一章第4話 わからせようと思います


花の香りに誘われるように目を覚ますと珍しくユウリが私の隣で眠っていた。


ふにゃんとした寝顔が可愛らしい。


こんな可愛い生き物がいていいんだろうか、いいんだよ。


誘惑に抗えず、ぷにっとほっぺたを突いてみる。


「ふにゃ」


と鳴き声を上げて顔の位置を変える。


なんだこれ可愛い。


これが俺の嫁なんやで……


今更になってようやく『花嫁』ということの実感がわいてきた。


そこで疑問が芽生える。




俺が『花嫁』になる前はどうしていたんだ?




その疑問は朝食の場で王妃様が答えてくれた。


「魔族の中で一番相性の良かった『ヴェイン』に任せておりましたわ」


「ほほぅ」


ヴェインあとでぬっころ。


と心の中で決めた。


「ユウリは『花嫁』なら誰でもよかったの?」


「そ、そんなことないですの!」


「へぇ……そう言ってヴェインとは何をしてたのかなぁ?」


むくりと俺の悪戯心が芽生える。


隣で食事をとっていたユウリが心外そうにしている唇にプニと指を添えた。


「嘘つきはこの唇かしらね~?」


そう言って俺はユウリから距離を取る。


ふぇ、と泣きそうな表情になるユウリが可愛くてもっといじめたくなった。


「ちゃんと全部教えてくれるまでキスもお預けだからね」


「えぇ、そんなぁ!」


ユウリよりも早くご飯を食べ終わらせた私は片づけを侍女さんに任せて部屋を大広間を後にする。






さらに外に待機していた侍女さんにヴェインのいる場所を聞く。


この時間は騎士団の訓練場にいると聞いてレイピアを携えてそこへ向かう。


訓練場につくと青春の汗が飛び散っていた。


男の汗臭さを感じないのは元男だからだろうか。


「たのもー!ヴェインはいるかー!!」


そう言えば団長らしい人がやってくる。


「これは『花嫁』殿。ヴェインに何か用事でもあるのかい?」


「ちょーっと用事がね……いないの?」


「ヴェインであればあそこだ」


不機嫌そうな魔族の男が立っていた。


「ちょっと借りてもいいかしら?」


「問題ないが……」


「ついでにフィールドも一つ借りるわよ」


「はい?」


了承の意ととらえてフィールドに降りる。


ヴェインの前までいくとレイピアを抜いた。


「勝負しましょう?」


「……なぜ」


「不服そうにしてるからよ元『花嫁』さん?」


ギャリンと槍がレイピアにぶつかる。


「人間風情が……後悔してもしらんぞ!!」


「それは私のセリフよ」




結果は私の完勝だった。




まず槍って間合いに入られたらできることが減るんだよな。


そこを突いて速さで翻弄してやったわ。




「なぜだ……」


「人間風情と侮るからよ」


「なぜ姫様はお前なんかと!!」


ヒュンと音をさせてヴェインの首にレイピアを添える。


「『花嫁』としての相性の問題だったんでしょ?諦めなさいよ」


「くそっ」


ヴェインは床を殴った。


「私は私の意思で『花嫁』を務めるわ。そこで貴方に聞きたい事があるのよ」


「俺に……?」


レイピアをしまう。


「そ、貴方が以前『花嫁』だった時に何をしていたのかを、聞きたいのよ」


「何をって……軽いキスだが」


「それだけ?」


意外な事実につい聞き返してしまった。


「それだけだ……他になにがあるっていうんだ?」


「いや、なんでもないなんでもない!」


まさかキスより先をしているなんてこんな大衆の面前で言うわけにもいかない。




それから私は徹底的にユウリを避けた。


お風呂ですら別々に入る。




寝室は一緒なので仕方なく一緒にいた。




「ジンジャーお姉さまぁ」


うるうると目を潤ませているユウリの両手を取って押し倒す。


「ユウリ……今日私といれなくてどうだった?」


「すっごく、寂しかったです……」


そう言った唇をぺろりと舐めて湿らせる。


「私とこういうことするの、嫌?」


ユウリはフルフルと首を横に振った。


ふわりふわりと髪の毛が揺れる。


「何をしていたのかはヴェインに聞いたわ。キス以上のこと、しましょう?」


片手で両手を拘束したままビスチェの紐を解いて下にずらす。


ユウリの小ぶりで可愛らしい胸が顕わになった。


「ひぃぁん」


「まだ触れてもいないわよ?」


胸の小さな頂を指でくりくりと弄ぶ。


まだ赤いその果実を口に含んだ。


「あぁ!ふぅん、お、ねえさまぁ!」


ぺろぺろ舐めて時々ちゅうと吸った。


あられも無い姿で善がる様子を見て興が乗ってくる。


俺って責めもいけたんだなぁとか考えた。


今日は俺がマウントポジションを取っているからか金縛りも起きていない。


手をショーツの下に潜らせて秘裂をなぞる。


そこはくちゅりとすでに濡れていた。


気持ちよくなってくれているのが嬉しくて陰核を撫でる。


「あぁん!んぅう……!」


「声、我慢しないで聞かせて……」


「や、だって、お姉さまぁ……!」


いやいやと首を横に振った。


ぐちゅぐちゅと音が泡立ちを知らせて来る。


そこで俺は手を解放させてキスをした。


小さく可愛らしい唇の隙間から舌をくぐらせて口内を蹂躙する。


「んぁ……ふぁ、ん……」


キスの間も下をいじめることは止めない。


にゅるりと指が中に導かれるように入る。


狭いが、痛みはなさそうなのでそのまま中をいじった。


「んんん?!?!」


ビクンとユウリの体が跳ねる。


体から力が抜けて息が荒くなった。


「ほら……ユウリ、終わりじゃないでしょ?」


「ぁ……」


ベッドでの上下が反転する。


ユウリの手が私のショーツに伸びてくる。


するりとショーツを脱がした。


「お姉さまぁ……」


ぴちゃりとユウリの舌が私の中に入ってくる。


びりびりとした快感で腰がビクビク動いた。


「あぁ!ん、うぅん……い、いぃ……」


じゅるるる、ぴちゃ、ぺちゃ


「んぁ……おい、しぃ……よぉ……」


「あぁあ、だめぇ!それだめぇ!」


夢中で私の中をユウリの舌が蹂躙してくる。


腰が跳ねて止まらない。


ビクンビクンと体全体が震える。


「あ、もう、だ……め……い、いっちゃう……!」


「んふふ、イって、お姉さまぁ」


責めの激しさが増した。




「ふ、うぅあああああああああ!」




視界が真っ白に染まる。


また、いかされてしまった。


くてり体をベッドに沈める。


その隣に同じく息が荒々しいユウリが横たわった。


「えへへ……お姉さまぁ♡」


擦り寄られても嫌な気分はしない。




お互いに擦り寄って温もりを与え合うように抱き合って眠った。






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