのまま部屋に連れ帰られてしまった。
優しくベッドに横たえられる。
「今日は休め。俺が言ってくるから」
「でも……」
「いいから!」
強めに言われて頷いてしまった。
すると安心したように笑ってルビィは出て行ってしまう。
クイーンサイズのベッドに一人はすこし寂しいと感じたのは気のせいだと思いたい。
◆◆◆
「もう、なんなんですの!どうして私があの程度の人間に劣ると?!」
ミリンは憤慨しながら自室で紅茶を飲んでいた。
先ほどの勝負はドラゴン娘が来たあたりで続行不能とみなして帰ってきた。
ミリンは優秀だった。
それこそクラス委員長に抜擢されるくらいには。
それがたった一人の落ちこぼれに劣ると言われたのだ。
プライドが高いミリンにはそれが許せなかった。
だから決闘を挑んだというのに……
結果は散々。
渾身の魔法は打ち消されるは上位魔法を見せつけられるわでプライドはズタズタだった。
「なんだ、ここにいたのか」
「何ものです?!」
自分しかいないはずの室内に聞こえる第三者の声に警戒する。
そいつはあのドラゴン娘だった。
ドアが開いた形跡はない。
「一体どうやってここに……!」
「転移くらい使えるんだよ。使い魔だからってなめんじゃねぇぞ」
ミリンの足元が光る。
見える魔法陣から召喚されたのはぽよよんとした軟体生物スライムだった。
スライムは発動地点にいたミリンの下半身を取り込む。
「ひゃあ?!」
純粋にスライムを見たことがなかったのだろう、驚いたミリンはそのまま尻餅をついてしまい体の大部分をスライムに取り込まれることになる。
「ほらお前の魔力でもうまそうだって近づいてくる使い魔はいるんだぜ?」
そう言ってドラゴン娘は偉そうにしていた。
だがミリンにその言葉を聞いている余裕はない。
「やだやだ、なんですのこれ!は、離れなさい!」
「無理無理。そう簡単には離れないぜ」
「そんなっ!!あぁ、ふ、服の中にぃ!」
抵抗空しく服の中に侵入を許してしまう。
スライムはまずたわわな胸を揉むように上下させる。
その動作でシャツが肌蹴てブラが見えてしまい羞恥心に頬が赤くなった。
「や、やめなさい!こんな、あぅ……!」
どれだけ悲鳴を上げても誰かが来る気配はない。
「あぁ、防音結界張ったから好きなだけ喘げよ」
ドラゴン娘の言葉に絶望する。
その言葉に反応するようにスライムはショーツの中に侵入してきた。
「いやぁあ、そこは駄目ですわ!」
逃げたいのに体の殆どを拘束されていて逃げられない。
にゅるりとした普通とは違う感触に言いしれない快感が走り、びくりと体が揺れる。
同時に揺れる胸を弄ぶように上下させて秘裂のさらに奥へ侵入してきた。
「(うそ、私こんなので感じてる?!)」
ビクビクと体が震える。
ぐちょぐちょといやらしい音が下半身から聞こえる。
そのたびスライムがミリンの膣口の中のさらに奥を蹂躙してきた。
「あ、あぁ、あ!ひぃん!」
まるで自分のものでは無いような嬌声に羞恥心が募る。
しかしスライムの動きは止まることなくミリンの中をピストン運動をして快感を与えてきた。
ごちゅごちゅとおなかの奥を叩かれる快感にミリンは背を仰け反らせて耐える。
「あぁあ、いや、いやぁ!いっちゃう、いっ、ちゃうぅう!やだぁあああ」
背を仰け反らせてビクビクと体を震わせてミリンはイった。
使い魔にイかされてしまったのである。
「あ、あぁ……いやぁ……」
にゅるんと体からスライムが退いて行く。
イった瞬間に放出された魔力で満足したんだろう。
抜かりなくドラゴン娘はスライムを送還している。
はぁはぁ、と息を切らせてビクついている体でその様子を見ているとドラゴン娘がミリンの方を見た。
「これに懲りたらうちのご主人様にちょっかい出すのをやめるんだな」
じゃないと何度でもイかせてやる。そう言ってドラゴン娘は消えてしまった。
恐らくご主人様の所に戻ったのだろう。
翻弄されてしまったのが悔しくて涙が出る。
ミリンのプライドはさらにズタズタにされていた。
◆◆◆
「よ、今戻ったぞ」
「あ、おか、えり……」
言いつけ通り眠っていたのか気だるげな返事が返ってくる。
まぁ朝っぱらからあれだけ魔力を放出すれば当然か。とルビィは思った。
ベッドサイドに座り込めば少し熱を持った手が触れる。
「具合悪いのか?」
「んーん、ちょっと……ルビィの手って冷たくて気持ちいいなぁって」
「そ、そうか?」
恐らく鱗に覆われているから熱が伝わりづらいのだろう。
頬に触れればすり、と擦り寄ってくる。
今すぐ襲いたい気持ちを抑えている自分を褒めて欲しい。
「魔力供給しとくか」
そう言って唇どうしを触れあわせる。
さすがにもう慣れたのか舌を入れても抵抗しなくなってきた。
舌を絡めあいながら魔力を送る。
「ふぁ……」
体の温度が上がったからか涙潤んだ瞳で見上げてきた。
襲いたい。
襲いたい衝動を抑えるのが大変だった。
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