第一話面接室
第一話
スペード国直下第10部隊入隊希望面接室
部屋に入ると人参、ジャガイモ、玉ねぎみたいな顔の型
をしたバラエティに富んだ面接官が座っている。今日の夕飯はカレーでも食べようかなんて。
「ではあなたの魔力をみたいので、スペードフレイムを見せて下さい」
ジャガイモ頭が言った。
スペード国の加護神は炎である。この国で魔法の加護をうけ、生まれ育った者たちは炎魔法を創り出すことができる。
ロイドは頷き、目を瞑ってから、右手から小さな炎の球体を浮かび上がらせる。
試験官が片手に収まるぐらいの長方形型の魔力測定装置をロイドにむけて翳す。
「28WE・・・低いな」
人参頭の試験官がつぶやき、経歴書に目を向けた。
「ロイド君だっけ?君はなぜ我が軍に志願したのかな?」
筆談するためにノートを開いて、ペンを取ろうとした所で、
「あー、そうか喋れないのか」
と玉ねぎ頭の試験官から乾いたため息が聞こえてきた。【君には無理だ】と言いたげだった。
無意識にロイドは服で隠されている腕に刻まれたJの印を押さえる。『運命に抗う』第一歩である入隊は叶わなかった。
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